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ランボルギーニが中国にて大規模イベント開催、アドペルソナム「20周年」を記念するレヴエルトの特別仕様車も公開

ランボルギーニが中国にて大規模イベント開催、アドペルソナム「20周年」を記念するレヴエルトの特別仕様車も公開

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| ランボルギーニにとって中国は「外せない」巨大市場である |

1. 序論:電動化の波に乗る「イタリアの狂気」の再定義


ランボルギーニが「中国本土市場参入20周年を記念し、上海で大規模なイベント”ランボルギーニ デイ チャイナ”を開催した」と発表。

この祝典の中心にあったのは「性能強化としての電動化」をテーマとする完全ハイブリッド・ラインナップであり、ランボルギーニのパーソナリゼーション部門「アドペルソナム」によって仕上げられたレヴエルトの特別仕様車も発表されています。

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ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏はここで「我々にとっての電動化は環境対応の義務としてではなく、「パフォーマンス・エンハンサーである」ことを強調していますが、これはおそらく「電動車は中国だと安物だと捉えられる」という風潮に配慮したものかもしれません(一般的な電動車とは異なるということをアピール)。

BMW
BMW「中国ではEVが売れていると思われがちですが、高級車市場ではガソリン車のほうがよく売れます。現地では、EVは安物だと捉えられ、富裕層はこれを嫌います」

| たしかに中国で売れているEVは価格が安く、登録にかかる費用や税金等も安価である | 中国の富裕層は「一般人と同じように見られたくない」のかもしれない さて、現在中国では販売される新車の1/3が電気 ...

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そしてこの場ではレヴエルト、テメラリオ、ウルスSEの3モデルが並べられ、「市場で最も完成されたスーパースポーツカーのラインナップをもって、技術的革新がランボルギーニの掲げる理念である”勇敢さ”と”予測不可能性”を維持する」という極めて重要なメッセージを顧客、そしてファンへとに投げかけています。

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2. 技術的極点:ハイブリッド・ラインナップの革新的コア技術

ランボルギーニの新しいハイブリッド・トリオは、それぞれ異なるセグメントで技術的な極点を追求しており、ここでざっと「おさらい」してみましょう。

2.1. レヴエルト:HPEVの先駆とV12の未来

レヴエルトはランボルギーニ初のHPEV(ハイパフォーマンス電動車両)であり、その技術はフラッグシップ・モデルとしての役割を担います。

  • 1,015 CV (1,001 hp)を発生する V12ハイブリッド・パワートレイン:伝統のV12エンジンと電動モーターを組み合わせることにより絶対的な出力と瞬間的なレスポンスを両立。最大化された空力効率と相まって、純粋なドライビングエモーションを提供します。
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2.2. テメラリオ:「Fuoriclasse」な10,000 rpm V8

「Fuoriclasse(桁外れの存在)」と評されるテメラリオは、サンタアガタ・ボロネーゼでゼロから設計・開発されたV8ハイブリッド・パワートレインを搭載。

  • 10,000 rpmの超高回転域: テメラリオに搭載されるV8は量産スーパースポーツカーエンジンとして唯一、10,000 rpmの超高回転域に到達可能なユニット。このエンジニアリングの偉業は、ターボチャージャーを備えながらも自然吸気エンジンに匹敵するレスポンスと陶酔的な高周波サウンドを実現するための「究極の軽量化と高精度な設計」の賜物です。
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2.3. ウルス SE:800 CV PHEVが変えるスーパーSUVの定義

Urus SEは、800 CVのPHEV(プラグイン・ハイブリッド電動車両)パワートレインを採用し、スーパーSUVセグメントの頂点を再定義する「スーパーSUV」。

  • 性能と効率の両立:新しいデザイン、最適化された空力性能、先進のオンボード技術により、快適性、性能、効率が向上。排出ガスの大幅な削減と、最大速度312km/h、0-100km/h加速3.4秒という驚異的な運動性能を両立させています。
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3. ブランド戦略:Ad PersonamとCentro Stileが支える100%イタリアの哲学

ランボルギーニの成功は、単なる技術力だけでなく、顧客体験の極限への追求にあり、ここでは様々な展示も行われたようですね。

3.1. Ad Personam:究極のパーソナライゼーション

「Ad Personam(アド・ペルソナム)」部門は、顧客の要望に応じた無限のパーソナライゼーションを提供するプログラムであり、イベントで発表された「テメラリオ アドペルソナム 20thアニバーサリー(Revuelto Ad Personam 20th Anniversary)」はその象徴としての存在です。

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  • 特別仕様の意義:中国市場で人気の色である「Giallo Inti(イエロー)」を採用し、繁栄と威信を象徴。
  • インテリアには、新しい「L」モノグラム・パターンやイエローのパイピング/ステッチが施され、ブランドの伝統をモダンに再解釈するという哲学が反映。超高級車のオーナーにとって、「唯一無二であること」は「機能の最適化」と同等の価値を持ち、ランボルギーニは各オーナーのクルマに排他性をもたせることでオーナーの満足度、そして車両の価値との両方を向上させ量としているのだと思われます。
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なお、今後この「L(おそらくはLamborghiniの”L”)が今後幅広く活用されるのかは不明です。

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「中国」というと「赤」を連想しますが、その国旗にも「黄色」が使用されていることでもわかるとおり、中国は(ランボルギーニがいうように)イエローを好む傾向があり、現地で聞いたところでは「中国国旗の黄色」の黄色部分は「黄色人種」を表し、広く黄色が好まれるのは「かつて、明るい黄色は皇帝しか着用が許されなかった高貴なカラーだから」なのだそう。

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3.2. チェントロスティーレ(Centro Stile):デザインDNAの継続的進化

今年20周年を迎えたランボルギーニのデザイン部門「Centro Stile」は、ランボルギーニの「紛れもないデザインDNA」を未来へと繋ぐ役割を果たします。

彼らの紡ぎ出すデザイン言語は超高速域での空力性能と美学を融合させ、機能美を追求する特殊車両設計にも通じる理念です。

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4. 結論:次世代高性能車両のロードマップ

このランボルギーニの中国20周年記念イベントは、同社が「Direzione Cor Tauri(コル・タウリ戦略)」の下で持続可能性とパフォーマンスを両立させるという明確なロードマップを示すもの。

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電動化を高性能化の手段と捉え、テメラリオに積まれる「10,000 rpmまで回転するV8エンジン」に代表される内燃機関技術の極限、そしてレヴエルトのHPEVに見られる電動化技術の最先端を並行して追求する姿勢がここで改めて提示され、超高性能車両セクターにおける次世代の技術的基準を示すイベントになったのだと考えて良さそうです。

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