| 他社との共同開発については賛否両論ある |
日産自動車の北米法人にてマーケティングマネージャーを務めるナタリー・ロー氏によると、「日産は、そのDNAを守るため、他社との共同開発を行わない」とのこと。
例外的にGT-R 50 by イタルデザインのようなワンオフもしくは限定モデルについては外部とのコラボレーションも存在すると認めながらも、あくまでも市販モデルについては「純血を守る」ということのようですね。
スポーツカーはもはや単独開発では生き残るのが難しい
なお、現在ルノー・日産・三菱アライアンスはダイムラーと提携関係にあり、車両の供給(ルノーのトラックをメルセデス・ベンツXクラスとして提供)を行うほか、GT-Rのエンジン内部に用いられるコーティング技術もメルセデス・ベンツへと供与しています。
そしてメルセデス・ベンツはというと(AMG製)エンジンをアストンマーティンへと供給するなど技術供与についても消極的ではなく、よって「日産とメルセデス・ベンツとが共同してスポーツカーを開発する」というのもイイんじゃないかと思うものの、今回日産はその可能性を否定した、ということに。
なお、スポーツカーの共同開発もしくはOEMだと、「BMW Z4とトヨタ・スープラ」のほか、「トヨタ86とスバルBRZ」、「マツダ・ロードスターとフィアット(アバルト)124スパイダー」といった例があり、けして珍しくはないという印象を持っています。
現在スポーツカーは台数が見込めないセグメントであり、よって共同開発によってその開発コストを平準化することは非常に有益だと思われ、実際にトヨタも「単独で新型スープラを開発したら1000万円を超えていただろう」ともコメントしているほど。
そして日産自身も「次期GT-Rを新設計したとしたら2000万円くらいのクルマになってしまう。GT-Rが2000万円になってもいいのか?」と述べており、次期GT-Rは現行の延長となる可能性が高いということを暗に示唆。
なお現在日産が持つスポーツカー「GT-R」「フェアレディZ」は両方とも齢10歳を超えますが、これも「モデルチェンジするだけの開発資金を投入できないから」で、ファンとしては「他社と共同開発でもいいから価格を大きく上げず、早急にモデルチェンジを希望」なのか、「他社と共同開発するくらいならこのままでいい」なのか、「高くなってもいいから最新技術をもってモデルチェンジ」を希望なのか、色々と思惑が分かれるところなのかもしれません。