| フェラーリはここ最近の間に、その戦略を大きく変えてきた |
バリエーションが増えようとも自社内での競合は生じず、むしろ他社のテリトリーを獲得している
さて、フェラーリが「ポルトフィーノMの受注を終了し、発表されたばかりのローマ・スパイダーをその後継モデルとして位置づける」と正式にコメント。
フェラーリは各モデルごとに予定総販売台数を設定しているものと思われ、その台数に達すると同時に「ひっそりと」受注を終了させることが多く、よって今回のように公式に(メディアへのインタビューであっても)受注終了を宣言する例はそう多くないと認識しています。
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気になるのはローマ・スパイダーの価格だが
つまり、ポルトフィーノMがなくなることで、実質的にローマ・スパイダーはオープントップのエントリーモデルとして機能することになりますが、気になるのはやはりその価格であり、ポルトフィーノMの価格(2817万円)からどこまで上がるのか。
なお、ローマの価格は2756万円ですが、フェラーリのオープンモデルはクーペに比較して7~8%高くなる傾向にあり、そして昨今のインフレを考慮すると3000万円を超えるであろう可能性が非常に高く、価格の発表については「戦々恐々」といったところですね。※ポルトフィーノM、ローマの価格については、記載の数字から値上げされている可能性もある
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ちなみにですが、現在のフェラーリはモデルごとの路線を大きく変えていて、たとえばひとつ、もしくは二つ前の世代だと(488系やGTC4ルッソ、カリフォルニアT、F12などで)共通するヘッドライト含む顔つきやデザインを持っていたものの、現行モデルだとSF90系、296GT系、ローマ系、812系、そしてもちろんプロサングエでは大きくそのデザインや印象が異なっており、これはおそらくバリエーションが拡大するに伴い、フェラーリ間での食い合いを避けるため、そして裕福なフェラーリファンが「ラインアップ全部を購入する理由」となるように、さらには他社の顧客を奪うためだとも考えられます。
とくにローマやプロサングエだとその役割が顕著だと考えられ、これらの祖先にあたるカリフォルニアの顧客のうちの70%が「他社からの流入」であったように、これらはフェラーリにとって新しい顧客を連れてくることが期待されていると考えていいのかもしれません。
実際のところ、ローマは「1950-1960年代のイタリアを意識した優雅なスタイリングを採用することで」アグレッシブなミドシップスポーツラインナップとの棲み分けを図り、フェラーリに多くの新しい顧客を流入させていますが(カリフォルニア同様、ローマの購入者の70%が初フェラーリだとされる)、今回のローマ・スパイダーは”ソフトトップ採用”ということもあって、さらに多くの新規客をフェラーリに連れてくることになるかもしれませんね(ことによっては、ベントレー・コンチネンタルGTCからの買い替えもあるかもしれない)。
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参照:Road & Track