| BMWはトラックが「リッチな人々が乗るラグジュアリーな乗り物」として認知されるのを待っているようだ |
メルセデス・ベンツ、アウディが参入すれば黙ってはいないだろう
さて、メルセデス・ベンツは「マイバッハブランドからピックアップトラックを発売する意向を持っている」と報じられていますが、一方でBMWによれば「我々のラインアップにピックアップトラックは必要ない」。
これはBMWのデザイン・ディレクターであるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏がカーメディアに対して語ったもので、「BMWのラインアップにはピックアップトラックは明らかにマッチしない。それがひとつのトレンドであることは理解しているが、すべてのトレンドを追いかける必要はない」。
ただしBMWは実際にピックアップトラックを作ったことがある
ちなみにですが、BMWは「公式にて」X7のピックアップトラックを作ったことがあり、しかしこれはBMW本体ではなく、BMWのバイク部門である「モトラッド」が製作したもの。
こんな感じでバイクを積んで展示するためにX7のプロトタイプを改造してピックアップトラック化しており、実際に当時はかなり大きな反響を得たと記憶しています。
なお、現在北米ではヒョンデ・サンタクルーズやフォード・マーベリックといったオシャレトラックが登場しており、より大型なハマーEVそしてリビアンR1T、フォードF-150ライトニングといったラグジュアリートラックも登場していて、北米市場においてピックアップがひとつのブームとなっているのは間違いなさそう。
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さらには2023年にサイバートラックもデリバリーが開始されるものと思われ、先日はラムが1500レボリューショントラックを発表しているため、今年はますますこのセグメントが熱くなるのは間違いなく、しかしBMWは「トラックは必要ない」とコメントしているわけですね。
さらに言えば、アウディは「アクティブスフィア・コンセプト」を発表しトラックへの関心を隠そうとしていない状態であり、アウディは遅かれ早かれここに参入する可能性が高く、このあたりはメーカーによって考え方がけっこう異なるようにも感じます。
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ただしBMWもピックアップトラックに無関心なわけではない
ただ、いかに「ピックアップトラックはBMWのブランドにマッチしない」といえど、やはり全くの無関心ではないようで、現在は他ブランドの動向を注視している段階だといい、それは「あるセグメントに参入するのであれば、長期的に参入したい」からだといい、つまりは参入してすぐに撤退、ということになりたくないのでしょうね。
さらにエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏は「興味深いのは、ピックアップ・トラックがより洗練されてきていることです。エレクトリックモデルも登場し価格も上がっていて、これらは興味深い発展です。しかし、私たちがすぐにそれに飛びつく必要はありません。もちろん、BMWブランドとしてある程度信頼できるものでなければならないからです」。
たしかにBMWはアウディ、メルセデス・ベンツに比較すると都会的な印象があり(ワゴンにしても、オールテレーンやオールロードに相当するモデルはない)、BMWがそれを差別化の一つの要因としているのであれば、もうちょっとピックアップトラックが「ラグジュアリーな乗り物である」という認知が高まったときに満を持して参入するのかもしれませんね。
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参照:BMWblog