1年前は900万円、最近では1350万円。この先は?
アメリカの中古車販売サイト、「Bring A Trailer」にて、80スープラが約1350万円で売買されるという事案が発生。
今回の個体はレッド、トランスミッションはマニュアル、走行距離は7000マイル。
2018年3月にも低走行のスープラが900万円で売買されているので、この1350万円という価格は「突出」しているわけではなさそうですが、とにかくこの「スープラ・バブル」には驚かされるばかり。
なぜスープラ、GT-Rばかりの値が上がるのか
なお、同じような日本の(ネオクラシックない)ハイパフォーマンスカーというと「日産GT-R」「日産フェアレディZ」「マツダRX-7」「ホンダS2000」「ランエボ」あたりが存在するものの、価格が上がり続け、かつバブルと呼べるレベルに達しているのはスープラとGT-Rくらい。
なぜこういった現象が起きるのかということですが、ひとつに「ワイルド・スピード」の影響があるのは間違いなさそう。
スープラ、GT-Rともにブライアン(ポール・ウォーカー)が乗っていたクルマという共通点があり、つまりポール・ウォーカー人気に引っ張られた可能性も。
ただし、同じくポール・ウォーカーが劇中でドライブしたインプレッサは(エクリプスも)価格が上がるわけではなく、同じくワイルド・スピードで活躍したRX-7、フェアレディZの相場はさほど上がっていないようです。
つまりスープラの人気は「ワイルド・スピードに依存」しているわけではないということになりますね。
そしてスープラはいったん置いといて、「GT-R」の場合ですが、これもやはりワイルド・スピード人気、加えて現在のR35 GT-Rの驚異的なパフォーマンスがその人気を盛り上げていると言ってよく、とくにR32/R33/R34世代は「右ハンドルしか生産されらなかった」ためにアメリカには当時正規輸入できず、その飢餓感が高い相場を形成している可能性も(R32/R33/R34世代のGT-Rの相場も1000万円を超えつつある)。※スープラの場合は全世代が北米で販売されており、もともとレアなクルマではない
つまりGT-Rの場合は「ワイルド・スピード」と「現行モデル」との相乗効果があったとも考えているのですが、これに当てはまらないのが「フェアレディZ」。
フェアレディZもワイルド・スピードでは(悪役ながら)けっこうな活躍を見せ、かつ歴史的に北米でも知名度の高いクルマ。
ただ、フェアレディZの場合は「もともとメジャー過ぎた」ことや、現行モデルのパフォーマンスがパっとせず、よってカリスマ的な人気を得られないのかもしれません。
そしてマツダRX-7、S2000もワイルド・スピードで活躍したクルマで、ともに「後継なし」。
当時北米でも販売されておりレア感は薄いものの、ホンダS2000は現在1000万円を超える相場を形成しようとしていて、GT-R、スープラに続く「バブル」となりそう。
そう考えるとランエボやRX-7の価格が上がらないのもまた謎。
高いパフォーマンスを誇り、両者とも特徴のある(ランエボはテクノロジー、RX-7はロータリーエンジン)クルマで、かつ後継モデルが存在しないという「絶版イメージ」もあるにもかかわらず「(GT-R、スープラほど)人気化せず」。
現在価格の上がっているGT-Rやスープラ、そしてS2000にはあまり「共通する相場高騰の理由」が見当たらず、ただし(全部が当てはまるわけではないものの)キーワードとしては「ワイルド・スピード」「絶版」「アメリカに正規輸入されていない」「現行モデルがハイパフォーマンス」といったところかもしれません。
そして値上がりしているモデルに共通するのは「クーペもしくはオープン」というスポーツカーを容易に連想させるボディ形状で、ここが「ランエボやインプレッサの価格が上がらない」理由のひとつである可能性も。
VIA:Bring a Trailer