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【シャオミCEOが絶賛】テスラFSDの「完全自動納車」に衝撃──中国EV業界特有の“フレネミー”文化とは?

【シャオミCEOが絶賛】テスラFSDの「完全自動納車」に衝撃──中国EV業界特有の“フレネミー”文化とは?

Image:Xiaomi

| テスラが「完全自動納車」に成功──Model Yが無人で24kmを走行 |

シャオミCEOは「テスラのファン」である

つい先日、テスラはモデルYにて「ドライバーなし・遠隔操作なし」という環境にて、テキサス州のギガファクトリーから顧客の自宅までの約24kmを自走して納車するという驚きの出来事を発表しています。

これはテスラの副社長、タオ・リン氏がX(旧Twitter)へと「初めてクルマ自身が自走しオーナーの元へ納車された」と投稿したことから明らかになったもので、最高速度は時速115kmにも達し、完全自動運転(FSD)の実力を世界に示す形となったわけですね。

テスラが「世界初」、工場からオーナーの元へと完全無人の自動運転にて「納車」を成功させる。新しいテスラのスタンダードとなりうるか【動画】
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雷軍CEO「我々にはまだ学ぶべきことが多い」──テスラFSDをWeiboで賞賛

このニュースを受け、シャオミ創業者であり現CEOの雷軍(Lei Jun)氏はWeiboで次のようにコメント。

「テスラは本当にすごい。とくにFSD(完全自動運転)においては業界をリードしている。私たちはまだ多くを学ばなければならない。」

雷軍氏は以前から他社の技術に対しても積極的に称賛を送っており、提携先のライカへの感謝はもちろん、NIOのバッテリー交換技術や、Li Auto、長城汽車(Great Wall Motor)の創立記念を祝うコメントも投稿していますが、過去にはテスラCEO、イーロン・マスク氏を真似た投稿も行うなど、特にテスラに対しては「自身がファンであること」を隠そうとしていないようにも思えます。

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中国EV業界の“フレネミー”文化──競合を称賛し合う独自マーケティング

中国では、競合他社を公開で賞賛する「ゲリラ的マーケティング」が珍しくないといい、NIOの李斌(ウィリアム・リー)氏とXpengの何小鵬(He Xiaopeng)氏が頻繁に“冗談交じりの応酬”をSNS上で展開しているのもよく知られる事実です。

2018年にはNIOが年内に1万台を納車できるかどうかで賭けを交わすなど、ライバルでありながら親しい関係性(フレネミー)が業界内で形成されており、こういった傾向は「中国ならでは」。※欧米でも一部は見られるが、ここまで顕著ではなく、だいたいは「一発」で終わることのほうが多い

なぜ中国でこういった文化が発展したのかはわかりませんが、なにぶん中国では「メンツ」を重んじるため、ライバルに対して寛容な姿勢を示すことで”余裕”を周囲に示したいという傾向があるのかもしれません。

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シャオミYU7 vs テスラModel Y──本命SUV対決に注目集まる

そんな中、シャオミはModel Yの競合車「YU7」を2025年6月26日に北京で正式発表。

発売から1時間で28万9000万件の予約、18時間で24万件のロックイン注文(返金不可)を記録し、市場の期待を証明した形となっています。

ただ、YU7は、NVIDI製のDrive AGX Thorを搭載した自社開発ADAS「Xiaomi Assisted Driving Pro(通称HAD)」を標準装備するものの、多くのレビューでは「慎重すぎる動作」と評されており、(テスラの)FSDのような積極的な自律性には及ばないとの声も。

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よって今回は「素直に(現時点での)負けを認める潔さ」を通じ、今後への期待を煽るという手法にてシャオミの底力を示したかったのかもしれませんね。

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参照:Xiaomi(Weibo)

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JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

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