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【速報】中国から出港したEV輸送船が太平洋で炎上。約3,000台の新車が被害か、目的地への到着は絶望的

2025/06/05

【速報】中国から出港したEV輸送船が太平洋で炎上。約3,000台の新車が被害か、目的地への到着は絶望的

| 事件概要:3,000台の新車を積んだ貨物船が火災に |

やはり「EV=燃える」という事実は確実に存在

アメリカでは関税により中国車の市場参入が一時的に制限されていますが、その一方で中国の自動車メーカーはメキシコ市場を中心に北米で勢力を拡大し続けているという状況も。

そんな中、2025年5月26日に中国・煙台(Yantai)を出発し、メキシコ・ラサロ・カルデナス港へ向かっていた貨物船「モーニング・ミダス(Morning Midas)」が太平洋上で火災を起こし、緊急事態に陥ったと報じられています。

火災が発生したのはアラスカ・アダック島の南西約300マイル(約480km)付近の太平洋上で、目的地到着予定日は6月15日でしたが、もはや到着は絶望的だと見られています。

アメリカ沿岸警備隊が緊急対応この案件につき、2025年6月4日午前2時頃にアメリカ沿岸警備隊(USCG)が火災の第一報を公式に発表。

船員22名は初期消火を試みたものの鎮火できず、USCGにより別の商船へ安全に避難することに成功し、現時点では負傷者なしとのことで、現在は沿岸警備艇と航空支援部隊が現場に向かっており、他にも3隻以上の支援船舶が現場に到着済みと報告されています。

積載車両の中に約800台のEVも?

「モーニング・ミダス」には約3,000台の新車が積載されており、そのうち800台は電気自動車(EV)と報告され、どのメーカーのどのモデルかは現時点で不明ではあるものの(BYDは自社の船を持っているのでBYDではなさそう)、EVを積んでいるという情報が注目を集めています。

BYDの成長が止まらず、「500万台のNEVを販売し、世界で最も電動車を製造した会社になった」と発表。なお100万台には13年、300万台にはさらに18ヶ月、500万台には9ヶ月
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現段階では火災の原因も特定されておらず、車両由来の出火か、それ以外の船内設備の故障なのかについて引き続き調査が進められていますが、現時点では「やはりEVが原因なのでは」という見方が大半であるもよう。

もちろんガソリン車でも「燃える」ことはあるものの、EVの場合は「走っていなくても発火し炎上する」ことがあるのがガソリン車との大きな相違で、熱源がなくとも(ショート等で)発火することがあり、よって「輸送中に燃える」可能性が高いのはやはりEVです。

過去にもEV積載船で火災が発生

この火災は、過去に大きな話題となった「フェリシティ・エース(Felicity Ace)」の沈没事故を思い出させ、現時点では、EVが直接の原因と断定することはできないものの、電気自動車を含む貨物の海上輸送には安全対策が必要であるという認識はフェリシティ・エースの一件以降、業界内でも確実に高まっています。

今回の火災についても、調査の内容と結果次第では、輸送中のEV安全対策の見直しを促す重要な契機となるかもしれませんね。

  • 2022年に発生した「フェリシティ・エース」火災では、3,828台の車両(推定5億ドル相当)が海底に沈没
  • その船にもEVが含まれていたが、火災原因は特定されていない(調査ができないため)
  • EVのバッテリー(リチウムイオン電池)は発火リスクがあるとされており、議論が続いている
ベントレー
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参照:USCGAlaska(X)

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