| ピニンファリーナはバッティスタの別バージョンではないと主張しているが |
それでもバッティスタ以外のベースを持たないことを考慮すると、やはりバッティスタの仕様違いだと考えられる
さて、ピニンファリーナは自社の市販車部門「アウトモビリ・ピニンファリーナ」を設立し、そこからは1,914馬力のピュアエレクトリックハイパーカー”バッティスタ”を発売していますが、今回そのバッティスタに次ぐ、新しい限定ハイパーGTカーを発売するとアナウンスしています。
同社の発行するプレスリリースを見ると、これはアウトモビリ・ピニンファリーナ設立5周年記念モデルとしての位置づけだといい、バッティスタの特別仕様車ではなく「ブランニューモデル」。
ピニンファリーナは現在インドのマヒンドラ傘下に
ピニンファリーナというとフェラーリのデザインを行ってきたことで知られていますが、フェラーリが車体デザインを自社インハウスへと切り替えるに際し契約が更新されず、その後は存続の危機にさらされ、様々なパトロンと交渉を行った結果、現在はインドのマヒンドラ傘下に収まっています。
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そしてピニンファリーナはこのマヒンドラ傘下にてデザイン請負業務を続けつつ、創業者であるバッティスタ”ピニン”ファリーナの悲願であった「自身の名を冠した」市販車の発売計画を推進することになり、そこで登場したのが「バッティスタ」。
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ちなみにですが、ピニンファリーナはバッティスタの他にもSUVやセダンなどの発売計画を(以前に)公表しており、「毎年1台ニューモデルを発表する」としていたにもかかわらず、今のところはリマックとの共同開発となるバッティスタが発表・発売されたのみであり、そこに続くクルマは発表されていない状態です。
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ただ、今回公開された一枚の画像を見ると、ヴェールをかぶったハイパーカースタイルのクルマを確認でき、ピニンファリーナは「バッティスタのバリエーションではない」といいますが、やはり(ブガッティ・シロンに対するディーヴォやチェントディエチのような)バッティスタの仕様違いなのかもしれません。
参考までに、実際に発売には至らなかったものの、ピニンファリーナは水素パワートレーンを積む「H2」の計画を発表したことがあり、しかしいくらなんでもピニンファリーナが突如水素ハイパーカーを発売するとは思えず、やはりここは「バッティスタの派生」と考えるべきだろう、と捉えています。
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なお、今回の「新型ハイパーGT」の予告に際し、ピニンファリーナCEO、パオロ・デラッチャ氏は「私たちは、今後さらに多くのクライアントを喜ばせることを約束し、私たちのチームは、この夏、成長するクライアントコミュニティのために用意した壮大な新車シリーズの最初の車を紹介できることを嬉しく思っています。ピニンファリーナの名が持つレガシーを尊重しながら、私たちのデザインの創造性の新しい次元を披露します」と述べており、このコメントを見る限りでは「さらにこのあと新型車がいくつか続く」とも受け取ることができますね。※たしかにヴェールのフロント部には「01」という文字があり、これがすべてのはじまりだと言えるかもしれない
ピニンファリーナは新しい人事も発表
そして今回アウトモビリ・ピニンファリーナは新しい人事を発表しており、アンドレア・クレスピ氏がCTOに、アンドレア・ノヴェッロ氏がCOOに昇格することに。
これについてパオロ・デラッチャCEOは「アウトモビリ・ピニンファリーナの設立5周年は、カンビアーノとミュンヘンの欧州拠点に集結した多様なエキスパート集団の目覚ましい成果を祝う瞬間でもあります。アンドレア・クレスピとアンドレア・ノヴェッロの両名は、私たちがアウトモビリ・ピニンファリーナの成長を先進的かつ持続的に加速させるための経験、才能、野心を持っています」とコメントし、今後の成長に期待をかけているようですね。
アンドレア・クレスピ氏はeパワートレインおよび高電圧システムディレクターという前職から昇格し、あたらしい役職について「ピニンファリーナ自動車にとって、技術的なビジョンを強化し、高級電気自動車のポートフォリオを拡大するための準備として、これは非常にエキサイティングな進化の瞬間です」と述べ、生産ディレクターから昇格したアンドレア・ノヴェッロ氏は「私たちの大切なお客様に最初から最後まで非の打ちどころのない所有体験を提供することに努め、会社の明るい未来を築くため、この素晴らしい新しいチームの一員となることに強い意欲を感じています」とコメント。
なお、アンドレア・ノヴェッロ氏は2028年にマセラティからピニンファリーナへと移籍してきた人物だそうですが、「我々のチームは、バティスタのような、他に例を見ない高級車を作っていることを誇りに思っており、私たちの素晴らしいブランド、そしてこの次に発表することになる一連の素晴らしいハイパーGTカーをお届けすることを嬉しく思います」とも語っており、そして「それらは今年中にお見せできるでしょう」とも。
よって今年中には、ピニンファリーナからリリースされるいくつかのハイパーカーを見ることができるのかもしれません。
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参照:Pininfarina