Image:Renault
| 時代が変われば「記録のあり方」も変わってくる |
ルノーは他の多くの自動車メーカーとは異なり「EV重視度」が非常に高い
さて、ルノー、シトロエン、プジョー、DSなどフランスの自動車ブランドは奇抜なコンセプトカーを製作することで知られていますが、今回ルノーが「フィラント・レコード」なる驚くべきプロトタイプを公開。
見たところ「未来と戦前のデザインを融合させたような」ストリームライナー(流線型レーシングカー)で、「レコード」と名がつくことでもわかるとおり、ルノーは実際にこのクルマを走らせ、「新たな記録を打ち立てる」ことを目指している、とアナウンスされています。
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ルノー・フィラント・レコードは「過去の3台の名車」からインスピレーションを得る
このフィラント・レコードはルノーの長い歴史の中で「記録を打ち立てた3台の名車からインスピレーションを受けている」といい、その3台とは以下の通り。
- 1925年「40 CV des Records」
- 1934年「Nervasport des Records」
- 1956年「Étoile Filante」
これら3台のモデルは、時代ごとに「最高速記録」を競うクルマのデザインがどのように変化してきたかを示していて、最初の2台(40 CVとNervasport)は細長いフォルムを採用していたものの、Étoile Filanteでは1950年代から1960年代にかけて主流になった”低くフラットな”デザインへと移行しています。
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さらに、ルノーがこのモデルのカラーとして選んだ「ウルトラバイオレット・ブルー」は、40 CV des Recordsにオマージュを捧げた特別な色だと紹介され、ヘッドライトやホイールのデザインも40 CV des Recordsを想起させるディテールとして考案されることに。
一方、このクルマは見た目の美しさだけでなく、効率性を最大限に高める設計が施されていて、車体構造には可能な限りカーボンファイバーを使用することで重量を1,000kg以下に抑えており、さらには空気抵抗を最小限にしスムーズに空気を切り裂くことができるようにデザインされたボディパネルを持っています。
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そのほかステア・バイ・ワイヤ(電子制御操舵システム)を採用することでドライバーとタイヤとの間の機械的部品を削減して車両のコンパクト化を実現し、ブレーキシステムも電子制御化(ブレーキ・バイ・ワイヤ)され、やはり車体の最小化、コクピットスペースの確保に貢献しているようですね(可能な限り前面投影面積を小さく作らねばならない)。
さらに、フィラント・レコード専用に設計された19インチのミシュラン製タイヤは、エネルギー損失を最小限に抑え、接地面をフラットにすることで40%もの転がり抵抗の低減を実現することについても言及されています。
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上述の通り、ルノーはこのフィラント・レコードを実際に走らせ、「最小限の電力消費で最長距離を走行する」ことを目標に記録挑戦を行うといい、同じ電力を持つ他の車両と比較して「どれだけ長く走れるか」を競うこととなりますが、まずは2月にパリで開催される「レトロモビル(Rétromobile)」で展示され、記録挑戦は2024年前半に行われる予定である、という公式発表がなされています。
「この車は、まるで動く彫刻のようにデザインされました。戦闘機や19世紀のスピード記録車からインスピレーションを受け、パフォーマンスと時代を超えたエレガンスを表現しています。ボディのあらゆる曲線は光を捉え、まるで空気と一体化するかのような造形を目指しました。ブルーのウィンドウとカラーパレットは、さらにこの軽快な印象を際立たせています。全体のデザインは、流れと軽やかさを感じさせるものです。」
サンディープ・バンブラ(ルノー&アンペール先進デザインディレクター)
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