
Image:NVIDIA
| エヌビディアは好材料を多数発表したにもかかわらず株価が「下がる」 |
箇条書き要約
- NVIDIAがAI自動運転プラットフォーム「アルパマヨ」をCES2026で初公開。人間のように推論し判断する新世代AIを搭載
- 従来の自動運転は“認識中心”だったが、アルパマヨは状況判断の「思考」を実現
- テスラ等既存システムと異なり、言語的理解を加えたAI制御が特徴
- まずはレベル2自動運転車で採用予定。今後レベル4まで進化させる計画
- 自動運転を巡るAIとモビリティの競争はさらに激化へ
Yesterday at NVIDIA Live at CES 2026 CEO Jensen Huang shared how AI is transforming every domain and device, redefining the future of computing.
— NVIDIA (@nvidia) January 6, 2026
He unveiled the Rubin platform, a new extreme-scale AI supercomputer architecture now in production, alongside major advances in open… pic.twitter.com/wb102FbVDr
「本当のAI」が実現?
現在世間では「AIブーム」となっていますが、実際には「AI(人工知能)」というよりは「膨大なデータに基づく推論」といったほうが正しく、要は現在のAIは「知能」というよりは「知識」をベースとしたもの。
しかし今回エヌビディアが発表した「考えるクルマ」は文字通り「知能」を備えており、多くのクルマに備わる運転支援デバイスや自動運転機能が「状況を認識し推論を行う」のにとどまるのに対し、エヌビディアが発表した「アルパマヨ」は「状況を認識し、そこから考える」という大きな違いが存在します。
Vera Rubin is in full production.
— NVIDIA (@nvidia) January 6, 2026
We just kicked off the next generation of AI infrastructure with the NVIDIA Rubin platform, bringing together six new chips to deliver one AI supercomputer built for AI at scale.
Here are the top 5 things to know 🧵 pic.twitter.com/TiQKUK4eY3
自動運転AIの歴史と「アルパマヨ」の革新ポイント
従来の自動運転AIとその限界
これまでの自動運転AIは、カメラやセンサーが捉えた情報を「認識」することが中心で、その先の「判断」は統計データやルールベースに依存しています。
例えば道路上の障害物を検出しても、「どのように動くか」「そこから何が起こるのか」を人間の思考に近づけて判断するのは非常に困難で、具体的な例を挙げてみるとこんな感じ。
【例A】
- 現在のほとんどの「車線逸脱警告」は車線を逸脱したことだけを、カメラやセンサーをもとに判断し警告を行う
- そこには「なぜ逸脱したのか、たとえば路上駐車や歩行者の飛び出しがあったから逸脱したという”理由”は考慮されない
【例B】
- 同様に、ほとんどの「先行車発進警告」は、先行車が発進したという情報のみを取得し警告を行っている
- たとえば「赤信号」なのに先行車が発進したとしても、先行車が発進したという情報をドライバーに伝える
「アルパマヨ」が実現する“考える車”
そこで今回CES2026で世界初披露されたのが、2026年の自動運転技術を語る上で鍵となるであろう「従来の”認識中心AI”を超える次世代モデル――NVIDIAのフィジカルAI搭載自動運転プラットフォーム「アルパマヨ」。
このアルパマヨは、AIが「単に見る」だけでなく状況を言語化し、推論を伴う判断を行う新アプローチであるとされ・・・。
主な特徴
- 推論AI搭載
センサーからの情報を解析し、
「子どもが道路に飛び出す可能性がある」
といったシナリオ推論が可能 - 言語的理解と行動判断
単なる物体認識ではなく、状況を「言語として理解」した上で操作制御へ反映 - 進化する自動運転レベル
発表時点ではレベル2(ドライバー補助)として提供後、将来的にレベル4(高度自動化)まで進化させる設計
どういったことかというと、たとえば走行中、クルマの前にボールが転がってきたとして、現在のAIでは「ボールが転がってきた」という情報を警告としてドライバーに伝えるにとどまり、しかしアルパマヨでは「ボールが転がってきたとしたら、それを追いかけて子どもが飛び出してくる”かもしれない”」という推論が可能となります。
これはぼくらが自動車教習所で習う「かもしれない運転」ということになりますが、アルパマヨでは「より人間に、しかも経験豊富なドライバーに近い」判断が可能になるというわけですね。
他メーカーとの比較と自動運転AIの潮流
自動運転AIの潮流
| 項目 | 従来型AI | アルパマヨ |
| 認識中心 | ◯ | ◎ |
| 判断推論 | △ | ◎ |
| 言語理解 | × | ◎ |
| 自動運転レベル | 最大レベル3 | 目指すはレベル4 |
そして従来はカメラやセンサーからの情報をベースとした「現状の認識と既存データとの照合」が中心であったものの、NVIDIAのアプローチは「AIが状況を理解して自律判断する」という方向。
これによって突発的なシナリオにも柔軟な対応ができると期待されているわけですね。
テスラとの違い
テスラの自動運転システムは高精度センシング技術と大量データによる制御が強みですが、言語的な状況推論の観点は弱いとされています(それでも他社の自動運転システムに比較すると優秀で”現実に近い”ものだと認識している)。
一方、アルパマヨは「状況を言葉として理解して予測」する能力を特徴として打ち出しており、ここが「両者の違い」であるとも説明されています。
結論
NVIDIAの「アルパマヨ」は、単なる自動運転技術ではなく、AIが“考える車”を実現するプラットフォームとして自動車産業に大きなインパクトを与える存在です。
従来の認識中心AIから推論中心AIへの進化は、自動運転の安全性・柔軟性・未来への期待を大きく引き上げることとなり、しかし気になるのは「今後実際に、どうクルマに反映されてゆくのか」。
もちろんエヌビディアがクルマを製造販売するわけではなく、現時点でアナウンスされているのは「メルセデス・ベンツとの協業」。
早ければ1-3月期(第1四半期)にも米国の路上へとこの「アルパマヨ」搭載車が投入されることについてもコメントがなされており、続報に期待したいと思います。
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