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中国にはこんな車が走っている:自動運転車両や武装車両、全然知らない現地メーカー車など。スポーツカーやスーパーカー、超高級車の姿は少なくセダンが圧倒的多数

中国にはこんな車が走っている:自動運転車両や武装車両、全然知らない現地メーカー車など。スポーツカーやスーパーカー、超高級車の姿は少なくセダンが圧倒的多数

| 全般的に北京を走るクルマは「地味」である |

北京汽車、BYDのシェアが高く、ジャーマンスリーは「衰退気味」

さて、今回は中国「北京で見かけたクルマ」。

全体的な印象としては、建物や人々と同じく「保守的」という印象で、これは「きらびやかな国際都市である上海」とは異なり、北京が「歴史を重んじる伝統の都市」であるからなのかもしれません。

よってスポーツカーやクーペは「ほぼ皆無(一回だけピンクのポルシェ・ボクスターを見たくらい)」、路上を走る多くのクルマは「セダン」、それに次いでミニバンとSUVといった印象です(コンパクトカーも意外と少ない)。

さらにボディカラーはブラックが多く、そのほかメタリックグレーにホワイトという非常に地味な選択肢で占められているようですね。

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北京ではこんなクルマが走っている

そこで北京を走るクルマを見てみると、まずこちらは中国の振興EVブランド「AVATR(アバター)」。

BMW出身のデザイナーを迎えアグレッシブなデザインを展開することで知られますが、北京だけではなく中国の幅広い地域でよく見かけるブランドです。

なお、現在中国の自動車メーカーに多くの欧州著名ブランド出身のデザイナーが在籍していますが、その理由は(中国の自動車メーカーが大枚はたいて引き抜く他に)「デザイン的自由度が高いから」。

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たとえば、欧州の自動車ブランドでは「フロントはこうでなくてはならない、全体の比率はこうでなくてはならない」ということなどに加え、「これはやってはいけない、あれもやってはいけない」という制約が多数あり、よって自身のクリエイティビティを発揮できないこともある、とされています。

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一方で中国の自動車メーカーには「伝統」がなく、よって縛られる「過去」も存在しないため、自由にデザインでき、自分で未来を作ってゆくことができるという環境の差があるようですね(そしてこの差はデザイナーという「創造的な」人種にとって、小さいものではない)。

このほかよく見かけたのは「MAPLE」なるブランド(全然知らない)。

見たところ、わりと一般的な、普及価格帯のクルマという印象です。

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そしてこちらはファーウェイのクルマ。

ターコイズのランプが点灯していることから「自動運転(自律運転)中」だと推測されます。※このほか、高速道路では自動運転中のクルマは少なくない

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ファーウェイのクルマはけっこう人気があるようで、こちらはまた別モデル。

テールランプにピクセルによる絵を表示することができ、これは「アライグマ」のようなグラフィックを表示しているところ(画像だとわかりにくいが、肉眼では容易に認識できる)。

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ちなみにこの「緑ナンバー」は中国で言うところの「新エネルギー車(NEV)」に対して付与されるもので、NEVとは「プラグインハイブリッド、BEV、FCEV」を指しています。

この緑のプレートは「すぐに交付される(ガソリン車用の青地プレートは発行枚数が制限され、なかなか手に入らない)」、そして車両自体も「減税など優遇措置がある」そうですが、実際に路上を走るクルマは感覚値的に「60%くらいが青色プレートのガソリン車」。

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シャオミのクルマはさほど多くはなく、しかし実車を見るとなかなかの格好良さ(画像で見るのとはずいぶん印象が異なる)。

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BYDの「(”秦”などの)王朝」シリーズはかなりメジャーなモデルです。

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タクシーはボディサイドに「イエローのライン」が入っているのが特徴(その上下のカラーにはグリーンやパープルなどがある)。

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こういったクーペとセダンとSUVとの中間のようなスタイルは非常に人気があり・・・。※現地のタクシーアプリにて手配したクルマであるが、けっこう乗り心地はよかった

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北京では警察車両も多種多様

同じ車両は警察車両にも採用されています。

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なお、警察車両には様々な種類があり、こちらは超ハードコアモデル(警察にもも「特警」「武装警察」「交通警察」など様々なバリエーションがある)。

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こちらは北京汽車のBJシリーズを警察車両に転用したもの。

このほか、フォードF-150の警察車両といった変わり種も存在し、全般的には「走破性の高い」クルマが選ばれているように思います。

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北京ではスーパーカー、超高級車はそれほど多くない

なお、北京では超高級車やスーパーカーはさほど多くはなく、滞在中に見かけたのはランボルギーニ・ウルスくらい。

これはやはり「北京には協賛等幹部が多いこと」「共産党内では贅沢禁止令が出されていること」などが関係しているのかもしれず、しかし王府井にはフェラーリやマセラティ、アストンマーティンディーラーが立ち並んでいるので、それなりの市場は存在するのだと思われます。※今回は立ち寄る時間がなかった

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そのほか、他の地域ではあまり見られない紅旗のクルマも結構多く、これはやはり「共産党幹部の多い北京」という首都ならではの現象かもしれません(紅旗は毛沢東の命によって設立された国営ブランドで、共産党幹部向けのクルマだとされている)。

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ウォルドーフ北京の前にも紅旗。

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なお、繁華街にはエレクトリックハイパーカー、SSRが展示されていたり・・・。

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ロールス・ロイスの顧客を狙ったという超高級車、マエストロの展示も。

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参考までに、BMWやアウディ、フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツの姿も少なくはないものの、よくよく見ると「ちょっと前のモデル」ばかりなので、これは「昔はよく売れていたが、今は中国ブランドに押されて販売が減っている」という事実を示唆しているのでしょうね。

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北京ならではの「コミューター」も

そして北京で特筆すべきは「3輪」コミューターが結構多いということ(これは中国の都心部にしては珍しい)。

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このタイプがもっとも多く、後ろから見ると軽自動車のようですね。※結構改造されている個体も多い

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宅配便が利用するのはこんな感じで、古い町並みの狭い路地にも入って行けるので便利そう。

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さらには「原付きの派生」っぽい3輪も。

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このほかテスラも相当に多く、ほかには「漫画塗り」「グラデーション」などのカスタム車両を見かけたもののカメラの用意が間に合わなかったため「撮影できず」。

全般的に「自動車ウォッチ」にかける時間が取れなかったことも残念で、「次回のリベンジ」を期待したいと思います。

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