| まさかこんなレアなTVRが存在したとは |
ボクの周りには意外と「TVRに乗っていた人」が多く、その過去に驚かされたことも
さて、現在「再生」計画が進められている英国TVR。
まさにエキゾチックという表現がぴったりなクルマを製造していたことで知られますが、今回はその中でもとびっきりのレアモデル、TVR T440Rが中古市場に登場。
このTVR T440Rは2003年に耐久レースのホモロゲーションのために製作された、いわゆる「ホモロゲーション・スペシャル」で、存在するのはなんと世界に1台のみ。
TVR T440Rはこうやって誕生した
今回の売り主によると、まずはスパ・フランコルシャン、セブリング、ブリティッシュGT、そしてル・マンで24時間レースなどの耐久レースに参戦するために作られたT400R(通称タイフォン)というレーシングカーが存在し、そのホモロゲーションを取得するためにこの「T440R」プロジェクトが始まったそうですが、当時の規定では「4台のロードカー」を作る必要があり、TVRは3台のタイフォンをロードカーに転用し、残る一台として別途製作したのがこのT440Rなのだそう。
そしてこのTVR T440Rには自然吸気4.2リッター直列6気筒エンジンが搭載され、このエンジンには、ガスフロー式シリンダーヘッド、スチール製のクランクシャフトとコンロッド、6個のアッパーインジェクターを備えたカーボンファイバー製のエアボックス、特注のエキゾーストヘッダーが採用されています。
公道走行時のエンジン出力は440ps(446PS/328kW)で、スーパーチャージャーを搭載したレーシングバージョンだとの585ps(593PS/436kW)にも達するようですね。
アンダーフロアは空力特性を向上させるためにフラットボトムが採用され、このパネルは樹脂でサンドイッチされたアルミニウムハニカム。
シャシーには「別体のカーボンファイバー製タブ(どんなものかわからない)」が採用され、これはシャシーに接着されるほか、カーボンファイバー製ボディパネルがこのタブとフロアに接着されていると紹介されています(カーボン製バスタブシャシーなのかもしれない)。
そのパフォーマンスは驚くべきものだった
このTVR T440Rは強大なパワーと軽量構造のおかげで0−100km/h加速を4秒でこなし、最高速度は320km/h。
現在この数字は「スーパーカーであれば普通」に達成できるものですが、重要なのはこのクルマが2003年に作られたということで、当時の基準からするとこれは相当に速い数字です。
さらに驚くのは、このパフォーマンスそしてレース用のホモロゲーションモデルであるにもかかわらず4人が乗車できるということ。
一方ではホモロゲーションモデルらしくカーボンファイバーがふんだんに使用され、ウィランズ社製のレーシングハーネスが装着されるという一面も。
シートは赤と黒のレザーで縁取られ、アルカンターラのヘッドライナーが現代的な雰囲気を醸し出しています。
今回販売されている価格は192,990ポンド(約2920万円)ですが、その希少性を考慮すると十分に納得できるものでもありますね。
合わせて読みたい、TVR関連投稿
-
新生TVRグリフィス発表。「これが正真正銘のTVR、そしてブリティッシュマッスルカーだ」
| はたして本当に生産できるのかどうかが問題だ | TVRがブランド70周年の折、ついにその新モデル「グリフィス(Griffith)」を公開。すでに「グリフィス」の名を商標登録していたことは伝えられて ...
続きを見る
-
発表からもう4年。TVRグリフィスは未だ生産が開始されず、このまま消滅もしくは規制に対応するためにEVもしくはPHEVになるんじゃないかというウワサ
| TVRはすでに予約金を受け取り受注を開始しているが、このままだとその返還要求を迫られそう | このまま生産できなかれば「今までの投資と苦労」が水の泡になるため、TVRとしてはなんとか生産を行いたい ...
続きを見る
-
新型TVRグリフィスの生産がさらに遅れ、具体的な時期が不明に。いったいなぜこんなことに
| 自動車メーカーを立ち上げるのは本当に難しい | TVRは2017年に新型グリフィスを発表し、2018年には生産を行う予定だったもの、それがずっと遅れており、さらに今回「また遅れる」と発表。今回の生 ...
続きを見る
参照:Piston Heads