
Image:Porsche
| 911シリーズ、次なる進化は「ターボ/ターボS」 |
新型ポルシェ911ターボはハイブリッド化によって「かつてないレベル」へ
ポルシェは911の豊富なバリエーションを常に進化を続けており、昨年には現行992世代のフェイスリフト版「992.2」が登場したものの、まだ全ラインナップが出揃ったわけではないというのが現在の状況です。
そこで次に大きな変化を迎えるのは 911ターボ/ターボSで、ポルシェがSNSで公開した謎めいた一連のティーザー動画は、9月7日に公開される新型ターボSを示唆している可能性が高いものと見られています(ポルシェ自身はいまだこれらティーザー画像や動画が示すモデル名には言及していない)。
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ポルシェ、新型911ターボS(992.2)のティーザー動画を公開。9月7日に正式発表予定、衝撃に備える必要がありそうだ
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初のハイブリッド化、出力は640馬力超えへ
すでにポルシェは、新型911ターボSにハイブリッドシステムを採用することを正式に認めていますが、これは今年の上半期決算報告で明らかにされたもので、911ターボも「GTS」に続いてターボSも電動化の波に乗ることに。
現行型ターボSは 最高出力640ps、0-100km/h加速2.7秒という驚異的な性能を誇りますが、次期型はモーターの即応性によってさらにタイムが短縮されることが期待され、実際ポルシェが掲げるキャッチコピーは「faster than schnell(ドイツ語で“速い”より速い)」なので、その自信のほどがうかがえようというものですね。
まだまだ続く992.2の拡張計画
ただ、新型ターボSの登場は序章にしか過ぎず、今後まだまだ911のラインアップが拡充される見込み。
おそらくは「ニュルブルクリンクの王座を奪還するであろう」新型911GT2 RSの発表がこの後控えていると考えてよく、新型911ターボを皮切りとし、ポルシェは911の限界を一気に押し広げることとなりそうですね。
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- 2026年には GT2 RS の登場が噂され、こちらもハイブリッド化が検討される
- さらに、かつての名車「スラントノーズ」の復活計画も浮上
- 一方で、911の完全EV化はこの10年は行わない とポルシェは明言しており、911は最後まで内燃機関を守るモデルとなる可能性が大
ちなみにですが、ポルシェはニューモデル発表前になんらかの「記録」をアピールすることがあり、しかし今回の911ターボSについてはそういったアナウンスがないため、911ターボSではなんらかの挑戦を行わず、そしてその機会は「911GT2 RS」へと持ち越されるのかもしれません。
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ポルシェの電動化戦略とICEの延命
なお、ポルシェは「合成燃料(e-fuel)」の開発に力を入れており、911をできる限り内燃エンジンで存続させる方針で、SUVのカイエン、そしてセダンのパナメーラについても2030年代までV8を継続予定だと発表されているため、911のリアエンジンも「まず」安泰といえるのかも。
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ただし、718ボクスター/ケイマンはガソリンモデルが2025年で生産終了となり、後継はEVのみとされています。
もっとも、ポルシェは一部モデルについて「EV専用からICE併売に方針を修正する可能性」を示唆しており、718の復活も完全には否定できず、今後ともポルシェの動向からは目が話せない状況です。
まとめ
新型911ターボSは、ポルシェが誇る伝統のスポーツカーにおける大きな転換点となります。
- 911ターボとしては初のハイブリッド化
- 640馬力を超える出力
- 0-100km/h加速のさらなる短縮
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参照:porsche_newsroom(Instagram)