| これは「ルノーにしかできない」ひとつの電気自動車に対する回答だと思われる |
それにしてもまさかルノーが公式でこんなクルマを出してくるとは
さて、先日ルノーは「5(サンク)ターボ」のエレクトリック版だと思われるティーザー画像を公開していますが、今回予想通り「超過激な」5ターボ3Eを発表。
なお、このルノー5ターボ3Eはピュアエレクトリックカーなので「ターボ」というのも奇妙ではありますが、ポルシェ・タイカン・ターボ同様に「ターボ」は過給器を指すのではなく、ひとつのグレード名というか記号と捉えたほうがいいのかもしれません。
そして「3E」という部分につき、ルノーは「5ターボ」「5ターボ2」までをリリースしているので、その後継ということで「3」、そしてピュアエレクトリックカーなので「E」ということになるわけですね。
そのルックスはまさに「サイバーパンク」
このルノー5ターボ3Eを見るに、そのルックスはまさに「サイバーパンク2077」からそのまま抜け出てきたようであり、1980年代のクルマを未来を舞台にしたゲームや映画の中で走らせるために改造したかのような雰囲気を持っています。
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ただしこのクルマはレストモッドではなく完全に新しく設計・製造されたクルマであり、リアに2つのエレクトリックモーター、車体フロアに42kWhのバッテリーパックをマウントするというEV専用設計車。
なお、そのレイアウトは「ミッドエンジン、後輪駆動」を採用していた5ターボ、5ターボ2を踏襲したものだと思われます。
ルノー5ターボ3Eの出力は375馬力
エレクトリックモーターは2つあわせて375馬力 / 700Nmを発生し、0−100km/h加速は3.5秒、最高速は200km/h。
スペックとしてはそこまで目を引くものではありませんが、このクルマは加速や最高速を競うのではなく、「走っている瞬間」を楽しもうというコンセプトなのだと思われます。
つまりはパワーや絶対的なスピードにとらわれないという新しい価値観をここで示しているのだと思われますが、実際のところルノーがスーパースポーツと競うのは全くの無意味ですし、であれば「ルノーにしかできない」方法で存在感をアピールしたほうがずっといい、と考えたのかもしれません。
なおホイールはフロント19インチ、リア20インチ(タイヤはフロント225、リヤは325)。
車体重量は980kg、そしてバッテリーパックの重量は520(つまり合計で1500kg)だというので、いかに(電気自動車にとっての)バッテリーパックが重いかがわかりますね(じつに車体総重量の1/3以上を占めている)。
車体構造はチューブラーフレームというレトロな仕様。
バッテリーパックは可能な限り低くマウントされており、低い重心を持つことが見て取れます。
まさかの「透明ボディ」も
このルノー5ターボ3Eのボディサイズは全長4,006ミリ、全幅2,002ミリ、全高1,320ミリ、ホイールベースは2,540ミリ。
FIA公認のロールバーを備え、ドリフトのためのハンドブレーキも持っていて、さらには走行中の画像を撮影するためのカメラブラケットが10個以上も装着済み。
そして驚くべきはこの実車のボディパネルが「透明」ということで、さすがにこの発想はなかった、という感じ。
内側から光を当てたりすると、とんでもないゲーミング仕様となりそうですね。
なお、この実車は10月に開催されるパリ・モーターショーにて公開されるといい、残念ながら「今のところ」発売の予定はないのだそう。※金額問わず買う、という人がけっこういそうではある
現在ルノーのスポーツブランドとなった「アルピーヌ」ではホットハッチを開発中だといいますが、この5ターボ3Eの技術が反映されるのかどうかはわからず、しかしこれまでずっと強烈なホットハッチを送り出してきたルノーだけに、おそらくアルピーヌのホットハッチも「あっと驚く」スペックを秘めていそうですね。
なお、フランス人というとエスプリの効いたオシャレな人々というイメージがあるものの、実際には過去にもとんでもない市販車だったりコンセプトカーを発表していて、ときどき世界で最もアヴァンギャルドな人種じゃないかと思うこともあるほどです(そういえば、フランスのギャング映画もけっこう過激である)。