| 同じような話は前にも気いたような気がする |
ロールスロイスCEO、トルステン・ミュラー・エトベッシュ氏によると、「ロールスロイスはしかるときにエレクトリック化を行う。しかも、ハイブリッドをスキップしてピュアエレクトリックへだ」。
なお、この発言を聞いて思い出すのはベントレー。
ベントレーも同様に「ハイブリッドを通り越してピュアエレクトリックへと移行する」と2016年にコメントしています。
ただし、ベントレーはほかメーカー同様にピュアエレクトリック化が難しかったと見え、2018年には翻意して「ハイブリッドに注力」という方向へとシフトしています。
なお、ハイブリッドについてもいくつかのメーカー(フェラーリやマセラティ)が「2019年以降に発売するクルマはすべてハイブリッド」と発言していたものの、どうやらそれは難しそう。
これは「バッテリー技術が思ったよりも進歩していない」「バッテリー価格が下がらない」ということが大きな理由だと思われ、各自動車メーカーとも対策を迫られているところでもありますね。
現在、「ピュアエレクトリックハイパーカー」としてはリマックC_Two、ピニンファリーナ・バッティスタ、ロータス・エヴァイヤなどが控えているものの、この調子だとこれらの発売も「のびのびに」なるのかもしれません。
ロールスロイスはその考え方を曲げていない
そこでロールスロイスですが、ロールスロイスは2011年というかなり早い段階で120EXというEVコンセプトを発表。
ロールスロイスはBMWと同じグループに属し、当時BMWが「i」ブランドに将来を見出していた次期なので、ロールスロイスもこのテクノロジーを活用してEV化をという計画だったのかもしれず、しかしBMW同様、エレクトリック化がうまく進まなかったということになりそうです。
そして今回の発言にある「しかるべき時」がいつなのかはわかりませんが、実際のところロールスロイスもこれについては明確なターゲットを持っていない可能性も高く、「チャンスが来れば、そのときに考える」というくらいなのかもしれませんね。
ちなみにロールスロイスは、これまでの方針通り「ハイブリッドはやらない」と強く、そして改めて主張。
その理由としては「ひとつの車両に2つのパワートレーンが存在するのは無駄」ということですが、たしかにこれは一理ありますね。
加えて、ロールスロイスのように販売台数が少ないメーカーにとって、「過渡期の存在であり、いずれはなくなるであろう」ハイブリッドカーの開発にお金をかけることはできない、という事情があるのもかも。
なお、ロールスロイスはもともと走りやサウンドを云々するブランドやクルマではなく、快適性や静粛性がウリのメーカー。
よって、ガソリンエンジンを廃してフルエレクトリック化しても「ガソリンエンジンのフィーリングが」「サウンドが」というオーナーはいないと思われ、むしろピュアエレクトリックのほうが「ユーザーが求めるロールスロイスの姿」に近いのかも。
実際にロールスロイス自身も「エレクトリックでしか達成できない領域がある」とコメントしていますが、エレクトリック化によって、ロールスロイスはこれまでとはまた次元の異なる静粛性や快適性を実現することになりそうですね。