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まさかの「ロールス・ロイス公式」。ファントム100周年を記念してロールス自ら「ファントムをプールに放り込む」。「ロールス・ロイスとプール」はどんな関係?

まさかの「ロールス・ロイス公式」。ファントム100周年を記念してロールス自ら「ファントムをプールに放り込む」。「ロールス・ロイスとプール」はどんな関係に?

Image:Rolls-Royce

| ロックンローラーにとって「ロールス・ロイスをプールに落とす」のは一つの夢ではあるが

それにしてもまさかロールスロイスが「公式」にてこれを行うとは

さて、ロールス・ロイスが「ファントム100周年」を迎えるに際してファントムをプールに放り込むというスタントを実施。

これについてはいくつかの補足が必要で、まず「ロールス・ロイスをプールに落とす」のはロックンローラーにとってのひとつの「象徴」として捉えられています。

そうなった理由としては、「ロック界の破壊王」と呼ばれた「ザ・フー」のドラマー、キース・ムーン(Keith Moon)が「自身の21歳の誕生日パーティーにて、酔っ払ってロールス・ロイスを運転し、ホテルのプールにクルマごと突っ込んだ」ことに端を発していますが、これは自身のドラムセットを爆破したのを手始めに、自宅や公共設備を破壊してきた彼のエピソードを「完全なもの」にするに十分な出来事であったわけですね。

ただ、この後にもロールス・ロイスをプールに落としたミュージシャンは他にはおらず、のちにオアシスがアルバム「Be Here Now」のジャケットにてロールス・ロイスをホテルのプールの脇に置いているのですが、「さすがのオアシス」であってもプールにロールスロイスを落とすことはできなかったようで、リアム・ギャラガーがこのジャケット撮影時に「このロールス・ロイスをプールに落としてぇ・・・」と語ったとも報じられています。

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ロールス・ロイスは「ロックの象徴」

日本におけるロールス・ロイスのイメージからはなかなか想像できませんが、世界的に見るとロールス・ロイスの顧客平均年齢は他のプレミアムカーブランドに比較すると非常に若く「43歳」だと言われています(多くのプレミアムカーブランドの顧客平均年齢は50代後半)。

そしてこの傾向はロールス・ロイス黎明期からの「伝統」であったようで、「クイーン」のフレディ・マーキュリー、「ビートルズ」のジョン・レノンらが愛用してきたことでも知られ、とくにジョン・レノンは自身のクルマを「サイケデリック調」にペンとしたり、「真っ黒に」ペイントして乗ったことも(近代のブラックバッジはここから着想を得たのかも。ロールス・ロイス自身もそれを連想させるコメントを行っている)。

つまるところ、ロールス・ロイスは「伝統」をこれ以上なく体現するブランドでもある一方、伝統を破壊し新しい時代を築く若いリーダーにも選ばれるクルマであったということになりますが、とくにこの極端な傾向は近年「明確に」なってきているようにも思えます。

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ロールス・ロイスも「破壊」を好む

そしてロールス・ロイス自身もイメージを破壊して前に進むことをためらわず、SUV「カリナン」の投入、電気自動車「スペクター」の発売、そして「ネオン」や「ピンク」といった常識を覆すかのようなカラーを採用するといった例からもわかるとおり、非常にアグレッシブな姿勢を見せています。

そして「(ファントムが)8世代にわたり最も創造的で影響力あるミュージシャンたちの愛車として歴史を刻んできたこと」に大いなる誇りを感じているようで、たびたびこの事実にも触れ、そして今回「ファントムをプールに放り込んだ」のもキース・ムーンの逸話にちなんでいることについても言及済み(通常、自社のクルマを破壊するような人物を支持することは考えにくい)。

「ハリウッド黄金期からヒップホップの台頭まで、アーティストはファントムを通じて自己を表現し、時に慣習に対し挑戦してきました。彼らのクルマは音楽史の中で象徴的存在となり、今もなおその伝統は生き続けています。」

ロールス・ロイスCEO クリス・ブラウンリッジ

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ロールス・ロイスとセレブリティとの歴史

ここで「ロールス・ロイスとの関係性がよく知られるセレブリティ」について見てみましょう。

マレーネ・ディートリヒ:スクリーンを飾ったファントム

1930年、映画『モロッコ』撮影のためハリウッド入りしたマレーネ・ディートリヒを迎えたのが「花束とともに贈られた緑のファントムI」。

映画本編にも登場し、マレーネ・ディートリヒ本人と同じく強烈な存在感を放っています。

エルヴィス・プレスリー:マイク付きファントム

1963年、全盛期の「キング」エルヴィスは、マイクや執筆用のメモ帳、鏡まで備えたミッドナイトブルーのファントムVを購入。

母親の鶏がボディに映った自分の姿をつついたという逸話も残ります。

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ジョン・レノン:サマー・オブ・ラブを象徴した一台

1964年に手にした黒塗りのファントムVを、1967年にサイケデリックなカラーへと大胆に塗り替えたジョン・レノン。

その姿は「サマー・オブ・ラブ」の象徴となり、さらに1968年には「ホワイト・アルバム」に合わせ、全身ホワイトのファントムVを所有しています。

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リベラーチェとエルトン・ジョン:ショーマンの愛車

鏡張りのファントムVでステージに登場したリベラーチェ。その後を追うようにエルトン・ジョンも複数台のファントムを所有し、強力なオーディオを搭載したモデルやピンク×ホワイトの個性的な仕様を楽しんだことが知られます。

ヒップホップとファントム:新たな時代の象徴

2003年、ファントムVIIの登場以降、ロールス・ロイスはヒップホップ文化と急速に結びつきます。2004年にはスヌープ・ドッグのMV「Drop It Like It’s Hot」に登場し、50セント、リル・ウェインらも愛用。

特に「スターライト・ヘッドライナー(天井の星空照明)」はラップの歌詞に頻繁に登場し、現代ラグジュアリーの象徴となっています(こういった傾向によって、成功したらロールス・ロイスを購入する、という傾向が定番化しているのだと思われる)。

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ファントムの遺産

こういった例を見てもわかるとおり、100年にわたり、ファントムはアーティストたちの「自己表現のキャンバス」として輝き続けてきたことがわかります。

これからの新時代においても、その存在は成功と創造性、そして想像力を体現し続ける存在であり続けることは間違いなさそうですね。

ロールス・ロイス・ファントムをプールに「入れる」動画はこちら

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参照:Rolls-Royce

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