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| トランプ関税がトヨタの動きに影響を与えたことは間違いない |
トヨタ、電動SUV生産計画を加速
ロイターの報道によると、トヨタは「米ケンタッキー工場にて3列シートの電気SUVを2モデル生産する計画を固めた」とのこと。
そのモデルはRAV4とランドクルーザーをベースにするとされ、これが事実なら電動ランドクルーザー(コンセプトカーとして発表されたランドクルーザーSe)が正式に登場することになりそうです。
トヨタは現在、米国市場で唯一のEV「bZ4X」を販売していますが、2026年には「bZ Woodland」「C-HR EV」なども追加予定であるとさ、さらに2027年までに合計7車種の新型EVを米国に投入する方針を示しています。
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電動ランドクルーザーの意味
ランドクルーザーは現在、TNGA-F(GA-F)プラットフォームを採用していますが、このシャシーはいわゆるラダーフレームあるいはボディオンフレームと呼ばれるもので、4ランナー、セコイア、タコマ、タンドラ、レクサスGX/LXなどにも使用されています。
もしEV版ランドクルーザーが登場すれば、電動ピックアップトラックの開発も現実味を帯びてくることになりますが、(おそらくはトランプ関税の影響で)アメリカで生産が行われるとなると、当初の計画であった「モノコック」から(米国工場にて生産の実績がある)ラダーフレーム構造へと変更される可能性が高く、もしラダーフレームを採用するならば現行同様、あるいはそれ以上の悪路走破性を備えることが期待されます。
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RAV4 EV 3列仕様の可能性
一方、情報にある「RAV4ベースの3列EV SUV」には疑問もあり、現行RAV4は2列仕様ですが、過去には3列仕様も存在しています。
電動化に伴うフラットフロア構造により、3列シートの実用性が高まる可能性がありますが、RAV4が大型化することは考えにくく、すでにハイランダー/グランドハイランダーが上位セグメントを担っていることを考慮すると、これらと競合する可能性も出てくるわけですね。
そのため、RAV4のEV化+3列仕様が実現するとなると、それは「“緊急用シート”程度」の位置付けになる可能性があり、あるいは今回決定されたという「2種の」電動SUVは、以前に報道があったとおり「2種類のランドクルーザー」なのかもしれません。
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生産体制の変更とLexusの動向
参考までに、当初トヨタはインディアナ工場で2台のエレクトリックSUVを生産する計画を発表していましたが、しかし今回の報道では、ケンタッキー工場に変更される可能性が示されています。
背景には、日経アジアが報じた「米国でのレクサス生産拠点をインディアナに集約する計画」があると見られ、実際、次世代レクサスESは日本生産に切り替えられる予定であり、今後の北米向け生産体制にも影響が出る可能性が大。
なお、仮に「2種類の電動ランドクルーザー」が登場し、その一方が「ピックアップ」になるとすると、それは米国市場にとって非常に大きなニュースになる可能性があり、トヨタの電動化計画、そしてランドクルーザーブランドのさらなる発展に大いなる貢献を残すことになりそうですね。
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まとめ
- ランドクルーザーEVが2027年までに米国で生産される可能性大
- RAV4ベースの3列EV SUVも計画中
- 電動ピックアップ登場の布石となる可能性も
- レクサス生産はインディアナ工場へ集約か
トヨタが掲げる「全車種EV化」の一環として、ランドクルーザーEVはブランド戦略上の重要な一手となりそうです。
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