ポルシェが911GT3(991.2ではなく991世代)のエンジン保証を10年もしくは12万キロに延長する、と発表。
さらにはエンジンに欠陥が見つかった際にはエンジンを載せ替えるという内容となっており、かなり「手厚い」保証といえますね。
991世代のGT3は発売直後に炎上が数件報告され、当時けっこう大きな問題になっており、その原因は「エンジンの破損(フィンガー・フォロワーの摩耗)によるオイル漏れ」とされています。
なお997世代までは通常の911のエンジンと911GT3のエンジンは設計が異なり、GT3系は「ハンス・メツガー・ユニット」を採用していたものの、991世代のGT3からは991カレラSのエンジンをチューンして使用するようになっていて、ここで「より負荷の高い」GT3では予想外の問題が生じたのかもしれません(単に”オイル入れすぎ”説もあった)。
なおこの問題によってポルシェは911GT3の販売を一旦停止し、初回生産分の785台を回収してエンジンを交換(新しく設計されたフィンガー・フォロワーとカムシャフトが組み込まれている)するという対応を取っており、ポルシェとしては「異例」とも言える一連のトラブルに終止符を打っています。
ポルシェによると、「実際に破損に至るケースは稀」としており、実際に回収したエンジンも摩耗は見られるものは殆どなかったとしていますが、「万全を期した」対応だったのでしょうね。
なお、当時(2014年)にはポルシェ・ジャパンが改修に関わるプレスリリース「現行型911 GT3のエンジンを交換」を発行しており、それによると内容は下記の通り。
既報のとおり、欧州では2台の車両について火災に至るエンジン損傷が発生いたしました。分析によりポルシェ社では、両案件とも緩んだコネクティングロッドのねじ結合部がクランクケース損傷を引き起こしたことが、明らかな原因であると結論づけました。
ポルシェでは、全世界で当該モデルが納車済みの785台のオーナーの皆様へ速やかに車両の使用を中止いただくようご案内し、ポルシェセンターへ入庫していただけるよう回送の手配を行う旨をお知らせしています。
現在、この事象を回避するために最適化されたねじ結合が試験され、最終的な検証をするため、さらに広範囲なテストが実施されております。納車されていない車両を含め、すべての2014年モデルの911 GT3のエンジンは、最適化されたコネクティングロッドのねじ結合を導入した新しいエンジンへと交換する予定です。
世界中すべてのお客様へはポルシェセンターより直接連絡を取り、今後の対応についてお話しをしてまいります。
なお2014年モデルの911 GT3以外の911およびその他のモデルレンジについては、今回の対応策を行う必要がありません。