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トヨタ、新世代1.5L&2.0Lエンジンを発表。EV・ハイブリッド・水素まで対応する多用途パワーユニットにて「新時代の覇権」を狙う

トヨタ、新世代1.5L&2.0Lエンジンを発表。EV・ハイブリッド・水素まで対応する多用途パワーユニットにて「新時代の覇権」を狙う

Image:TOYOTA

| すでに開発を行っていた新型エンジンがついに「実用段階」に |

EVに対しては「発電機」としての使用を想定

さて、トヨタは昨年5月に「新型エンジンを開発中」とアナウンスしていましたが、今回その新型エンジンの概要が明らかに。※画像は昨年5月にアナウンスされた際に配布されたもの

トヨタはかねてより電動化時代にあっても内燃機関(ICE)の未来は明るいと断言し、実際にスバルやマツダと協力して新世代ガソリンエンジンの開発を進めており、今回明らかになったのはその第一弾となる1.5Lおよび2.0L直列4気筒エンジンです。

トヨタが「延命ではなく新生」と語る新型エンジンの概要を公開。エンジン単体ではなく車両のパッケージングまでを含めた新設計、まさにゲームチェンジャーとなりうるか
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EVから水素まで対応する「万能エンジン」

この新エンジンは、電動、ハイブリッド、水素燃焼などあらゆるパワートレイン形式に対応可能だとされ、トヨタ欧州副社長アンドレア・カルルッチ氏によれば、拡張型EV(EREV)への搭載も想定されているとのことで、発電専用エンジンとして最適化されるケースもあるもよう。

もちろんEREVではエンジンが直接駆動輪を回転させることはなく、しかしエンジンが発電機として機能することでバッテリー充電のみを担当することになりますが、これによって最適回転数での効率的な発電が可能となり、同様のシステムはBMW i3、マツダMX-30にレンジエクステンダーとして採用され、日産e-POWERも同じロジックを採用する「EV」です。

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Image:TOYOTA

マツダが「2ローター」ロータリーエンジンを使用したHVシステムを公開。発電用であれば「1ローター」で足りるものと思われ、となるとこれで車輪を直接駆動?
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燃費だけでなく高性能も追求

この新型エンジンラインナップには自然吸気とターボの1.5Lユニットに加え2.0Lターボも設定予定。

特にGazoo Racing(GR)モデル向けには最大600馬力のレーシング仕様も開発される見込みだというので、相当なポテンシャルを保つと考えていいのかもしれません。

また、これらのエンジンはガソリンだけでなく、バイオ燃料、水素、合成燃料にも対応予定だとされ、2018年に達成した熱効率41%をさらに向上させる可能性も示唆されています。

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プラットフォーム戦略の刷新

興味深いことに、アンドレア・カルルッチ氏は「EV専用プラットフォームをベースに、PHEVやハイブリッドに応用する」という新しいアプローチを提案していて、これによって電動車の強みを生かしつつ内燃機関搭載モデルの性能も引き上げられるとしていますが、BMWやポルシェも同様の戦略を採用しており、この手法はある意味で「今後しばらくの間の世界標準」となるのかも。

もちろんこの方法を用いれば「今まで注力してきたEVプラットフォーム開発」に関わる成果を無駄にすることなく「(もちろん設計の変更は必要ではあるが)現状に適した展開」が可能となるわけですね。

ポルシェ
ポルシェが公式に「内燃機関に対する投資の拡大」に言及。やはりEVとして開発されたモデルにガソリンエンジンを搭載し「ハイブリッド化」するようだ

| 現時点ではどのモデルが対象となるのかはわからないが、タイムライン的にはミニバン「K1」が妥当であろう | 本音を言うと718ケイマン・ボクスターをハイブリッド化してほしいものである さて、ポルシェ ...

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Image:TOYOTA

トヨタは多様な選択肢を顧客へ

トヨタ会長・豊田章男氏は以前にも「EVが市場シェアの30%を超えることはない」と語っており、今回アンドレア・カルルッチ氏も「需要のない市場でEVを無理に推すことはしない」とコメント。

今後も多様なパワートレインを提供し、顧客に選択の自由を与える戦略を維持する構えを見せているわけですが、これからもトヨタは「押し付け」ではなく「人々が求める」クルマをその国や地域の特性や規制に合わせて提供してゆくこととなりそうです。

トヨタ
豊田章男会長「いかにバッテリー技術が進歩しても、電気自動車のシェアは30%にとどまり、残りはハイブリッドやFCV、水素エンジンで占められるだろう」

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参照:Automotive News

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