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| 一見するとローマから多くの要素を引き継いでいるが、そのディティールは大幅に進化 |
12チリンドリにも近いモダンでシャープなイメージに
フェラーリがついに新型スーパースポーツ「アマルフィ」を発表。
現在のフェラーリのラインアップとしては「GT」に属しますが、近年の傾向としてGTシリーズではエレガントさが強調され、かつイタリアの象徴的な都市やフェラーリの精神的支柱を連想させる名称が与えられることが多く、一方の「スポーツ」系だと”296””12”などその機能的特徴が名称に組み込まれることが多いようですね。
そしてこのアマルフィもまたイタリアの美しい海沿いの街の名が付与されていますが、イメージカラーには新しく「ヴェルデ・コスティエラ」が採用されており、これはアマルフィの海岸周辺に「きらめき」からインスピレーションを受けた美しい色合いを持つグリーンです。
なお、「グリーン」は近年のフェラーリにとって重要なキーカラーのひとつであり、実際のところ、つい先日もフェラーリは公式に「グリーン」に関するコンテンツを公開したばかり。
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はじめに:フェラーリ・アマルフが書き換える現代のスポーティさ
フェラーリ アマルフィは、現代的なスポーティーさの概念を書き換えるモデルとして登場しており、純粋でスポーティなエレガンス、パワー、レスポンスのバランスを追求し、見る者、そしてドライバーを魅了する一台となっています。
「スピードフォルム」が生み出すエクステリアデザイン
アマルフィのデザインはもちろんフェラーリのチェントロ・スティーレによる「インハウス」で、その責任者であるフラヴィオ・マンゾーニ氏によって主導されたもの。
そのシルエットはローマを踏襲するものの、フロントフード中央の「盛り上がり」、ドアに設けられたプレスラインなど新しい要素が見られ、全体的にはローマに比較して「シャープで現代的、あるいは建築的」な印象も。
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そしてこのエクステリア・デザインのインスピレーションとなったのは「流麗な単体の塊であるスピードフォルム」で、これにより、力強くダイナミックな印象を与えつつも、ミニマルなアプローチが可能となり、彫りの深い洗練されたボディを作り出していますが、今回フェラーリは「スピードフォルム」という言葉を繰り返し使用しています。
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フロントは「ハンマーヘッド」に(グリルレス的イメージがより強く押し出されている。センサー類もうまく隠されているようだ)、ホイールは伝統的な5スポークなるも「スポークの間を空気が通り抜ける」3Dデザインに。
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リアウインドウから車体後部につながるブラックパーツ(可動式スポイラー)の形状も変更され、テールランプは左右がストリップによって結びつけられてフロントともども「ワイドな」印象に。
なお、リアディフューザーも大型化され、中央部が一段高く持ち上げられる形状を持っていますが、これも296スペチアーレなど最新モデルが持つ特徴のひとつだと認識しており、フェラーリはこのアマルフィに「最新の」デザインをすべて反映させてきたようですね。
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ドライバーとパッセンジャーを包み込む洗練されたインテリア
アマルフィのインテリアはクリーンで現代的な要素を活かしつつもドライビング・エクスペリエンスを高めるように設計され、センターには新しい10.25インチのタッチスクリーンが配置されており、加えて15.6インチのインストゥルメント・クラスター(従来の14インチから大きくなったようだ)、助手席には8インチのパッセンジャー用ディスプレイも。
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そして特筆すべきは「デュアルコクピット」が採用されたことで、これはプロサングエにて導入され、その後12チリンドリでも採用されたもの。
これまでのローマと比較するとダッシュボードやセンターコンソールの形状が大きく変わり、いっそう近代的な雰囲気となっています(やはり”直線”は内外装ともに重要なテーマでもあるようだ)。
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ツインターボV8エンジン:640馬力の圧倒的パワーと精密な制御
アマルフィのパフォーマンス、そして純粋なスポーティさの中核をなすのは「さらにパワフルになったツインターボV8エンジン(F154)」。
新しいエンジン制御ユニット(プロサングエや12チリンドリと同じ)、先進的なターボチャージャー制御システム、そして新たな圧力センサーの導入により最高出力は驚異の640 馬力にまで高められ(最高回転数が7,500rpmまで引き上げられている)、この圧倒的なパワーによって0-100 km/h加速はわずか3.3秒をマーク。
最高速度は330km/h、0-200km/h加速はわずか9秒だとアナウンスされています。
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アクティブ・エアロダイナミクス:可動ウィングが実現する理想のダウンフォース
アマルフィには(ローマ同様)テールと調和するように一体化された可動ウィングが備わっており、このアクティブエアロは「ロー・ドラッグ(LD)、ミディアム・ダウンフォース(MD)、ハイ・ダウンフォース(HD)の3種類の仕様に自動で切り替わり、これもまた296スペチアーレ同様のロジックです(MDが追加されている)。
これによってさらに効率が高まることとなり、特にHDポジションでは、車速250km/h時点で110kgのダウンフォースを発生させ、高速走行時の安定性とグリップを最大限に高めるのだそう。
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このほかアンダーボディにはフェアリング、そしてヘッドライト上部にはバイパスダクト、さらにフロントにはボルテックスジェネレータとディフューザーが組み込まれることでダウンフォースを強化していますが、アマルフィではこれらが「目に見えない」ところに大きな意義があり、しかしその技術は「モータースポーツからのフィードバックを得たもの」。
フェラーリはアマルフィの発表に際し「リビエラよりレーサーが登場」というキャッチコピーを使用していて、フェラーリが「レーサー(レーシングカー)」と呼ぶのにも納得の機能を備えるのがこのアマルフィということになりそうです。
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思考の延長となるドライビング体験:制御とレスポンスの融合
新型アマルフィは「正確で素早い反応による魅力的なドライビング・エクスペリエンスを備える」べく設計されており、そのために用いられたのは”先進的なブレーキ・システム、電動パワーステアリングの新しいキャリブレーション”。
これによって20インチ・ホイールを履く四輪のグリップ推定速度が10%高められているといい、「ドライビングは思考の延長になる」というフェラーリの哲学が具現化され、運転する喜びと汎用性が両立している、と説明されています。
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これらを総括するに、アマルフィはその革新的なデザイン、最先端のインテリア、そして圧倒的なパフォーマンスと精緻な制御により、現代のスポーツカーに新たな基準を打ち立てるモデルだといっていいのかも。
ドライバーとパッセンジャーを包み込む空間、そして思考の延長線上にあるかのようなドライビングは、まさにフェラーリならではの体験と言えそうですね。
フェラーリ「アマルフィ」公式動画はこちら
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