| どうやらレクサスは次の時代へと向けて大きく変化、レクサスLFA後継には期待したい |
トヨタはここへきてあらゆるEVに対して巻き返しを図ってきたようだ
さて、トヨタが「2030年までに30種のバッテリーEVを発売する」と発表した興奮もさめやらぬ状態ですが、レクサスブランドでは「RZ」のみならず、RZのほかに6つのニューモデルを示唆しています。
それらニューモデルとは「レクサス・エレクトリファイド・スポーツ」「レクサス・エレクトリファイド・セダン」「レクサス・エレクトリファイドSUV」、その他にもワゴンが二種、そしてオープンモデルが一種。
あくまでも(RZを除くと)これらはコンセプトなので実際に発売されるのか、そして発売されるにしてもデザインがどうなるのかは全く謎。
ただし、これらのコンセプトカーにはいくつか驚かされることがあり、まずはそのボディカラーがシルバーで統一されているということで、よってこれからしばらくの間、レクサスのコンセプトカー、イメージカラーはこの色が用いられることになるのかもしれません。
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新生レクサスのラインナップは「スタイリッシュ」に?
そしてもうひとつ驚きなのはワゴンが2つも存在すること。
ひとつはCTにかわるコンパクトハッチバックだと思われますが、もうひとつは比較的大きなサイズを持っていて、ポルシェ・タイカン・スポーツツーリスモああたりに対抗するのかも。
ただ、メイン市場となるであろう北米ではワゴンががとんど売れないといい、ここでワゴンを投入してくる理由はちょっと不明です。
さらには、ウワサされていたコンパクトSUV、そしてGR86のレクサス版の姿も見えず(もちろん、ここにあるだけが今後のレクサスのすべてではない。ちなみに後ろに並ぶ黒いシルエットはトヨタ車とのこと)、現行ラインナップやウワサとの乖離には驚かされています。
最後にその「デザイン」について、いずれも車高が低く(キャビンの天地が狭い)、しかもスピンドルグリルがほぼ目立たないこと。
レクサスはスピンドルグリルを非常に重視しており、グリルが必要のないEVである「レクサスLF-30エレクトリファイド」においても”立体”にてスピンドルグリルを表現してきたほどです。
しかし今回公開されたコンセプトカーにおいてはいわゆるオメガデザイン(ハの字)を強調しており、ついにレクサスはスピンドルグリルと決別するということも考えられます(その決断は容易ではなかっただろう)。
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参考までに、その後に発表されたコンセプトカー「レクサスLF-Zエレクトリファイド」ではスピンドルグリルの存在感が希薄化しており、これを見るにやはりレクサスは「スピンドルグリルの存在感を弱めてゆく」つもりなのかもしれません。
なお、フロントフード上における「2つのダクト」もまた、新しいレクサスの象徴であるように見え、率直な意見を言うと、「かなりカッコいいんじゃないか」とも考えています(スポーツカーやワゴンがこれに近いデザインで登場するならば”買ってみようか”と思う)。
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今回の一連のコンセプトにて注目すべきは「レクサス・エレクトリファイド・スポーツ」
そして最も注目すべきはレクサス。エレクトリファイド・スポーツ。
レクサスはこのコンセプトカーについて直接の明言を避けていますが、「加速タイムは2秒前半、航続距離700kmオーバー、全固体電池の搭載も視野に入れたハイパフォーマンスバッテリーEVの実現を目指す」「LFAの開発を通じて作りこんだ”走りの味”、いわば”秘伝のタレ”を継承する次世代のスポーツカーをバッテリーEVで開発する」とコメントしているので、LFAの後継たるクルマが誕生することも期待できます。
もちろん現時点では発売時期、価格、スペック詳細などはわからないままですが、ぜひとも「世界を震撼させるような」クルマの登場を期待したいところ。
こうやって初代LFAと比較してみると、フロントフード上のダクト、リアフェンダーからリアウォーターウインドウあたりの処理に共通性が見られるということがわかりますね。
レクサスLFAはこんなクルマ
なお、レクサス「LFA」とは「Lexus F-Sports Apex」の略であり、レクサスはハイパフォーマンスモデルに「F」の称号を与えていますが、これはレクサスのホームコースである「富士スピードウェイ」に由来しています。
そして「Apex」は頂点を意味し、よってLFAは「レクサスの、富士スピードウェイで走行性能を磨かれたクルマの頂点」を表現しているということになりますね。※2005年、コンセプトモデルとして発表された時の意味は「Lexus Future Advance」。
なお、レクサスの「F」「F SPORT」コンテンツによれば、Fの序列はこんな感じで、これを見るに、「LFA」が頂点であることはもちろんですが、特定のモデルをさすというよりは、「モデルチェンジを繰り返しながらも頂点に君臨するトップレンジ」という意味だと捉えることができるのかもしれません。
それを考えると、レクサスはLFAを「代を変えながら継続させる」可能性を当初から考えていたのかもしれず、レクサス・エレクトリファイド・スポーツが、EV世代のレクサスにおける、あらたなる象徴と頂点として登場することも十分に考えられます。
レクサスLFAは2010年〜2012年の間に生産されていますが、その企画の原点は「、”それまでのレクサスが、台数を販売することのみを考えて、差し障りのないクルマばかりをつくり、退屈な自動車メーカーとして認知されていた”現状を覆すため」、そして「フェラーリにも負けない官能的なドライビングエクスペリエンスを提供できるような、真に優れたマシンを作る能力を持っていることを示すこと」にあったといいます。
そしてこの企画は酒の席にて、(当時)第一開発センター第一企画部の棚橋晴彦氏が、センター長である服部哲夫氏に対し、「何の制約もなく自由にできるとしたらどんなクルマを作るか」と聞かれ、「スポーツカーです」と即座に答えたことに始まったとされており、なかなかに面白い誕生秘話でもありますね。
そこでLFAの開発チームはその至上命題を達成するために「最も優秀な人材を集めたチーム」「潤沢な予算」が与えられ、そこでトヨタ初のカーボン製シャシーやカーボン製ボディ、航空機グレードのプロペラシャフト、専用設計のV10エンジンが開発されることになりますが、2000年のプロジェクト発足から9年の時を経て2009年10月21日に満を持して発表されています。
トヨタによる「バッテリーEV戦略に関する説明会」動画はこちら
参照:Toyota