
| テスラの牙城はそう簡単には崩れない |
テスラ、批判続くも米国EV市場でトップを死守
近年、サイバートラックの失望やイーロン・マスクの政治的言動などで批判を浴びているテスラ。
しかし、2025年上半期の販売データを見ると、依然として米国で最も人気のあるEVメーカーであることが明らかになっています。
特に「モデルY」は販売台数こそ前年同期比で減少したものの、15万台超を記録して依然として全EVモデル中トップを誇り、さらに「モデル3」は前年を上回る売上を達成して第2位を維持することに。
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2025年上半期 米国EV販売トップ10
以下は、2025年上半期における米国EV販売ランキングです。
順位 | モデル | 販売台数 |
1位 | テスラ モデルY | 150,171台 |
2位 | テスラ モデル3 | 101,323台 |
3位 | シボレー エクイノックスEV | 27,749台 |
4位 | フォード マスタング Mach-E | 21,785台 |
5位 | ヒョンデ アイオニック5 | 19,092台 |
6位 | ホンダ プロローグ | 16,317台 |
7位 | フォード F-150 ライトニング | 13,029台 |
8位 | BMW i4 | 12,849台 |
9位 | シボレー ブレイザーEV | 12,736台 |
10位 | 日産 アリア | 11,619台 |
参考までに、リビアンR1シリーズ(R1T+R1S)は合計14,982台で実質トップ10入り。サイバートラックは10,712台で12位というポジションです。
EV市場全体は減速傾向
一方で、市場全体では2024年よりも前年同期間比で販売が減速していますが、「ブランド別販売」において注目すべきはポルシェであり、新型マカンEVの投入で前年比251%増(807台 → 2,833台)と急成長。タイカンも+31.8%と堅調に推移しています。※タイカンの販売が増えたのは謎現象
- EV販売総数:前年比▲6.3%(310,839台 → 331,853台)
- テスラQ2販売台数:前年比▲12.6%(143,535台 → 164,264台)
- モデル3:前年比+14.3%(48,803台 → 42,710台)
EV補助金終了が迫る
なお、2025年上半期のEV販売増の理由として挙げられるのが「米国では2025年9月末でEV購入時の連邦税控除(最大7,500ドル)が廃止予定である」こと。
この廃止が目前に迫ったことで、「トランプ関税導入直前」のように駆け込み需要が発生したのだとも考えられています。
参考までに、 現時点ではテスラのモデルYとモデル3はすべてのグレードが補助金対象で、特に54,990ドルの「モデル3 パフォーマンス」は価格的にも大きな魅力を持っている反面、補助金終了後は実質的に7,500ドルの値上げとなるため、2025年Q3は”さらなる”駆け込み需要で過去最高の販売台数となるであろう一方、Q4にはその反動による急落が予想されています。
北米では今がEVの「買い時」
現在「駆け込み需要」が生じているとしても、各自動車メーカーはこれに乗じて値上げを行うのではなく、むしろ「値下げ」「特典」によって顧客を呼び込んでいるといい、すでにテスラやメルセデス・ベンツは値引きや特典を導入済みだとも報じられ、例えば、メルセデスはEQシリーズを最大15,000ドル引き下げ、テスラもサイバートラック購入者に無料スーパーチャージングを付与しているのだそう。
これを見る限りだと「まだまだEVの需要は”本質的に”強いとはいえず、補助金終了後にはかなり厳しい反動が待っている」のかもしれませんね(よって、補助金終了後には、現在を上回る大幅値引きが行われると見る向きも少なくはない)。
まとめ
- テスラは批判が続く中でも、モデルYとモデル3で米国EV市場のトップを堅持
- EV市場全体は前年同期比で減少傾向だが、テスラの販売シェアは依然として圧倒的
- 9月末の補助金終了に向けてQ3は販売急増、Q4以降は減速が必至
- 購入検討者は「今買うか、年末以降の値下げを待つか」が重要な分かれ道となる
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参照:CARBUZZ