
| 全体的には非常に「好調」な販売が続いているようだ |
2025年9月 外国メーカー車新規登録台数の全体概況
2025年9月度の外国メーカー車新規登録台数は、供給体制の改善と旺盛な需要を背景として非常に好調な結果となっており、全体では25,570台に達していますが、これは前年同月比で116.7%という大幅な伸長です。
なお、テスラは日本自動車輸入組合に加入していないので、同協会の発表する資料には数字として出てきませんが、おそらくは「Others(その他)」のうち、ほとんどがテスラの登録台数だと思われ、そしてこの「その他」前年同月比278.6%(1,471台)と突出した成長を見せており、フェイスリフトが行われたモデルYの人気ぶりを伺わせます。
【ランキング】2025年9月 外国メーカー車ブランド別登録台数TOP10
まずこちらは2025年9月の新規登録台数上位10ブランドをランキング形式にまとめたもの(出典:日本自動車輸入組合)。
順位 | ブランド名 | 登録台数(合計 a) | 前年同月比(a/b%) | 1-9月累計(c) |
1 | Mercedes-Benz | 3,704台 | 107.6% | 38,345台 |
2 | BMW | 3,104台 | 105.8% | 35,395台 |
3 | VW | 2,823台 | 104.7% | 24,153台 |
4 | Audi | 2,695台 | 122.7% | 17,504台 |
5 | BMW MINI | 2,005台 | 107.4% | 14,410台 |
6 | Volvo | 1,821台 | 147.2% | 8,531台 |
7 | Land Rover | 994台 | 139.4% | 6,658台 |
8 | Porsche | 822台 | 57.6% | 7,793台 |
9 | Jeep | 815台 | 128.6% | 6,664台 |
10 | BYD | 799台 | 310.9% | 2,899台 |
(参考) | 小計 | 25,570台 | 116.7% | 182,021台 |
最新の市場動向を踏まえた考察
1. プレミアムブランドの上位争いとアウディ、ボルボの躍進
外国メーカー車の市場は、引き続きメルセデス・ベンツ(3,704台)とBMW(3,104台)が僅差で首位を争う構造が続いており、両ブランドとも前年同月比107%前後と安定した販売を維持しています。
しかし、9月度の市場で特に目覚ましい成長を見せたのは、アウディ (122.7%) と ボルボ (147.2%) の2社。
両ブランドの好調は、戦略的な新型車の投入や、電動化モデルに対する需要の高まりを強く反映していると考えられますが、特にアウディはフォルクスワーゲンに迫らんばかりの勢いを見せており、しかしとくに「突出した人気モデルが見当たらない」ため、ラインアップ全般にわたって伸びているのかもしれません。
2. ポルシェの登録台数減少と高級車の二極化
全体が好調な中で、ポルシェは登録台数822台、前年同月比57.6%と、主要ブランドの中では珍しく登録台数を大きく落としています(ポルシェが販売をここまで落とすのは珍しい)。
これはガソリンエンジン版のマカン、718ボクスター/ケイマンの供給が(販売終了に伴い)細くなっていることが理由かもしれず、もしそうだとするとこれらの販売が完全に終了した後、ポルシェの販売は伸び悩むことになるのかも(日本市場ではプレミアムEVが売れにくい)。
一方で、超高級スポーツカーのセグメントでは、フェラーリが134.8%、アストンマーティンが108.9%との伸びを見せるもランボルギーニは75.3%、マクラーレンは60.7%とやや不調、そしてエミーラの納車が一段落したのかロータスは17.1%にまで落ち込んでいます。
3. 新興ブランド・個性派ブランドの著しい成長
市場全体の活性化を示す重要な兆候として、いくつかのブランドが非常に高い前年同月比を達成しており・・・。
• BYD: 310.9% (799台)
• DS: 333.3% (33台)
• ABARTH: 191.7% (40台)
• Hyundai: 148.2% (64台)
特にBYDの大幅な成長は、日本市場における電動車ラインナップの強化が実を結び始めている証拠と見ることができ、9月ではなんと「トップ10」に入るといった活躍も。
このほか目立つところではロールス・ロイス(175.9%)、アルピナ(166.7%)が挙げられ、プレミアムブランド全般の好調さが目立ちますが、これだけ高価格帯のクルマが売れているところを見るに、「意外と日本は好景気」なのでしょうね。
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参照:日本自動車輸入組合