| 数年前にその存在が報じられたが、まさか今でも同じショップにて保管されていたとは |
ランボルギーニ・ソーニャはボクの考える「もっとも美しいランボルギーニ」のひとつである
さて、日本はかつて未曾有の好景気であるバブル経済を経験したということもあり、その際に多数の希少なスーパーカーが輸入されたり企画されたりしています。
そのため今でも日本には希少な車が多く眠っているとされ、ランボルギーニ・ウラッコ・ラリー(3台しか製造されていない)が保管されていたりという例もあるそうですが、ぼくにとって(バブル期の産物として)もっとも記憶に残るのがシュパンポルシェ。
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ただ、そんなレアカー全般含め「想像もできないほど」希少なクルマも存在し、それが今回紹介する「ランボルギーニ・ソーニャ(Lamborghini Sogna)」です。
ランボルギーニ・ソーニャとは?
まず、このランボルギーニ・ソーニャは現在大阪の「エンマン コーポレーション」さんなるショップにて販売されており(何年か前に一度話題になったが、現在も大切に保管されているようだ)、その価格はなんと5億7000万円(カーセンサーには価格の記載がないものの、公式サイトには価格が記載されている)。
このランボルギーニ・ソーニャ(ソニア)とは、日本人デザイナーの山﨑亮志氏がランボルギーニよりカウンタックの提供を受けて自らデザインと製作を行ったとされるクルマであり、ランボルギーニが公式で製作したスーパーカーではないものの、ランボルギーニによってその存在が認められている、とも言われていますね。
完成したのは1992年で(1991年にはジュネーブ・モーターショーにて実物大モックが展示されている)、SOGNAとはイタリア語でズバリ「夢」を意味します。
当時非常に高い評価を得たものの、バブル経済の崩壊や湾岸戦争によって販売のチャンスを失い量産の機会が潰えてしまったとされ、ブガッティEB110やシュパン962Cらと同様に、世界的な景気後退の影響を受けた悲運のクルマということになりそうです。
ランボルギーニ・ソーニャはこんなクルマ
そこでこのランボルギーニ・ソーニャを見てみると、ボディ外板にはランボルギーニ・エンブレム、そしてLamborghini文字はなく、リボルバーホイールのセンターキャップにファイティングブルの図案を認めるくらい。
全体的になめらかな曲面で構成されていますが、とくにキャビンそして車体後方のウインドウ部などはまさに「(内側から空気を入れて膨らませたような)ブリスター」ともいうべき独特の形状を持っており、陳腐な表現にはなってしまいますが、「今見ても最新のクルマのように見える」素晴らしいデザインを持っていると思います。
ベースとなるカウンタックとは全く異なる外観を持つものの、シザースドア、そしてより強調された「ガンディーニスタイル」のリアホイールアーチなど、ランボルギーニに対する(強い)敬意も伺えますね。
インテリアもまたエクステリア同様に曲面にて構成され、カウンタックの「シンプルで直線的な」ものから一転して「重厚で曲面を多用した」デザインへ。
雰囲気的には1980年代〜1990年代のスーパーカー、正確に言えば(この曲面や肉厚なパッドなど)イタリアのデザインハウスが好んだテイストだとも認識していて、これもやはり現代でも十分に通じるのでは、という印象です。
一方でメーターはカウンタックの雰囲気を色濃く残しており(ただしレイアウトは異なる)、文字盤にはランボルギーニのエンブレム(クレスト)も見えますね。
ランボルギーニには様々な「知られざるモデル」がある
なお、ランボルギーニは今年で創立60周年を迎えますが、もちろんその間には様々な歴史の変動があり、かつ幾多の親会社の変更もあって、その都度様々なコンセプトカーや(カロッツェリアによる)ワンオフモデルが作られ、そして実際には販売されなかったことも。
ここでその一部を見てみたいと思いますが、まずはベルトーネによる「ランボルギーニ・アトン(1980年)」。
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参照:CARSENSOR