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フォルクスワーゲン、新型EV「ID.ポロ」発表。クラシックネーム復活とGTI投入を予告、ガソリン時代との「決別」ではなく「継承」へ

フォルクスワーゲン、新型EV「ID.ポロ」発表。クラシックネーム復活とGTI投入を予告、ガソリン時代との「決別」ではなく「継承」へ

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| フォルクスワーゲンは命名法則に苦慮 |

一時は「かつての名称はすべて廃止」としていたが

フォルクスワーゲンは手頃なEV普及を狙う戦略の一環として、コンセプトカー「ID.2all」を2023年に発表していましたが、しかし、市販時にはその名称は使われず、伝統の「ポロ」ブランドを復活させた 「ID.ポロ」 として2026年初頭から生産が始まることが公式にアナウンスされることに。

加えて、VWは今後も「ID」というEVシリーズ名、そして従来の車名を組み合わせる命名方式を採用していく方針を明らかにしています。

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ID. Polo

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「ID.2all」は消滅、新たに「ID.ポロ」として登場

なお、フォルクスワーゲンはかつて「ディーゼル不正事件」の影響を払拭するため、内燃機関をすべて廃止し、フォルクスワーゲンを連想される車名も廃止したうえ、デザインも一新して「全く新しいブランド」へと生まれ変わろうとしていましたが、その計画は様々な理由にて思うように進まず、「一部の現行車種の名称は残す」「デザインも現行モデルのイメージを残す」という流れへと回帰しています。

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ポロ生誕50周年に合わせた電動復活

そして今回、ついに「過去の名称を使用する」という決定がなされ、「ポロ」の名が継続されることが決まったわけですが、この「ポロ」は1974年に誕生(1975年モデルとして販売開始)しているため、ちょうど50周年を迎えるタイミングにてEV版の「ID.ポロ」が登場することとなるわけですね。

ID. Polo

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フォルクスワーゲン
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現時点ではガソリン車やハイブリッド車の一部は従来の名称を継続するものの、EV新モデルについては順次「ID+既存ネーム」に統一される予定であるとも説明され、つまりはBMW同様、「同じ車種にパワートレーン違いを用意し、電動版ではそれと認識できる呼称を追加する」方向へとシフトするのだと考えられます(ガソリン版とEV版とで明確なデザイン的、ラインナップ的な差異を設けない)。

ID. Polo

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フォルクスワーゲン
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GTIグレードの復活も確定

さらにフォルクスワーゲンは 「ID.ポロGTI」 を投入することも正式に発表。

これは「ID. GTIコンセプト」で示された方向性を具現化する市販モデルとなりますが、ガソリン時代から続く「GTI/R」といった高性能グレード名をEVにも展開することで、ファンにとって親しみやすく、ブランドの伝統を受け継ぐ戦略を採用するのだと考えてよく、これも「ガソリン時代との決別」から、「ガソリン時代の資産を活用する方向」への大きなシフトということになりそうです。

ID. Polo

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新型コンパクトSUV「ID.クロス」も登場予定

さらにVWは、 新型「ID.クロス(ID. Cross)」 というEVコンパクトSUVをIAAミュンヘン2025で発表予定だとも発表しており、これは欧州の「T-クロス」後継モデルにあたるとされ、ID.ポロ同様に手頃な価格帯を狙ったEVとなるもよう。

デザインはID.2allをベースにしつつ、Cピラーには特徴的な「3本ライン」のアクセントを採用するといい、価格は約460万円程度からとだされ、ヨーロッパ市場におけるエントリーEVクロスオーバーとして投入される見込みです。

価格と発売スケジュール

  • ID.ポロ EV:約390万円、2026年初頭から生産開始
  • ID.クロス EV:約460万円、2026年後半から生産開始
ID. Polo

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まとめ

  • VWは「ID.2all」を市販化する際に「ID.ポロ」へ改名
  • 2026年に生産開始、約390万円からの手頃な価格を実現
  • 高性能モデル「ID.ポロGTI」も将来投入予定
  • 新型コンパクトSUV「ID.クロス」も2026年後半に登場
  • EVでもGTI/Rといった伝統グレードを継承

フォルクスワーゲンは、EV時代でも従来の「名前」と「キャラクター」を活かすことで、既存ユーザーを安心させつつ新規層も取り込む戦略を取ることとなり、今後の「再生計画」にも注目したいところですね。

ID. Polo and ID. Polo GTI

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参照:Volkswagen

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