
Image:OilstainHub
| 初期モデルに比較すると「市販モデル」は驚くべき品質的進化を遂げている |
限定台数は25台、現時点では6台が販売済み
さて、最近は自動車メーカーからのみならずコチービルダーヤショップ、デザインハウスからも超低生産量スーパーカーが発売されているという状況ですが、今回は「オイルステインハブ」よりHF-11なる、ポルシェ911のパーツを使用したレストモッド車両(というかコーチビルド車)が登場することに。
なおこのHF-11の車両価格は185万ドル(現在の為替レートだと約2億7500万円)、生産台数はわずかに25台です。
オイルステインハブ HF-11はこんなクルマ
このオイルステインハブは”自動車スタイリスト”である双子の兄弟、ニキータとイリヤ・ブリダンが運営する南カリフォルニアのショップで、昨年12月に「ハーフイレブン」なるポルシェ911ベースのカスタムカーを発表したことで注目を集めています。
この車はビンテージ911のスタイルとカンナムカーの狂気とを組み合わせたもので、大きなシボレー製V8エンジンを搭載しており、オイルステインハブがこのハーフイレブンをグッドウッドに持ち込んだところ、購入を希望する声が多数あがったわけですね。
なお、ちょっと前までは「ポルシェ911のレストモッド」「原型を大きく変更するポルシェの改造」を行おうものならばその”悪行”をとことん追求されたものですが、最近では大きく状況が変わり、高い排他性を持つレストモッドに対して好意的な反響が多く寄せられるようになっています(好ましい傾向である)。
そこでニキータとイリヤ・ブリダン兄弟はこのハーフイレブンを市販することに決め、実際に生産できて利益を上げられるバージョンを作る方法を模索し始めることになりますが、彼らにはホンダ、ヒョンデ、ゼネラルモーターズなどでのデザインや車両開発を行ってきた経験があり、これが今回のHF-11プロジェクトを実現させるために大きな優位性を発揮しています。※最初に発表されたハーフイレブンは明らかに「改造車」クオリティであったが、今回公開されたHF-11は品質の高い「コーチビルド車」である
このHF-11のキモはカーボンファイバー製の(フロア含む)センタートンネルだと説明されており、このトンネルの設計には3,500時間以上、期間にして2年以上の時間がかかったそうですが、オイルステインハブは6フィート3インチ(約190センチ)のドライバーがヘルメットを被っても乗車できるよう設計を行い、さらにはレースカー並みの安全性、そしてレースカー以上の人間工学を提供することを目指しています。※完全オリジナルシャシーだと公的に登録することが難しくなるので、ポルシェ911の車体を部分的に活用し、”ポルシェ”として登録するものと思われる
オイルステインハブ「HF-11」は車体、ボディ共に”フルカーボン”
このHF-11のボディもすべてカーボンファイバーでできており、その曲線、ダクト、ベント、フォイルは約59kgものダウンフォースを生成しつつ空気抵抗を抑えるように緻密に調整され、車両全体の重さは907kgに抑えられると伝えられています(最近は1,000kgものダウンフォースを発生させるスーパーカーやハイパーカーが多数存在するが、HF-11は軽量であるため、このダウンフォース値でも十分に強力である)。
HF-11のエンジンには二種類のフラットシックスが用意され、それらは600馬力を発生する4.6リッター、そして1,200馬力を絞り出す5リッター版。
前者の許容回転数は9,000回転、後者では12,000回転を誇り、このエンジンは車体にミドシップマウントされて6速マニュアルまたは7速シーケンシャルトランスミッションを介して後輪を駆動することに。
さらには「電動オプション」も存在し、つまりはEVとしての提供も可能だそうですが(7500万ドルの追加費用がかかる)、さすがにこのクルマにおいて「ガソリンではなくピュアエレクトリックを選択する」という人はいないかもしれません。
オイルステインハブはまず11人の顧客に「開発プログラムへと」参加してもらい、そこで車両の開発を進めてゆくことになるとも述べており(すでに6人の顧客が名乗りをあげている)、おそらくは25台全ての生産枠が時間を置かず埋まることとなりそうです。
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