| やはりどのような調査においても日本車の優位性は揺るがない |
BMW、ミニは大きく順位を上げているもののメルセデス・ベンツの順位は依然として低いまま
さて、先日は調査会社であるJDパワーが「自動車メーカー各社の信頼性調査結果」を公表していますが、今回は米コンシューマーレポートが自動車メーカー間における信頼性調査の結果を発表することに。
なお、こういった調査はいくつかの会社が発表しているものの、調査方法や指標が異なるため、その結果についても差異があり、それぞれの特徴があるのが面白いところです。
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コンシューマーレポートはどうやって品質を評価しているのか
そこでコンシューマーレポートが品質を評価する方法から紹介してみると、調査対象は2000年モデルから2023年モデルまで(昨年秋以降に導入された2024年モデルも含む)の33万台。
これらについて、過去12か月間に車両に発生した問題について質問することになるわけですが、質問の内容は「ブレーキのきしみ音や内装トリムの破損」といった軽微なものから「エンジン、トランスミッション、EV用バッテリー、(EVの)充電問題」など比較的大きな問題に至るまでの20のトラブル領域。
そしてコンシューマーレポートは問題の重大度を比較検討し、各車両の予測信頼性スコア (1から100まで) を作成し、これに対してコンシューマーレポートが実施した(各メーカーの主要モデルに関する)信頼性評価をプラスして総合スコアを100点満点にて算出する、とのこと(コンシューマーレポートによる信頼性評価は、サーキットテストで収集したデータ、オーナー満足度調査の結果、安全性データなどが含まれる)。
コンシューマーレポートによる信頼性調査の結果はこうなっている
そこで今回のコンシューマーレポートによる調査結果を見てみると以下の通り。
順位 | 自動車メーカー | 得点 |
1 | レクサス | 79 |
2 | トヨタ | 76 |
3 | ミニ | 71 |
4 | アキュラ | 70 |
5 | ホンダ | 70 |
6 | スバル | 69 |
7 | マツダ | 67 |
8 | ポルシェ | 66 |
9 | BMW | 64 |
10 | キア | 61 |
11 | ヒョンデ | 56 |
12 | ビュイック | 55 |
13 | インフィニティ | 53 |
14 | テスラ | 48 |
15 | ラム | 46 |
16 | キャデラック | 45 |
17 | 日産 | 45 |
18 | ジェネシス | 44 |
19 | アウディ | 43 |
20 | シボレー | 43 |
21 | ダッジ | 42 |
22 | フォード | 40 |
23 | リンカーン | 38 |
24 | GMC | 36 |
25 | ボルボ | 28 |
26 | ジープ | 26 |
27 | フォルクスワーゲン | 26 |
28 | リビアン | 24 |
29 | メルセデス・ベンツ | 23 |
30 | クライスラー | 18 |
このランキングを見ると、おおよそは他の調査会社と同様の結果となっていて、そして注目すべきはミニ、アキュラといった「これまで下位だった」ブランドの順位が上がっていること、そしてヒョンデやキアといった「今まで上位にいた」ブランドの順位が下がっていること(一方でフォルクスワーゲン、クライスラー、メルセデス・ベンツなどの順位は依然として低い)。
ただしJDパワーの調査結果と異なるのは「アメリカンブランドの順位が高くないこと」で、コンシューマーレポートではアジアの自動車メーカーが上位を独占するという結果となっています。
なお、コンシューマーレポートによると、ここから見えてきた「信頼性の高いボディ形状」はセダン、ハッチバック、ワゴン(いずれもスコアは平均して57)、ついでSUV(50)とミニバン(45)で、人気のピックアップトラックは41というスコアにて「最低」となっています。
さらに「パワートレーン別」でも興味深い結果が出ており、ハイブリッド車は内燃エンジン (ICE) を搭載した車よりも問題が26%少なく、とくに優秀だったのはレクサスUX / NXハイブリッド、トヨタ・カムリ・ハイブリッド、ハイランダー・ハイブリッド、RAV4ハイブリッドなど。
一方でプラグイン ハイブリッド (PHEV) は内燃機関搭載車に比較して146%多くの問題が発生することがわかっており、特に数値が低かったのはアウディQ5 やクライスラー・パシフィカで、後者はコンシューマーレポートでは最も低いスコアの「14」だと報告されています。
参考までに、EVのスコアもさほど優れず、乗用車では44、SUVでは43、ピックアップだと30となっており、問題が多く指摘されている箇所は「EV駆動システムのモーター、EV充電システム、およびEVバッテリー」。
問題のある車種としてはフォード F-150ライトニングとマスタング マッハ E、ジェネシスGV60、ヒョンデ・アイオニック5、キア・ニーロEV / EV6、スバル ソルテラ、トヨタbZ4X、フォルクスワーゲンID.4。
これを見るに、セダンのように「昔から存在する車種」、そしてガソリン車のように「確立された技術」を採用するモデルのほうがより安心ということになりそうですね。
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