
| ただし今ではすっかり上海蟹のファンである |
「成隆行蟹王府」では味のみではなく高いサービスの質も評価できる
さて、上海を訪れたからには上海蟹をということで「成隆行蟹王府」へ。
実のところこの時期(3月)は上海蟹のシーズンを外していて、上海蟹のシーズンというと通常は10月〜11月(メスが卵を抱えている)ではあるものの、それ以外のシーズンだとオスを食すことが多く、今回もやはり「オス」を使用したコースをいただくことに。
なお、上海蟹そのものはモクズガニの一種で珍しいものではなく、しかし実は特定の池(上海蟹は淡水性である)で取れたものだけを”上海蟹”と呼んでいて、要はその池でカニが食べるもの(餌)が特別であり、それが上海蟹を上海蟹たらしめている(上海蟹特有の味を形成している)ということになりますね(ヤドクガエルが本来の生息地でしか毒を生成しないのと同じで、食べる食材によってその生物の身体的特性の一部が決定される)。
「成隆行蟹王府」ではこんなコースを食べてきた
そしてこの「成隆行蟹王府」は自前の池(養殖場)を持っていて、そこで慎重に蟹の育成と出荷を行っており、つまりは質の高い、そして「本物の上海蟹」と呼べる蟹を提供してくれるレストランで、ミシュランガイド2025にも「一つ星」として掲載されています。
中国の音楽の生演奏があったりとなかなかにいい雰囲気。
せっかくの中国なので、ぼくはこういった「雰囲気」もお店選びの一つの基準に置いています(必ずしも雰囲気がいいという意味ではなく、いろいろな意味で固有性があるお店が好きだ)。
人気店なので基本的には「予約をした方が良い」ものの、ディナーだと比較的早い時間だと席を確保できることが多く、今回はちょっと早い時間帯に訪れたために個室を用意してもらうことに成功。
さすがは「高級店」だけあってナプキンは「刺繍入り」。
そこで今回は上海蟹を堪能できるコースを選択し、最初にクッキーとパイナップルが出てきます。
こちらは前菜のようなもの。
「フカヒレとカニ味噌」のスープ(けっこうな量がある)からコースが本格的にスタートします。※酢や葉っぱ(薬味?)を入れることで味変を楽しめる
「カニ味噌とご飯と酢」。
こんな感じで混ぜてからいただきますが、食べ方などはお店の人が説明してくれるので(今までに見たことがないものが出てきたとしても)安心です。
こちらは茹で上がったカニ。
ちゃんと剥いてくれるのでこれも安心。
何も考えずに食べることだけに専念できるのはありがたい、と思います。
上海名物の「川エビ」。
ちょっとピリ辛な味付けです。
蟹の身と野菜。
こちらは口直しっぽい野菜に・・・。
カニ味噌をたっぷり使用した小籠包。
マンゴーにグレープフルーツ、そして驚かされるのは「イクラ」が入っていることで、甘みと苦みと塩味とのハーモニーが新鮮です。
こちらは紹興酒。
このほか、蟹肉は「体を冷やす」ため、それを防ぐべくあたたかい生姜湯(かなりストロング)が出てきたりとあれこれを気を使ってくれ、「カニづくし」のコースを飽きることなく堪能させてくれます。
なお、上海蟹というと「小さい」「食べるところがない」「名前だけが有名で特別おいしいものではない」という先入観があったものの、最初に成隆行蟹王府を訪れたときにその印象はすっかり崩れ去り、いまとなってはすっかり「上海蟹ファン」ですが、もちろんその理由のひとつはお店側の気配りにもあり、ミシュラン一つ星も納得ではありますね。
「成隆行蟹王府」での食事の様子を収めた動画はこちら
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