| 最短でも1年ほどは「BRZ不在期間」が発生しそう |
スバルBRZが2020年7月20日をもって受注終了。
これは神奈川スバルが自社の公式ツイッター、東京スバルが自社サイトにて相次ぎ発表したものです。
現在、次期スバルBRZ/トヨタ86は開発中ということが公式にコメントされているものの、新型(フルモデルチェンジ版)に切り替わるのまだまだは先だと考えていただけに、これは「早すぎる生産終了」。
そして受注終了となるのはBRZのみなのか、それとも86も同時に受注停止となるのか(もしくは86のみ継続されるのか)は判明しておらず、BRZについても受注を停止した後にまもなく新型BRZが発表が発表されるのかどうか等も不明です。
【お知らせ】
— 神奈川スバル株式会社【公式】 (@KnagawaSUBARU) April 22, 2020
SUBARUのスポーツモデル”SUBARU BRZ”が、2020年7月20日をもって注文受付を終了致します。
※想定を上回るご注文を頂いた場合、7月20日以前に注文受付を終了する可能性があります。
※注文受付終了後は、在庫車での対応となります。
※詳しくは販売店にお問合わせください。#BRZ pic.twitter.com/k8QNnkz2se
なお、先日北米にて開催されたディーラーミーティングの内容によると、次期86の登場は2021年6月発表、とのこと。
新型BRZ/86も現行同様にスバルとトヨタとの共同開発になると言われ、製造が(現行モデルと同じ)群馬製作所であるとすれば、日本でのニューモデル発表も(日本で作る以上は)同時期になるのかもしれません。
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次期スバルBRZ/トヨタ86は255馬力ターボ?
スバルBRZ/トヨタ86は両方ともスバルの群馬製作所にて製造される兄弟車ですが、スバルBRZの販売はトヨタ86の1/6~1/9程度。
トヨタ86のほうは日本含め北米でも比較的安定した販売台数を維持していると聞いていて、しかしスバルはBRZについて「作れば作るだけコストがかかる」と判断し、(86よりも)早い時期に生産終了に踏み切るのかもしれません。
なお、上述の北米ディーラーミーティングの情報によると、次期86は255馬力ターボを搭載するとされ、ただしスバルはすでにEJ20を「終了」させるため、これの搭載はナシ。
代わりに搭載されるのはおそらく「1.8リッター・リーンターボ」エンジンだと考えているものの、これについて確証はなく、FA20(300馬力)をデチューンして搭載する可能性も。
やはりスポーツカーにとって、「排気量ダウン」はあまりイメージが良くなく、とくに北米においては嫌われる傾向にあるため、排気量を維持してくる可能性もありそうです。
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ちなみに「255馬力」というのはスープラSZ-Rへの配慮かもしれず(258馬力)、そしてもう一つの理由としては「車体強度」かも。
以前にトヨタのスポーツ車両統括責任部長(86プロジェクトの責任者)、多田哲哉氏が語ったところによると、ターボエンジンを搭載すると、そのトルクやパワーに対応するだけの車体強度を確保する必要があり、それが「コスト増加」に繋がるため、いたずらにパワーアップをすべきではない、という趣旨のコメントを行っています。
86/BRZは比較的求めやすい価格が魅力の一つでもあるので、「パワーアップによって価格が上がってしまう」のは本望ではなく、かつスープラとの棲み分けも考慮し、「なんとか価格上昇を抑えられる範囲」が255馬力なのだろうとも推測しています。
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なお、最近のスバルは、生産を終了するモデルやエンジンについて「記念モデル」を設定する傾向にあるので、BRZについても(次期BRZへとつなげる意味で)なんらかの特別仕様車が登場するかもしれませんね。
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スバルBRZ/トヨタ86は素晴らしいスポーツカーだ
そしてぼくがスバルBRZ/トヨタ86に対して抱く印象は「日本車きってのピュアスポーツ」。
アンダーパワーであることから低い評価を下す向きもありますが、ぼくとしては「非常にバランスのいいクルマで、運転の基礎を学ぶにはもってこい」だと考えています。
簡単に言うと、速く走るには「カーブの手前でちゃんと減速し、フロントに荷重を移してからステアリングホイールを切って鼻先の向きを変え、そのあとアクセルを開けて後輪の駆動力でカーブの内側に車体を向ける」ことが必要。
これはまったくの基本ではありますが、最近のスポーツカーはあまりに電子制御が良くできており、さらに電制デフを搭載していると簡単にクルマの向きが変わるので、「誰がどうやっても曲がることができる」わけですね。
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ただ、スバルBRZ/トヨタ86の場合はそういった「過剰な運転支援」がなく、ドライバーのスキルがそのまま反映される鏡のようなクルマ。
よって、最新のスポーツカーに慣れてしまったぼくがスバルBRZ/86に乗ると、「なんて曲がらないクルマなんだ」と思わされるものの、よくよく考えると、それは「最近の高性能車に慣れて運転がズボラになってしまい、基本を忘れた自分」が突きつけられているだけであり、いかに自分がクルマに頼りっきりの、そして下手な運転をしていたかを思い知っただけなのですね。
こういったクルマは現在の日本、そして世界を見渡してもほかに見当たらず(マツダ・ロードスターはかなり安定志向)、その意味でもスバルBRZ/トヨタ86はとても貴重。
よって、次期スバルBRZ/トヨタ86についても、こういった「純度」を保ってほしいとも考えています。
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