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BMWが25年ぶりのル・マン復帰に際してM ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティングを公開。「この走る芸術作品は、レースを終えてはじめて完成するのです」

BMWが25年ぶりのル・マン復帰に際してM ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティングを公開。「この走る芸術作品は、レースを終えてはじめて完成するのです」

Image:BMW

| 今年のル・マン24時間レースは前代未聞の熾烈な戦いとなるのは間違いない |

62台の出場車の中でも、このBMW M ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティングはひときわ目立つ存在となるだろう

さて、BMWがパリのポンピドゥーセンターにてBMWでは通算20台目のアートカー「 BMW M ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティング」を公開。

ペイントを担当したのはアーティストのジュリー・メレトゥで、この発表に際しては本人のほか、BMW AG 経営委員会会長のオリバー・ツィプセ氏、BMW AG 経営委員会の人事担当メンバーであるイルカ・ホルストマイヤー氏も出席し、オリバー・ツィプセ氏は以下のようにコメントを発しています。

BMW アート カーは、私たちの世界的な文化的取り組みにとって不可欠な部分です。 ほぼ50年にわたり、当社はテクノロジーやモータースポーツと同じようにモビリティやデザインに魅了されるアーティストたちとコラボレーションしてきました。 ジュリー・メレトゥのレーシングカーに対するビジョンは、BMW アート カー シリーズに非常に強力に貢献しています。

オリバー・ツィプセ
BMWが記念すべき20台目のアートカーを製作すると発表。MハイブリッドV8ハイパーカーをベースとしてジュリー・メレトゥがデザインを担当
BMWが記念すべき20台目のアートカーを製作すると発表。MハイブリッドV8ハイパーカーをベースとしてジュリー・メレトゥがデザインを担当

| 現時点ではまだ「素」のまま、ここからレースに向けてデザインが調整されるものと思われる | ただし現状の「カーボンむき出し」状態であってもじゅうぶん「アート」のように思えるが さて、BMWはかねてよ ...

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BMW最新アートカーの作成には3Dマッピングが使用される

ジュリー・メレトゥはこれまでに「空間、動き、エネルギー」といったモチーフをもとに作品を制作してきましたが、今回のアートカーでははじめて「2次元のイメージを3次元の表現に変換し、ダイナミズムを形にすることに成功した」といいます。

自身の記念碑的な絵画「Everywhen」(2021年 - 2023年)に用いた色と形を今回のデザインの出発点としたと説明されており、 この作品は現在、ヴェネツィア(ITA)のグラッシ宮殿で開催されているアーティストの大回顧展で展示され、その後、ニューヨーク(米国)の近代美術館(MoMA)の常設コレクションの一部となる予定なのだそう。

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BMWアートカー プロジェクト全体は、発明、想像力、そして可能性の限界を押し上げることです。 このクルマは(アートではありますが)展示するものではないと思います。 ル・マンで実際にレースするものとして考えています。 つまりパフォーマティブな絵画です。 私の手掛けたBMWアートカーは、モータースポーツ チームとエンジニアリング チームとの緊密なコラボレーションによって作成されました。 レースが終わって初めて完成するのです。

ジュリー・メレトゥ

その抽象的な視覚的形式は、デジタル処理された写真から生じており、ドットグリッド、ネオンカラーのベール、ジュリー・メレトゥの作品に特徴的な黒いマーキング層が重ねられ、車両の輪郭にモチーフを転写する3Dマッピング技術により”映像と車両の融合”が実現されていますが、精巧なフォイル加工によって実際の競技に耐えうる品質を持ち、ル・マン24時間レースではBMW M モータースポーツのワークスドライバー、シェルドン・ファン・デル・リンデ(RSA)、ロビン・フラインス(NED)、ルネ・ラスト(GER)がこの”20号車”を駆ることに。

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BMW M ハイブリッド V8 を展示していたスタジオで、私は絵の前に座り、「もしこの車がその絵を通過して、その影響を受けたらどうなるだろう?」と考えました。アイデアはリミックス、つまり絵とクルマのマッシュアップを作ることでした。 私はその絵がクルマの上に滴り落ちているのを想像し、キドニーグリルが絵を吸い込むことをイメージしたのです。

デイトナではBMW MハイブリッドV8のレースを見ましたが、その経験は圧倒的でした。 デザイナー、エンジニア、空気力学者、その他多くのクリエイティブな人々が、この車両を極限まで進化させることに取り組んでいます。 それが今回、(ル・マンの舞台となる)サルテ・サーキットに出れば、さらにたくさんの夢が実現するでしょう。

ジュリー・メレトゥ
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「 BMW M ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティング」はコンコルソ・デレガンツァにも登場

レース当日に先駆け、この「 BMW M ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティング」は、コモ湖 (ITA) で開催されるヴィラ デステ コンコルソ デレガンツァに登場することもアナウンスされており、その場ではジュリー・メレトゥ自身がこのクルマを発表するほか、これまでに製作されたBMWのアートカー、アレクサンダー・カルダー (1975年)、フランク・ステラ (1976年)、ロイ・リキテンスタイン (1977年)、アンディ・ウォーホル (1979年)、ジェニー・ホルツァー (1999年)、ジェフ・クーンズ(2022年)とともに展示されるとも紹介されています。

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現代では多くの自動車メーカーが「アートカー」を製作しているものの、実際にアートカーにてレースを走る例はさほど多くなく、62台が出場する今年のル・マン24時間レースでは、このBMW M ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティングが独特の存在感を放つことになるのかもしれません。

なお、今年のル・マン24時間レースのハイパーカークラスには(昨年に参加したポルシェ、フェラーリ、キャデラックに加え)BMWはじめランボルギーニ、アルピーヌ、イソッタ・フラスキーニも参戦することになり、熾烈な闘いとなることは間違いなさそうですね。

私たちのル・マン復帰はいくつかの理由から素晴らしいものです。 1999年の優勝以来、ちょうど25年ぶりに、世界最大の耐久レースのトップクラスにBMW M ハイブリッド V8で参戦します。 私たちは、ハイパーカーカテゴリーのレースにおいて現在利用可能な最高クラスの競争に直面しています。 30万人を超える観客が集まるル・マン24時間レースは、ジュリー・メレトゥによる20台目のBMW アートカーの発表のための圧倒的な舞台でもあります。 これは、ル・マンに出場した”走る芸術作品”の偉大な伝統に基づいています。 このデザインは素晴らしいと思いますし、この巨大イベントですべての参加者をどのように魅了するかを見るのが待ちきれません。

フランシスカス・ファン・ミール (BMW M GmbH CEO)

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参照:BMW

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