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| フォルクスワーゲンは中国にて大胆な「新製品ラッシュ」を計画している |
この記事の要点まとめ
- 販売減少の原因: 2025年の中国販売は前年比8%減の約269万台。NEV(新エネルギー車)の浸透率が53%を超え、ガソリン車市場が縮小
- ガソリン車では依然無双: 「パサート」がBセグメント首位、「アウディ A6L」が高級Cセグメント1位と、既存市場では圧倒的
- 2026年の怒涛の攻勢: EV、PHV、レンジエクステンダー(EREV)を含む20車種以上の新型車を中国へ一挙投入
- 中国専用開発の強化: ドイツ国外初となるR&Dセンターを中国に設立。「中国のための中国」戦略が加速
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世界最大の自動車市場、中国。
2025年はまさに「EVの波」が既存の勢力図を飲み込んだ1年となりましたが、外資トップを走り続けてきたフォルクスワーゲン(VW)グループもその荒波に直面することに。
数字のみではなく、同時に発表された計画の詳細を見てみると、彼らが単に衰退しているのではなく、「史上最大の反撃」に向けた準備を整えていることがわかります。
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2025年実績:ガソリン車王者の意地とEVへの苦戦
2025年、中国におけるNEV(EV・PHV・EREV)の小売シェアは53.28%に達し、ついに新車の半分以上が電動車に。
まずはこの急速な変化がガソリン車に強みを持つVWの納車台数(8%減)に影響を与えることとなっています。
2025年 中国・グローバル販売状況比較
| 項目 | 2025年実績 (中国) | 前年比 (Change) |
| 総納車台数 | 2,693,800台 | –8.0 % |
| ガソリン車シェア | 2.57M台 (市場シェア22%超) | 外資ブランド1位 |
| グローバル総納車数 | 8,983,900台 | –0.5 % |
| グローバルEV販売 | 983,100台 | +32 % |
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特筆すべきトピック:
- パサートの独走: ガソリン車Bセグメントにおいてトップの座を維持
- アウディの復権: 「アウディ A6L」が6年ぶりに高級ガソリン車Cセグメントの販売首位に返り咲く
2026年の大逆転戦略「In China, for China」
VWは2025年11月、ドイツ国外では初となる完全なR&D(研究開発)・テストセンターを中国に設立。
これは、もはやドイツで設計した車を中国に持ち込むのではなく、中国のスピード感と技術で車を作るという決意の表れです。
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2026年以降の新型車投入ロードマップ
- 2026年: 全方位で攻める20車種以上を投入
- 100%電気自動車(BEV)
- プラグインハイブリッド(PHEV)
- レンジエクステンダー(EREV): 中国で爆発的人気の「発電専用エンジン付EV」を本格導入
- 2027年: 電動化モデルを30車種まで拡大
- 2030年: 合計約50車種のNEVを展開(うち30車種がBEV)
次世代技術の柱
- CMP(中国メインプラットフォーム): 中国専用に開発されたコンパクトクラス向けEV基盤
- CEA(中国電子アーキテクチャ): 高度な自動運転やインテリジェント接続を実現するソフトウェア基盤
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なぜVWは「レンジエクステンダー」に舵を切ったのか?
これまで純粋なEV(BEV)に注力してきたVWですが、2026年の計画には「レンジエクステンダー(EREV)」が明記されています。
中国市場では、充電インフラの不安を解消しつつ、EVらしい静かで力強い走りを楽しめるEREV(エンジンを発電のみに使う方式)がBYDやLi Auto(理想汽車)などの成功により主流の一つとなっており、しかしVWはこの「中国独自のトレンド」に対応するラインアップを持たないというのが現在の状況です。
これによって「波に乗り遅れ」中国現地の自動車メーカーに対する遅れを取ってしまったということになりますが、EREVを投入し現地メーカーに真っ向から対応することで失ったシェアの奪還を狙っている、というわけですね。
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結論|2026年はVWの「真価」が問われる年になる
2025年の8%減少は、ある意味で「想定内」の痛みと言えます。既存のガソリン車市場で圧倒的な利益を確保しつつ、その資金を中国専用のEV開発に惜しみなく投入する。
この「二段構えの戦略」が、2026年に結実するかどうかが最大の焦点です。
「外資トップ」の称号を単なるガソリン車の遺産にするのか、それともEV時代でも維持し続けるのか。
新年早々からはじまる新型車ラッシュに期待したいと思います。
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参照:CarNewsChina, Reuters, CPCA, Volkswagen

















