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日産がR32だけではなく「R33」「R34」向けの補修用パーツ供給開始。新品パーツを買ってゆけば新車を作れる?

2018/12/01

| 日産GT-Rの補修用パーツ供給「第二弾」開始。今後も拡大の意向 |

日産が以前より展開していた「NISMOヘリテージパーツ」。
これは日産の一つのアイコン、そして転換のきっかけともなったR32スカイラインGT-Rの燈を絶やさぬために「本来は提供期限を過ぎている純正補修パーツの提供を再開する」プログラム。

そして今回日産はその「NISMOヘリテージパーツ」の対象をR33スカイラインGT-R、R34スカイラインGT-Rにも拡大する、と発表しています。

日産によると、「NISMOヘリテージパーツは日産自動車、ニスモ、オーテック(ニスモ・カーズ事業部)の3社が、サプライヤーと共同で製造廃止になった純正補修部品を再供給するもので、お客さまが日産のパフォーマンスカーを少しでも長く乗り続けられるよう、可能な範囲でサポートする」。
今回発表された概要は下記の通りです。

2017年12月に本活動の第1弾として、R32型(1989年8月~1995年1月販売)スカイラインGT-R用「NISMOヘリテージパーツ」の発売を開始し、お客さまから大きな反響と更なる拡大のご要望をいただきました。今回は第2弾として、R33型(1995年1月~1999年1月販売)およびR34型(1999年1月~2002年8月販売)スカイラインGT-Rまで拡大し、まずは外装部品、ホース/チューブなどの部品から発売を開始します。

ただし現在のところ全てのパーツが揃うわけではなく、あくまでも「用意が可能なパーツのみ」。
法規として定められているのは「走行に必要なパーツに関し、10年はメーカーがそのパーツを保管し供給できるようにしておく」ということだけで、それ以外のパーツやそれ以上の期間についは「供給の義務」はなく、よって1994年に販売が終了したBNR32GT-Rだと2004年には走行に必要なパーツの供給義務がなくなるわけですね。

そういったこともあって日産や、日産にパーツを納入するサプライヤーはすでにそのパーツを製造するための金型や工作機械を廃棄してしまった可能性があり、そのため中には「供給不可能な」パーツが出てくることに。

ただし日産は可能な限り供給できるパーツを増やす意向で、「代替パーツやリビルトパーツ」にてこれに対応する、としています。

なお、今回はGT-R用パーツ供給「第二弾」となりますが、追加されたのは「バンパーレインフォース」「パワーウインドウスイッチ」などで、現在のところパーツ点数は合計160へと拡大。

ちなみに第一弾で公開されたパーツはエンブレムなど。

参考までに第一弾のパーツリスト(一部)と価格はこちら。
結構良心的な価格だと言えそうですね。



日産R33GT-R、R34GT-Rはこんなクルマ

近代GT-Rの祖はR32GT-R(BNR32)で、1995年に登場したのがR33GT-R(BCNR33)。
エンジンはR32と同じくRB26DETT、出力は自主規制いっぱいの280馬力ですが、その最大トルクは36kgf·mから37.5kgf·mへと向上(発生回転数は同じ4,400回転)することに。
駆動方式はR32GT-Rと同じく4WD(アテーサE-TS)を採用するものの、車体重量は1480kgから1530kgへと増加しており、これが一部で批判を招いていますが、ぼくとしては最もバランスが取れたGT-Rなんじゃないかと考えていて、今でも心に残る一台となっています。

そして1999に登場したのがR34スカイラインGT-R(BNR34)で、これは「スカイライン」と名のつく最後のGT-R。
プラットフォーム、エンジン、ドライブトレーン等はR33GT-Rと基本的に同一となり、エンジン出力も280馬力ではあるものの、最大トルクは40kgf·mと増強されています。

ちなみにR32〜R34まで同じエンジン「RB26DETT」を搭載していますが、一部では「生産最後にゆくにつれ、金型が甘くなっている」という指摘があって、生産初期のR32GT-Rを好む人もいるようです(金型はちゃんとメンテナンスされているはずなので、これの真偽についてはなんともいえない)。

このR34GT-Rについては「デカくなった」というR33での批判をかわすためか全長で70ミリ短くなり、重量増加も50キロの範囲にとどめて1580キロに(この時代は色々と規制が厳しくなった時期で、重量増加はやむをえなかった。軽量化技術が追いつかずにどの車も重量が増え続け、最近になってようやく軽量化技術が追いつき、自動車の重量が軽くなっている)。

トピックとしてはトランスミッションが5MTから6MTになったこと、ホイールが18インチサイズになったこと(しかし設置面積は増えていないという批判もあった)、Vスペック系ではアンダーカバー(当時としては画期的)含む「アドバンストエアロシステム」が与えられたこと。

余談ではあるものの、当時ぼくはずっとフェアレディZ(Z32)に乗っていて、どちらかというとGT-Rには対抗心を持っていたのも事実。
しかし当時数少ない国産スーパースポーツということもあってGT-Rオーナーズクラブとの交流があったために(ぼくはフェアレディZのクラブに入っていた)R32~R34GT-Rに接する機会も多く、そして今となってはその対抗心も懐かしい、と感じます。

日産以外にも旧車の補修用パーツ供給が活性化

なお、日本にはこういった「世界に誇れる」クルマ、ほかに代替性がないクルマがいくつかあり、そしてそれらはメーカーにとっての「資産」。
そういったクルマがあったからこそ今のポジションがあるとも考えられ、よって日産はGT-Rをひとつのブランドとして今後も活用し、さらに伸ばしてゆきたいのかもしれません(左ハンドル国へと本格的に輸出されなかったことが”幸いして”神話になったということもあり、それに乗っかるということにはなる)。

そのほかだとR32GT-Rと同じく1989年にデビューしたマツダ・ロードスターについてもパーツ供給やレストアが開始(ただしレストアの条件は厳しい)。

そしてホンダは「ビート」のパーツ供給を開始していますね。

VIA:NISSAN

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