| これで「ストラトスじゃなかったら」さすがに多くの人が怒るだろう |
むしろ、ランチアがなぜストラトスを今まで復活させなかったのかは不思議である
さて、ランチアは4月15日に「新しい電気自動車コンセプト」を発表するとしていますが、今回その最新ティーザー画像が公開されています。
このコンセプトカーについては多くが語られておらず、わかっているのは「画像」からの情報のみではあるものの、今回ドロップされた画像を見ると、かの有名な「ランチア・ストラトス」を連想させるテールランプ、そしてテールエンドを持っているようにも見えますね。
なお、ランチアは「次世代デザイン言語」として”Pu+Ra”を強く押し出しており、それを体現したPu+Ra Zeroなるコンセプトもすでに公開済み(下の画像)。
ただ、このPu+Ra ZEROはクルマと言うよりはオブジェに近く、しかし4月15日に発表されるであろうエレクトリックコンセプトについては、「自動車」としての体をなしていることが期待されます。
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ランチアは今後数台の新型車を発表する予定だというが
参考までにですが、現在のランチアは(信じられないことに)イプシロンの1車種しかラインアップがなく、しかし現在は親会社であるステランティスのバックアップによってブランドを再建中。
その過程ではブランドをリブートすることになるものの、もともと高級車ブランドとして誕生したという背景を生かして高級化路線を歩むことについてアナウンスされており、新型スーパーミニ「イプシロン」、クロスオーバーのフラッグシップ「オーレリア」、ハッチバック「デルタ」をそれぞれ2024年、2026年、2028年にデビューさせることについても言及しています。
ステランティスは旧FCA(フィアット・クライスラー)とPSA(プジョー・シトロエン)とが合併して誕生しており、現在はクライスラー、ダッジ、ジープ、ラム、フィアット、アルファロメオ、フィアットプロフェッショナル、ランチア、マセラティ、プジョー、シトロエン、DS、オペル、ボグゾール(ボクスホール)といった14ものブランドが収まるという巨大企業。
そしてこれらのブランドについては「豊富な資金と時間的猶予が与えられ」それぞれが新しい道を模索しているのですが、マセラティ、アルファロメオ、プジョー、ランチアなど、将来の計画を示したブランドのほとんどが「高級化」路線を示しています(プジョーでさえも)。
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その理由としては、明確に示されたわけではないものの、ステランティスのカルロス・タバレスCEOが常々「将来的に、中国産の安価なEVに(世界の)自動車業界が飲み込まれる」と語っていることから察するに、中国車と競合しないゾーンへとシフトせねばならないという意図があるのかもしれません。
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ランチアはどういった差別化路線を歩む?
そこで気になるのがランチアの今後の路線。
「高級化」を歩むことについてはすでに述べたとおりではあるものの、高級ブランド、プレミアムブランドは山のようにあるので、ランチアとしてはそれらとの差別化も考えてゆく必要があり、そのための手法の一つが(すでに発表されている)イタリアの家具ブランド、カッシーナとのコラボレーションなのだと思われます。
ただしそれではまだまだ不十分だと考えられ、そこで用いられるのが過去の資産のリバイバル。
これは歴史があり、かつ、過去にアイコニックなクルマをリリースしていたブランドのみに可能となる手法ではありますが、ランチアは幸いにして数々の名車を持っており、実際に「デルタ」は復活することが決定済みでもありますね。
そしておそらくは「ストラトス」の復活を今回示唆することになるのだと思われますが、こちらは過去のストラトスとは異なり、現代ならではの「モダンラグジュアリースポーツ」に転生するものと考えられ、ハイパフォーマンスで、かつ高級、そして高いデザイン性を持つと考えていいのかも。
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たしかに今回リリースされたティーザー画像はストラトスのテールによく似ており、ここまでストラトスを連想させつつ、しかし「全然関係ないクルマだったら」暴動が起きることになるのかもしれません(少なくとも、ぼくは黙っていられない)。
Photo:RM Sotheby's
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