| TRDには「GRパーツ担当」という新たな道が与えられたようだ |
TRDが新型トヨタ・ハリアー向けのカスタムパーツを発売。
これまでも新型ハリアー向けとしてはモデリスタ(GLAN BLAZE/AVANT EMTIONAL/SELECTION)が設定されていましたが、ここに今回のTRD製「GRパーツ」が加わることになります。
なお、「TRD製GRパーツ」というのはちょっと違和感があって、というのもこれまでTRDとGRとは別扱いとなっていたから。
ざっとトヨタのクルマを見てみると、カローラスポーツではまだ「TRD」名義にてパーツがオプション設定されていて、しかしヤリスあたりからは「GRパーツ」としてTRDが(その名を表に出さずに)オプションパーツを担当しているようです。※そういえばGRスープラでもTRD製パーツがGRパーツとして展開されていた
TRDとGazoo Racingとの関係は複雑だ
なお、GRブランドは2017年9月にスタートしていますが、そのヒエラルキーはこんな感じ。
頂点にGRMNモデル(86の限定モデルが発売された)、その下にGR(スープラやヤリス)、GRスポーツ(プリウス等にスポーティーな外観を設定)、そして今回のGRパーツ。
TRDについて説明すると、もともとのTRD(Tyoyota Racing Development)はおよそ40年間トヨタのモータースポーツ活動を支えてきた組織。
一方のGazoo Racingは豊田章男社長が牽引する組織そしてブランドですが、「モータースポーツ」という性質においてTRDとバッティングしており、当然豊田章男社長はGazoo racingを優先させることになるためにTRDの役割を一部引き継いで「TRDに取って代わった」わけですね。
これまでにもモータースポーツにおいては華々しい実績を残していることでも知られ、トヨタのブランド価値向上に大きく貢献してきたことは間違いないと考えています。
そしてメインストリームから一気に亜流へと押しやられたTRDですが、2018年にはモデリスタ、ジェータックス、トヨタテクノクラフトが併合して「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」が誕生し、TRDはその中の一つのブランド、しかもドレスアップパーツブランドという扱いとなっていたのがここ最近(カローラスポーツの発売あたり)までの話。
ただ、ヤリス、そして今回のハリアーのオプション展開を見る限りでは、「GRパーツ」の製造販売をTRDが行っていて、TRDブランドもしくは担当組織がGazoo Racingに編入されてGRパーツを担当しているようにも思えます。
つまり、「トヨタのモータースポーツを一手に引き受けていた→戦績も挙げた→社長が変わった→今までの功績がチャラになって組織解体&再編→Gazoo Racingにお株を奪われた→単なるパーツブランドに成り下がった→自分たちに成り代わったGazoo racingの軍門にくだった」ということになりますが、まさに会社の意向に翻弄されるサラリーマンの運命というか悲運を感じざるをえません(ただ、長い目で見ると、GR傘下となったほうがいい)。
ちなみに北米におけるTRDは日本のTRDとは別組織で、今でも「現役」でモータースポーツ活動を牽引しており、逆にGazoo Racingの影が薄く、ここは日本と決定的に違うところですね。
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そして実際に北米では、日本にはない「TRDの名を冠した限定モデル」も数多く発売していて、むしろGRを受け入れていないといったイメージも。
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新型ハリアー向けのGRパーツはこうなっている
ちょっと前置きが長くなりましたが、本題のハリアー用TRDパーツ。
これまで「パーツブランド」としての活動を余儀なくされていた時期によく見られたような「ヤンキーっぽい」パーツではなく、アグレッシブかつスポーティーなパーツをリリースしており、エアロパーツのラインアップとしては「GRフロントスポイラー(72,600円)」「GRサイドスカート(89,100円)」「GRリヤバンパースポイラー(86,900円)」「GRフロントバンパーガーニッシュ(33,000円)」「GRバックドアスポイラー(38,500円)」。
エアロパーツにおいては、いずれもTRDのノウハウを活かし、ちゃんと機能する構造を持っているようですね。
そのほかドレスアップ/機能系だと「GRボディストライプ(33,000円)」「GRスポーツサイドバイザー(33,000円)」「20インチアルミホイール&タイヤセット(477,950円)」「GRスポーツマフラー(165,000円)」「GRパフォーマンスダンパー(99,000円)」「GRカーボンナンバーフレーム(19,800円)等が揃います。※エアロパーツについては、お得なセット販売もある
もちろん、あの「貼るだけで」性能向上が見込めるGRディスチャージテープ(大:11,000円/小:5,500円)も発売中で、このロゴ入りアルミテープをボディ4箇所に貼ることでボディへの帯電を取り除き、車両の性能が向上する、という怪グッズですね。
加えて、「塗るだけで速くなる」エアロスタビライジング・ボディコートも健在です。
世の中には「原理は解明されていないが、効果がある/再現性がある」現象も多々あり、よってこれらアルミテープやコーティングについても即座に効果を否定することはできないと考えているものの、「にわかには信じられない」というのもまた事実です。
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