| ポルシェの信頼性が低いというのはかなり意外な結果ではあるが |
修理費用、時間を考慮すると、たしかにこういった結果になるのかもしれない
さて、英国の保証会社、ワランティワイズ(Warrantywise)がちょっと面白い調査を実施。
これは自動車メーカーごとの修理価格と頻度を調べたもので、対象となるのは2021年と2022年モデルとなっています。
今までの他の調査会社と異なるのは、「修理コスト」にも焦点を当てたことであり、単なる満足度を表す結果となっていないこと、そして直近のモデルのみに対象を絞ったことで「最新モデルの状況」を知ることが可能となっていること。
最新の信頼性調査によると「ポルシェが最下位」
そして今回公開された信頼性調査によると、何とポルシェがぶっちぎりの最下位となってしまい、これは今までポルシェが品質や満足度ランキングでトップもしくは上位に位置づけられているのとはまったく逆の結果です。
そのスコアはなんと35.1にとどまっていて、一般に品質が「業界最低水準」と言われるランドローバー、ジャガー、アルファロメオよりもさらに信頼性が低いと評価されたわけですね。
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ちなみに今回の調査の順位は下記のとおりです(カッコ内は最も高額だった修理費用)。
信頼性調査ランキング(低い順)
- ポルシェ・・・35.1(10,785ポンド)
- ランドローバー・・・40.2(23,890ポンド)
- ジャガー・・・48.2(16,990ポンド)
- アルファロメオ・・・52,4(6,760ポンド)
- アウディ・・・58.6(17,212ポンド)
- BMW・・・59.8(19,679ポンド)
- メルセデス・ベンツ・・・60.4ポンド(23,302ポンド)
- ヴォクスホール・・・68.0(8,369ポンド)
- ボルボ・・・68.9(9,634ポンド)
- 三菱・・・69.4(9,004ポンド)
プレミアムカーブランドは修理費用もプレミアム
ちなみにこのスコアには「修理期間」も含まれているそうですが、ポルシェの場合は修理期間が長かったことも影響していて、調査報告には「ポルシェオーナーは自身のクルマをガレージに大事にしまっておくことで知られるが、それとは別に、修理のために工場に置きっぱなしになっている期間もまた長いようだ」といった、いかにも英国らしい皮肉まじりのコメントも見られます。
なお、今回の統計について「2020年モデルと2021年モデルに絞った」こともポルシェに不利に働いたんじゃないかとも考えており、というのもここにはポルシェ初のピュアエレクトリックモデル「タイカン」が含まれるから。
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このタイカンは他のモデルに比較してトラブルが多いといい、かつエレクトリックモデルだけあって修理コストや期間を(他モデルに比較して)要する傾向にあるというので、もしかするとこれが今回の統計に影響したのかもしれません。
そして修理費を見てみると、ジャガーやランドローバー、メルセデス・ベンツのコストがかなり高く、しかしポルシェも「なかなか」。
一方で三菱やヴォクスホールの修理コストはさほど高くはなく、ワランティワイズによると「プレミアムカーは、修理コストもプレミアムとなり、高級車にはかつてないほど多くの技術が搭載されているため、通常よりも修理には少し手間がかかる」。
加えて、最近の人件費と部品価格の大幅な上昇により、来年の数字はさらに高くなる可能性があると警告しています。
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参照:Warrantywise