| ポルシェは911各世代にて人気モデルを生み出し、その人気モデルが現代までに脈々と受け継がれている |
「変わっていないようでいて」実は各世代ではそれなりに大きな変化を迎えていた
さて、ポルシェ911は今年で60周年を迎えますが、そこでポルシェがこれまでの「ポルシェ911の8世代」を振り返るコンテンツを公開。
ポルシェ911はもともと1963年のフランクフルト・モーターショーにて「901」として発表されており、翌1964年に「911」として販売が開始されることに。
なお、「901」が「911」になったのは、フランクフルトショーにてプジョーがこの「901」を見たときに自社の商標と似ているとしてクレームを入れたためですが、当時のプジョーとポルシェとのパワーバランスをよくあらわしているストーリーかもしれません(今となっては到底考えられないが)。
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そこからポルシェ911のサクセスストーリーが始まる
スタートとしてはいささか縁起が良くないものであったかもしれませんが、そこからポルシェ911のサクセスストーリーが始まったことは間違いなく、翌1965年にはタルガが登場し、このタルガは米国における安全性を満たすために考案されたボディ形状だったのだそう。
1973年になると「ナナサンカレラ」すなわち911カレラRS 2.7(210馬力、車体重量960kg、最高速245km/h)が誕生しています。
この世代では現代にまで続く「タルガ」の誕生、そしてRSモデルが誕生したということがトピックでですね。
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1974年になると260馬力、3リッターターボエンジンを搭載した「ターボ」が登場し、これ以降ずっとポルシェにおけるフラッグシップは「ターボ」という構図が完成し、ターボチャージャーを持たないタイカンのトップレンジにおいても「ターボ」の名が与えられています。
さらに1982年には”完全なるオープンモデル”である「カブリオレ」がはじめてラインアップに加わり、1989年には356スピードスターを再現した「911スピードスター」が市場へと投入。
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そして1990年代になると全輪駆動(AWD)の有用性がモータースポーツにおいて実証されるようになり、911の登場25周年となる1989年には「カレラ4」の販売がスタート(前年に発表されている)。
加えてABSやパワーステアリング、エアバッグを装備するなど近代化が進んだのもこの世代(964)であり、ティプトロニックの搭載も大きなトピック。
さらに1992年には「足回りを固め、軽量化を施し、パワーアップを行う」という基本を忠実に追求したカレラRSが登場しています(ハイテクで武装しモータースポーツシーンを席巻したR32 スカイラインGT-Rへのポルシェの回答であったと言われる)。
画像は1993年に100台のみが限定生産された911カレラRS 3.8。
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1993年には”最後の空冷ポルシェ911”である993世代の911がフランクフルト・モーターショーにて発表されており、1995年には”全輪駆動を実装したはじめてのターボ”、そして同年には「911GT2」、1995年にはタルガバーのかわりにスライディングルーフを採用したタルガも登場しています。
ついにポルシェ911の空冷エンジンは終わりを告げる
1997年はポルシェにとって重要な年であり、というのも996世代の5代目911によって空冷エンジンの終焉が決定的になったから。
参考までにポルシェの重役用として「水冷化に反対し暴徒化したポルシェのコアなファンから身を守るため」防弾仕様の911作られたこともあるようです。
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そしてこの996世代の911はそれ以降の模範とも言うべき存在となり、クーペとカブリオレのラインアップに始まり1999年にはGT3、2001年にはGT2が登場し、これは「911史上もっともパワフルなモデル(462馬力)」に。
なお、この996型911GT2は「軽量、ターボ、後輪駆動」という現代にまで続くレシピを確立したことでも知られます。
2004年になると997世代へと移行しており、2009年には現行世代の911でも発売された「スポーツクラシック」が登場。
2010年にはワイドボディを持つ「カレラGTS」クーペ / カブリオレが登場し、こちらは現代にまで続く人気バリエーションとなっています。
2011年には997世代の「覇者」である911GT3 RS 4.0が投入され、ラインアップが大きく拡大することに(おおよそ25車種までに拡大した)。
991世代では(993、996世代のスライディングルーフとは異なり)初代911タルガ風のタルガバーを持つ911が(2014年に)追加され、2015年のフェイスリフトでははじめて911カレラとカレラSにターボエンジンが搭載されます。
2017年には軽量シンプルな「カレラT」を投入していますが、これは1968年にポルシェがツーリングカーレースのホモロゲーション取得用に投入した911Tに由来しています(ポルシェはモータースポーツにおける歴史が豊富なので、ネタには事欠かない)。
2018年には992世代へとスイッチし、クーペ、カブリオレ、タルガといったこれまでの「定番」が投入され、さらにカレラS、カレラT、カレラGTS、GT3、GT3 RSターボ / ターボSも追加されるなど「オールスター構成」へ。※各世代の人気モデルがそのまま継続され、現代に至っていることがわかる
そして911初のオフローダー「911ダカール」の投入、そして限定ラインアップとしての「スポーツクラシック」「911S/T」も投入済み。
ただし911誕生60周年となる今年にはまだまだ「目玉」が隠されているという話もあり、これからのポルシェの活躍には期待がかかるところですね。
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参照:Porsche