| フタを開けたらMTの注文が全然ないという話はよく聞くが、GMA T.33ではまったくの逆だった |
それにしてもここまでATに興味を示さないユーザー層も珍しい
さて、マクラーレンF1の設計者、ゴードン・マレー率いるGMA(ゴードン・マレー・オートモーティブ)はT.50、T.33というハイパーカーを発売していますが、T.50はマニュアル・トランスミッションのみでオープンモデルなしというスパルタンな仕様を持ち、しかしT.33にはオープンモデルとパドルシフト(AT)を用意し、よりリラックスしてドライブを楽しむという棲み分けを行う予定だったわけですね。
そう、つい2日前までは。
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GMAは急遽「T.33をマニュアル・トランスミッションのみ」とすることを決定
そして今回、GMAはそのT.33のオープンモデル「T.33スパイダー」を発表したのですが、そのプレスリリースには「MTのみ」とひっそり記載されており、あとからAT追加のアナウンスがあるのかと考えていたところ、どうやらT.33には最終的にマニュアル・トランスミッションしか用意されず、ATの追加はないもよう。
これについては、新しく公開された動画の中でゴードン・マレーが明確に言及しており、「T.33にATを用意するというのはバカな考えでした」というコメントを行っています。
この動画の中では「GMA T.33にマニュアル以外のトランスミッションを用意しようと考えたのは、とても愚かなことでした。我ながら恥ずかしい。この件に関しては我々のチームの誰をも攻めることができません。”ドライビング・パーフェクション”を追求するならば、マニュアル・トランスミッションによるギアチェンジが大きな要素であるということを正しく理解すべきでした」。
なぜゴードン・マレーはATを設定しようと考えたのか?
そこで気になるのがゴードン・マレーが「なぜATを設定しようと考えたのか」ですが、これについて同氏は「このプラットフォームは、T.50(100台)、T.33(クーペ100台、スパイダー100台)あわせて300台に使用されることが決定しており、であればマニュアル・トランスミッション以外の選択肢も用意し、より多くの人にアピールできるようにしたかったのです」と語っています。
ただ、実際に受注を集めると(T.50、T.33ともすべて完売している)AT(パドルシフト)を選択した人はわずか3〜4人だったようで、そのうちの2人は身体的な問題によってクラッチを踏むことができないためにやむなくATを選択したのだそう。※この受注内容を見て、MT以外の選択肢を用意しようと考えたことがユーザーの要望に沿っていなかったと気付かされ、それが「恥ずかしい」というコメントに繋がったのだと思われる
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おそらくゴードン・マレーとしてはもっと多くの人がATを選択すると考えており、そのため実際にATの開発にかかっていたそうですが、この受注結果を見るにつけ「どうやっても開発コストを吸収できず、ATを廃止する」ことを決めた、とのこと。
「クラッチを踏めない」2人についてはちょっと残念な結果になってしまったのかもしれませんが、ゴードン・マレーがこう語っているのが印象的であり、その2人にはなんとか納得してもらうしかないのかもしれません。
「もし、そのままATの開発を継続していたら、自動車史上、もっとも高価なオプションになっていたでしょうね」。
ゴードン・マレーがGMA T.33について語る動画はこちら
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