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【崩壊の足音】2026年には中国にてEVメーカー50社が消える?迫る「大淘汰」と生き残る“勝者”の条件とは

【崩壊の足音】2026年には中国にてEVメーカー50社が消える?迫る「大淘汰」と生き残る“勝者”の条件とは

| 中国にはピーク時に600ものEVメーカーが存在したと言われるが |

この記事のポイント

  • 2026年、中国のEVメーカー約50社が事業縮小または閉鎖に追い込まれるとの衝撃の予測
  • 政府の補助金(約43万円分)の継続が不透明になり、税制優遇も段階的に縮小へ
  • BYDなどの一握りの「黒字メーカー」が市場を独占し、残りの90%は脱落する過酷なサバイバルが激化

世界を席巻する中国EV、その裏で進む「共食い」の現実

世界中の街中で見かける機会が増え、輸出も前年比87%増(2025年11月)と絶好調に見える中国の電気自動車(EV)。

しかし、その華々しい数字の裏側では、いま、凄まじい「大淘汰」が始まろうとしています。

これまで中国政府の強力なバックアップ(補助金)によって支えられてきた新興メーカーたちではありますが、2026年がいわゆる「Xデー」になると予測されており、つまるところ今までウワサされていた「大量倒産」が始まると見られていて、ここでは「どのメーカーが生き残るのか」そしてこの混乱が世界市場にどう影響するのかについて考えてみたいと思います。

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2026年が「終わりの始まり」と言われる3つの理由

なぜ2026年がターニングポイントになるのか?そこには3つの決定的な「逆風」が存在するからだと言われます。

  1. 補助金の打ち切り・縮小:現在、最大2万元(約43万円)の買い替え補助金があるものの、これが2026年以降継続されるかは不透明。さらに、これまで10%免除されていた購入税も2026年からは5%の課税となるなど、消費者の負担増が確実視されている
  2. 利益なき価格競争の限界:「他社より1円でも安く」という激しい値下げ合戦により、メーカーの利益は極限まで削られている状況。研究開発費が重くのしかかり、実は「車を売れば売るほど赤字」という会社が少なくない
  3. 若者の心をつかめないモデルの脱落:「スマホ世代」の若者は、ただ走るだけのEVには興味を示さず、高度なソフトウェアやエンタメ体験を提供できない古い体質のメーカーは、2026年までに市場から退場を迫られることになる
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【市場分析】中国市場で生き残る「勝者」と投資が集まる注目銘柄

過酷な状況下でも強固な経営基盤を持つ「勝ち組」は必ず存在し、現在の状況において勝ち残り確実と言われるEV専業メーカーはなんと「3社のみ」だと分析されていて、これは驚愕の事実かもしれません。※シャオミもここに含めても良いのではないかと思う

そして数年前のピーク時には600ものEVメーカーが存在し、それが昨年には150社程度、そして現在は100社をゆうに切っているという現状にもまた驚かされます。

メーカー名現状と将来性特筆すべきトピック
BYD圧倒的トップの黒字企業電池から自社生産する垂直統合モデルでコスト最強
リープモーター(零跑)2026年に年間100万台を狙う中国大手FAWから約750億円の出資を受け、急成長
Li Auto(理想)希少な黒字メーカー高価格帯の高級SUV市場を独占
その他 約50社2026年に淘汰の危機補助金頼みの経営が限界に達し、閉鎖の可能性大
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なお、ここで注目すべきは「リープモーター(Leapmotor)」で、彼らは欧州大手ステランティスに続き、中国国営のFAWグループからも巨額出資を引き出したことでも知られます。

国営企業が新興EVメーカーに出資するのは異例の事態だとされるため、これは、中国政府が「弱いメーカーは潰し、強いメーカーに生産を集約させる」という明確なメッセージを送っている証拠なのかもしれません。

参考までに、中国は「EV生産世界一」をかつて掲げており、その目標をすでに果たしている状況ではありますが、他の産業同様に「国内の企業に競争を行わせ、どこか強いところが生き残ればそれでいい」と考えているようですね(補助金のばら撒きなどによって競争を意図的に発生させ、産業の活性化を強制的に行っている)。

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H2:結論:2026年、EV選びは「ブランドの存続性」が最優先に

これまでの中国では「そのEVが安くて高機能ならOK」という選ばれ方ではあったものの、しかし、これからは「そのメーカーは来年もあるのか?」という視点が不可欠になります。

そしてガソリン車とは異なってEVは「定期的なオンラインアップデート」がなされることや、メーカーによる独自のエンターテイメント / 運転支援サービスが提供されるのが通常であり、メーカーがなくなってしまうということは「EVがただ走るだけのクルマ」となりアップデートやサービスを享受できなくなることを意味します(カーナビすら使えなくなる可能性がある)。

そうなればそのクルマの価値は限りなくゼロに近づいてしまい、さすがに「その可能性がある」メーカーを選ぶ人は少ないのかもしれません(それでも、価格に釣られて買う人はいるだろう)。

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なお、一部の「倒産が近い」自動車メーカーは輸出に活路を見出して在庫を現金化しようとするのかもしれませんが、現在この手段は中国政府によって規制が入るとも言われていて、よって今後「倒産の速度」が速くなるのも間違いなさそう。

現在、中国で利益を出せているEVブランドは全体のわずか10%程度と言われていますが、2026年の大淘汰を経て”生き残ったメーカーだけ”が世界市場を真に支配することにができるのだと思われます。

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