| ただし簡単な部分でも同時にリコールを出していた |
トヨタが522,354台にも及ぶ大型リコールを届け出。
内容としては2つあり、「1:燃料ポンプの問題でエンストの可能性」「2:シートのリクライニング不良」。
対象となるのは「ノア」「ヴォクシー」「エスクァイア」「アルファード」「ヴェルファイア」の5車種で、製作期間は平成25年12月20日~平成30年7月18日。
車種こそは少ないものの、人気車種だけにトータルの台数がかなり多くなっています。
「燃料ポンプ」はハイブリッドカーのみが対象
まずは燃料ポンプについてですが、内容は下記の通り。
対策については「全車両、燃料ポンプを対策品に交換する。」。
現時点で確認できている不具合件数は125件、とかなり多い数字です(これによる事故はゼロ)。
ハイブリッド車の燃料ポンプにおいて、当該ポンプへかかる電圧が高く、かつモータブラシの組付けが不適切なため、ブラシが傾いて過大なスパークが発生し異常摩耗することがある。そのため、燃料ポンプが作動不良となりエンストするおそれがある。
国土交通省
なお、対象は当然ながらハイブリッドモデルのみで、これはガソリンエンジン車だと起こり得ない問題。
環境規制のために各自動車メーカーともエレクトリック化への対応が迫られていますが、構造が複雑になり、これまでにない技術を導入してゆくということは、それだけトラブルの可能性が高くなるということなのかもしれませんね。
「シートバック」はトヨタらしくないリコール
そしてもう一件は「シートバック」の問題で、固定できずにシートが倒れることがある、というもの。
これはクルマの複雑化やエレクトリック化に関係はなく、「基本的な機能や安全性」に関わるところで、安全性の高いトヨタとしてはかなり珍しい部類です。
対応としては「全車両、運転者席および助手席の内側シートリクライニング機構部にリクライニングロックスプリング外れ防止のためのブッシュを追加する。なお、既に外れている場合、当該スプリングを新品に交換する」としており、問題の内容は下記の通り。
運転者席および助手席のシートリクライニング機構において、リクライニングロック用のスプリングを取付けるスプリングスペーサ成形時の端部形状が不適切なため、リクライニング操作の繰返しにより当該スプリングがスプリング スペーサから外れるものがある。そのため、シートバックを保持できなくなり、 最悪の場合、リクライニングレバーが戻らないことに気づかず走行すると、意図せずシートバックが倒れるおそれがある。
国土交通省
アウディもリコールを届け出
そしてアウディも時を同じくしてリコールを届け出ていますが、こちらは変速機のトラブルで、最悪の場合は「変速できなくなる」。
これは先日、フォルクスワーゲンが176,068台の大型リコールを届け出たものと同じ内容で、同じトランスミッションを使用していたことに起因するようですね。
対象となるのはTT、A3、A1とそのバリエーション含む11車種で、輸入期間は平成20年8月20日~平成27年2月5日が対象となっています。
実際に問題が発生したのは106件と少なくはなく、対応としては「全車両、アッパーハウジングの製造ロットを確認し、該当する場合はアッパーハウジングを対策品に交換する。」。
問題の内容は下記の通り。
7速Sトロニック型自動変速機のメカトロニクスにおいて、アッパーハウジングのねじ切り加工が不適切なため、耐久性が不足しているものがある。そのため、アキュムレーターの継続的な油圧変化による疲労の蓄積により、アッパーハウジングに亀裂が発生し、油圧が低下して、最悪の場合、駆動力が伝達されず走行できなくなるおそれがある。
国土交通省