| 英国Nyoboltは「小さなバッテリーを短時間で繰り返し充電する」というコンセプトを採用 |
これまでは小型バッテリーを繰り返し充電すると「すぐに劣化する」という問題があったが
さて、一時期ほどではないものの現在でも様々な新興EVメーカーが誕生しており、そして今回、スポーツEVコンセプトをもって英国から名乗りを上げたのが「Nyobolt(ニョボルト)」。
最大の特徴は「6分でフル充電できる」という急速充電システムであり、多くのEVオーナーが不満に感じる”充電時間の長さ”を大幅に短縮することが可能となっています。
なお、このNyobolt EVコンセプトに搭載されるバッテリーは35kWhの容量を持ち、一回の満充電あたり250kmの走行が可能だとされています(たしかに充電時間は短いが、航続距離もそれほど多くはないようだ)。
Nyobolt EVコンセプトはこんなクルマ
そこで今回公表されたNyobolt EVコンセプトについて触れてみると、このクルマをデザインしたのはロータス・エリーゼのデザイナーでもあるジュリアン・トムソン氏で、自身の作品であるエリーゼを意識しつつ、しかしより広く、より長いボディサイズを持たせています。
そして興味深いのは、2019年にジャガーを退社して自身のデザイン・エンジニアリング会社「カラム(Callum)」を立ち上げたイアン・カラム氏がこのプロジェクトを支援していること。
つまりこのNyobolt EVコンセプトは「オール英国」、そして大御所であるイアン・カラム氏のバックアップによるキモ入りのもので、中国からチョコチョコ出てきてはいつまで経っても実現しない新興EVスタートアップとは「全く異なり」、実現性がかなり高いのかもしれません。
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なお、このNyobolt EVコンセプトの車体重量については「2トンより1トンに近い」とされ、つまりは1,500kg以下に収まっていると考えて良く、バッテリーパックのサイズを切り詰めてこの軽量性を維持し、そしてバッテリーパックの小ささをカバーするのが「急速充電」ということになりそうですね。
Nyobolt EVコンセプトは「従来のEVの2倍の速さで充電可能」
そしてNyoboltによると、このコンセプトカーに積まれるバッテリーは”現在生産されている最も充電速度の速い車の2倍以上”の充電速度で充電できるといい、実際に2,000回以上の急速充電サイクルでテストした結果、バッテリーの著しい劣化は見られなかったと主張しています。
加えてNyoboltは「これまで、軽量な急速充電車を実現することは、その寿命を損なうことが不可避でした。そのため多くの自動車メーカーは高価で大きなバッテリーパックに頼ってきたのです(容量の小さなバッテリーは充電回数が多くなり、そしてバッテリーを急速充電すると、その密度が低下することが知られている)。しかしながら我々Nyoboltは独自の技術で”6分間”という短い時間で充電できるクルマを実現し、より多くの電力を供給して短時間で充電できる小型バッテリーパックを開発しました。さらにこの技術は小型のバッテリーに限らず、より大型のバッテリーにも適用可能であり、EVの可能性をさらに伸長します」とコメント。
Nyoboltの発言を見るに、その核は「充電技術」にあり、よって今回のEVコンセプトについてはその技術を示すための「容れ物」にしか過ぎず、そのため実際に発売される可能性はあまり高くはないものと思われ、しかしそこはイアン・カラム氏に期待したところでもありますね。
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参照:Motor1