| ランチアは名車が多く、サードパーティがデルタ、ストラトスなどのオマージュモデルを発売している |
ただし当のランチアは未だ名車の復刻を実現させていない
さて、ランチア037ラリーの「現代版」として企画された「キメラ EVO 37」。
これはランチアの公式プロジェクトではなくキメラ・アウトモビリなるコーチビルダーが37台限定にて発売するクルマで、今のところ24台が48万ユーロ(約6000万円)にて販売されたと言われます。
つまり残る生産枠は「9台のみ」ということになりますが、それらにはデジタルリアカメラやカーボンファイバーパッケージなど、これまでオプションだった装備が標準装備され、そのため価格は52万ユーロにまで上昇しているようですね。
-
伝説のランチア「037ラリー」ここに復活!キメラ・アウトモビリが37台限定の037EVO全容を公開。とんでもなくスパルタンなクルマになりそうだ
| ランチア本家が動かずとも、第三者によって「ストラトス」「デルタ」「037ラリー」が蘇る | ただしランチアそのものが今後なんらかの動きを見せる可能性も さて、キメラ・オートモーティブは「ランチア0 ...
続きを見る
キメラ EVO37はレストモッドではなく「オリジナルのクルマ」
なお、ここ最近は過去の名車を蘇らせるコーチビルダーも多く、アウディ・スポーツ・クワトロS1、デ・トマソ・パンテーラ、ルノー5ターボなどが現代に復活していますが(いずれも公式ではない)、それらはなんらかのベースモデルがあっての「レストモッド」。
-
スゴいの出た!ルノー5ターボのレストモッド「R5 T3」。コストを度外視し、限られた人のみに提供するとあって芸術作品のような仕上がりだ
| 思っていたよりもずっと「5ターボ」、そしてずっと高品質なクルマだった | このR5 T3はレジェンデ・オートモビルズ第一号、おそらくは第二弾、第三弾が続くと思われる さて、先日「ルノー5ターボをレ ...
続きを見る
ただしこのキメラ EVO37はまったくのゼロベースから設計されて製造されたクルマであり、そこがほかの「復刻モデル」とは全く異なるところでもありますね。※公道走行のための認可がおりる国は少なそう
そしてキメラEVO37に積まれるエンジンも新規に製作されたもので、2.1リッター・4気筒ターボが500ps以上の出力と406lb-ft(550Nm)のトルクを発生させますが、このエンジンは、初代ランチア037ラリーのエンジン製作を担当したクラウディオ・ロンバルディ氏の指導のもとで製作されています。
トランスミッションは当然ながら6速マニュアル、サスペンションはオーリンズ製、そして車体寸法は限りなく元祖ランチア037ラリーに近いといい、ボディパネルはカーボンファイバー(そう考えると、むしろこの価格でよく実現できたものだと思う)。
今回公開されたキメラ EVO 37は「顧客向け第一号」
そして今回公開されたキメラEVO 37は顧客に納車された第一号だと紹介されており、オーナーはオランダの起業家でもあるカーコレクター。
このオーナーさんは「クルマを飾っておく」タイプではなく実際に自分で運転するタイプだといい、先日スイスのスキーリゾート、サンモリッツで開催されたインターナショナル・コンクール・オブ・エレガンスでも走行する姿がチラリと捉えられています。
-
スイスのサンモリッツで開催されたカーイベントがスゴすぎた!最新のハイパーカーに加え数十億円のクラシックカーも大集合。本当のセレブはこんな感じなのか・・・。
| たとえ雪山であろうと数十億円のクルマを運転して参加。これが本当のセレブのようだ | ボクにはとてもそんな勇気はないけれど さて、先日スイスのウインターリゾート、サンモリッツでは「インターナショナル ...
続きを見る
ボディカラーはダークグリーン、ヘッドライトはイエロー、そしてブロンズにシルバーのダイヤモンドカットというホイールを持ち、その愛称は「エスメラルダ」。
なお、キメラ・アウトモビリは専用に開発したバーチャルリアリティ・プログラムを導入しており、Oculusデバイスを装着することで、キメラEVO 37を注文した顧客は自分のEVO37の製造プロセスを体験できるとされています。
今回公開された画像には、これまでに明かされなかったインテリアの様子がわかるものもあり、そこからはレトロながらも上品で高いクオリティを持つ仕上げも見て取れます。
ランチアには「名車」が多いが
そしてランチアはこのモチーフとなった037ラリーの他にも「デルタ」「ストラトス」など名車が多く、これらについてもコーチビルダー独自に「復刻」を行っているという状況。
-
ランチア・ストラトス復刻版「ニューストラトス」のアリタリアカラーが競売に登場!予想では最高1.1億、しかしこの仕様だともっと高い価格をつけそうだ
| 見た目はラリーカーの「ランチア・ストラトス」そのもの | さて、何かと世の中を騒がせた「ランチア・ストラトスの現代版」、ニュー・ストラトス。この「ニュー・ストラトス」は、もともと2010年に、ピニ ...
続きを見る
ただし当のランチアは「2011年以降、イプシロンのみを作り続けている」という体たらくであり、これまでは名車の復刻に関しては一切無関心。
-
ランチア・デルタのレストモッド「サファリスタ」登場!10台限定7350万円、このままでグループAの規定を満たしているようだ
| 伝説のラリーカー復刻ブームはまだまだ続きそうだ | 同時に「本家」ランチアから復活するデルタにも期待が持たれる さて、2017年にランチア・デルタのレストモッド「フューチャリスタ」を発表したアウト ...
続きを見る
しかしながら新会社「ステランティス」が発足するにあたり、ランチアにも相応の予算が振り分けられることになるようで、「デルタ」の復活が公式に宣言されている、というのが現在のステータスです。
-
ランチアがついに「デルタ」の復活を115周年の折に明言!「誰もが待ち望むデルタの復活を行わないわけにはゆかない。エキサイティングなクルマで、EVとして蘇る」
| もちろん、誰もが望むのは初代デルタであって、2代目や3代目ではないはずだ | 問題は「新型デルタは、いつ、どんなスペックで登場するか」 さて、かねてより復活のウワサが絶えなかったランチア・デルタで ...
続きを見る
合わせて読みたい、コーチビルダーによる復刻車関連投稿
-
フェラーリ250GTOやランボルギーニV12エンジンを設計した「ビッザリーニ」の名が現代に復活!中心人物は前アストンマーティン重役
| 日本だとビッザリーニと言われてもピンと来ないが、欧州だと相当に高い知名度があるようだ | アルファロメオやフェラーリにて自動車やエンジンの設計に関わり、「天才」とまで呼ばれたジオット・ビッザリーニ ...
続きを見る
-
デ・トマソ・パンテーラ現代版、アレス・パンサーはなんとデュアルクラッチなのにMT風シフトパターンを持っている!これぞ理想のトランスミッション?
| さすがは少量生産、そして「車好きのためだけに」生産を行うコーチビルダーだけのことはある | さて、デ・トマソ・パンテーラを現代に蘇らせるという計画によって誕生した伊アレス・デザインの「プロジェクト ...
続きを見る
-
あの「アウディスポーツ クワトロS1」へのオマージュ、Eレジェンド EL1が1億3000万円で限定販売!同社はさらにストラトスのオマージュも検討しているようだ
| ただしさすがにこの価格で30台も売れるとは考えにくい | 一説によるとエレクトリックシステムはポルシェ・タイカンとの共通性があるようだ 現在様々なEVスタートアップが登場していますが、今回「Eレジ ...
続きを見る