
Image:RM Sotheby's
| GMSV S1 LM、史上最高額の“新車”としてオークション記録を更新 |
たしかに事前の予想も「高額」ではあったが、まさかこの金額で落札されるとは
- ゴードン・マレーが手掛けたGMSV S1 LMが“新車としては史上最高額”となる20.63百万ドルで落札
- わずか5台のみの超希少モデルの1号車がF1ラスベガスGPの裏で歴史を塗り替える
- マクラーレン F1 LMの精神的後継とされるこの1台は、ヘリでラスベガスの夜空を舞うという演出付き
伝説のレーシングカーデザイナー、ゴードン・マレーが作り上げた”究極のロードカー”、GMSV S1 LM。
RMサザビーズが開催したオークションにて20,63万ドルという驚愕の価格で落札され、ここでは、その背景、スペック、希少性の理由までを解説します。
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なぜGSM S1 LMはここまでの「高額落札」となったのか
オークション会場はF1ラスベガスGPのサイドイベント。
落札価格はなんと20,630,000ドルを記録し「自動車史上、もっとも高額で落札された新車」となっています。
なお、金額のみだと今年8月に落札されたフェラーリ デイトナSP3の2,600万ドルよりも低く見えるものの、デイトナSP3は「チャリティオークション」としての出品、しかし今回のGSM SL1は「チャリティではない」という相違も。
Image:Ferrari
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出品された車両は シャシーNo.1 という特別な存在で、世界にたった5台しか存在しない超限定モデルのうちの1台です。
オークション当日には、ヘリコプターに吊り下げられた状態でラスベガスの夜空を舞うという前代未聞の演出まで実施され、その希少性・話題性も相まっての「記録的価格」となっているわけですね。
A new record has been set.
— RM Sotheby's (@rmsothebys) November 22, 2025
The first Gordon Murray S1 LM commission represents something very few modern machines can claim. A direct successor to the McLaren F1 LM, created with a singular purpose. To honor the greatest achievement in Murray’s career and to build the purest… pic.twitter.com/bTL1ZqL1FC
■ GMSV S1 LMとは?マクラーレン F1 LMの精神的後継モデル
S1 LMはゴードン・マレー・オートモーティブの特別車両制作部門「GMSV(ゴードン・マレー・スペシャル・ヴィークル)による特別モデル。
名称に「LM」が付く通り、マクラーレンF1 LMの精神的後継として開発されており、以下のような装備が特徴です。
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▼特別装備
- ローダウン化されたルーフライン
- 専用フロントスプリッター
- 大型リアディフューザー
- デュアルエレメントのリアウイング
- 超軽量カーボンファイバーボディ
- ル・マンを想起させる専用ライト類
- 中央運転席レイアウトの“レーシングコックピット”
つまるところ、“現代版F1 LM”として申し分のない仕様を持っているということがわかります。
■ エンジン:自然吸気V12、12,100rpm、700馬力超
S1 LMの心臓部はGMAの象徴ともいえる超高回転型V12。
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▼主要スペック
- 4.3リッター自然吸気V12
- 最高回転数:12,100 rpm
- 出力:700馬力超
- 6速マニュアル
- 専用サスペンション搭載
電動化が主流となる現代において、12,100rpmのNA V12 × マニュアルという組み合わせはもはや“文化遺産級”とも言える存在です。
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■ S1 LMはなぜこんなにも高いのか?
◎ 理由1:世界限定5台
車両そのものが極端に希少。
◎ 理由2:シャシーNo.1
コレクターからの需要は最も高まる番号。
◎ 理由3:ゴードン・マレーという“ブランド力”
マクラーレン F1の生みの親であるマレー氏の作品は、常に”非常に高い”プレミア価格が付く。
◎ 理由4:現代では再現しにくいハードウェア
自然吸気V12+MT+中央シートという構成は今後ほぼ不可能であり、“最後の純粋なアナログ・ハイパーカー”という価値がある。
■ まとめ:S1 LMは“現代で最も価値が上がるハイパーカー”の一つ
今回の落札額は、ハイパーカー市場の価値基準すら変えるレベルの出来事です。
- NA V12
- 中央運転席
- マニュアル
- 世界5台
- シャシーNo.1
- ゴードン・マレーによる設計
この条件が揃った車両が再び登場する可能性は極めて低く、今後さらに価値が高騰することはほぼ確実であると見られています。
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