
Image:LEXUS
| トヨタはかねてより「陸海空」すべてを網羅するモビリティブランドへと成長するという意向を示している |
■ 「モビリティブランド」から「ライフスタイルブランド」へ
レクサスはジャパンモビリティショーにおいて、3台のコンセプトカーを公開していますが、真の目玉はその背後にある「ビジョン」。
同社が掲げたのは、「マルチモーダル・ラグジュアリービジョン」=陸・海・空を包括する“限りなきラグジュアリー体験”の創造で、この構想は、レクサスがクルマメーカーの枠を超え、「移動」そのものを軸としたライフスタイルブランドへ進化することを意味しています。
■ 海:クルー不要の“自律航行カタマラン”──レクサス・カタマランコンセプト
Image:LEXUS
まず目を引いたのは、レクサスが公開した自律航行型カタマラン(双胴船)コンセプト。
このヨットは、レクサスがこれまで展開してきた「LYシリーズ」の延長線上に位置しながらも、完全自動航行を実現した未来型の高級艇となっています。
- 風を捉えるリジッドウィンドセイル(硬質帆)にはソーラーパネルを内蔵
- 広大なリアデッキと、曲線を活かした開放的インテリア
- 8人が着席できるラグジュアリーなダイニングスペース
- 乗組員を必要としない完全クルーリス設計
海上をプライベートに航行できるこのヨットは、まさに“究極の孤高の移動空間”といったところですね。
Image:LEXUS
- 
																								  
- 
															その価格7.7億円、レクサスの超高級ヨット「LY680」が受注開始。「富裕層が海の真ん中で素の自分になれる、そんな隠れ家を目指しました」【動画】| レクサスは今後、様々な手段によって富裕層をサポートするビジネスを展開するものと思われる | いったいこれまでにレクサスのヨットがどれくらい売れたのかがちょっと気になる さて、レクサスがラグジュアリ ... 続きを見る 
■ 陸:建築デザインに踏み込む「レクサス・ハウス」構想
次に発表されたのが、レクサスが手がける住宅コンセプト「Lexus House(レクサス・ハウス)」。
モビリティブランドが住宅を提案するという挑戦的な試みであり、これは“走る空間から暮らす空間へ”というブランド哲学の拡張です(ただ、トヨタは「トヨタホーム」というグループ企業を持っているので、このレクサス・ハウスも荒唐無稽な話ではない)。
Image:LEXUS
建物はシンプルな直線構成と、地元産木材を使った温かみのある素材感で構成されていることがわかります。
- 天井高を確保した開放的な構造
- 大面積のガラス窓による自然光の導入
- オープン設計で“空間の流れ”を重視
- 最上階には愛車を飾るショーケーススペースを配置
その外観はまるでジェームズ・ボンド(007)映画のヴィラン邸宅を思わせる大胆な造形で、レクサスが“建築美学”に踏み込んだ象徴的なプロジェクトといえそうですね。
Image:LEXUS
室内はこう。
Image:LEXUS
プールもあって・・・。
Image:LEXUS
部屋からはガレージを眺めることも可能です。
Image:LEXUS
さらにはヘリポートも。
Image:LEXUS
- 
																								  
- 
															ポルシェ、ブガッティ、メルセデス・ベンツ、アストンマーティン、そしてパガーニまで。なぜプレミアムカーメーカーはこぞって不動産やタワーマンションビジネスへと参入するのか?| さらにはランボルギーニも不動産事業に参入、一方でフェラーリは今のところここに手を伸ばしていない | オーナーにとっては「そのブランドの世界観に浸れる」またとない機会であるようには思われるが さて、 ... 続きを見る 
■ 空:レクサス・ハブ──“移動する人”のための未来型コミュニティ
そして三つ目の要素が、都市と人をつなぐ未来的複合施設「Lexus Hub(レクサス・ハブ)」。
Image:LEXUS
このハブは単なるショールームではなく、食・芸術・保育・サービス・交通を一体化したマルチコミュニティ拠点として構想されており、特徴は以下の通り。
Image:LEXUS
- レクサスの象徴「スピンドルグリル」をモチーフにした建築デザイン
- サステナブルな再生木材を使用
- 透明な屋根構造により自然光を最大限に活用
- Joby(空飛ぶタクシー)向けランディングパッドも併設
つまり、ここは“地上と空をシームレスに接続する”新しいラグジュアリー移動拠点ということになりそうですね。
Image:LEXUS
ちなみにトヨタは「空飛ぶクルマ」開発企業、ジョビー・アビエーションに出資しており、その流れを「レクサスにつなげる」のだと思われます。
Image:LEXUS
そしてレクサスハブにはもちろんヘリポート。
Image:LEXUS
- 
																								  
- 
															トヨタが出資する米ジョビー・アビエーションが日本にてeVTOLの形式証明を申請!認可されれば「空飛ぶクルマ」の商用飛行へと一歩近づくことに| このままゆけばトヨタが自動車業界では「空飛ぶクルマ」実用化第一号に | ただし運用に向けてのハードルはまだまだ残されている さて、トヨタ等が出資する電動垂直離着陸機(eVTOL)開発会社、ジョビー ... 続きを見る 
■ 考察:レクサスが目指す「移動=体験=生き方」の再定義
これらの発表が示すのは、レクサスが単にクルマを売るブランドではなく、「時間と空間の使い方そのものをデザインする存在」に変わろうとしていること。
- クルマ:LSコンセプトで“移動の上質化”
- 海:カタマランで“孤高の体験”
- 家:Lexus Houseで“暮らしの美学”
- 都市:Lexus Hubで“社会との接点”
Image:LEXUS
この“マルチモーダル構想”は、ランボルギーニやアストンマーティンがラグジュアリーマンションルやボートを展開する流れとも一致し、レクサスが真のグローバルラグジュアリーブランドへと進化する布石となりそうです。
Image:LEXUS
なお、レクサスの「ヨット」「ハウス」はとうてい手が出ませんが、今回発表されたセクサスのコンセプト群の中で唯一購入できるかもしれないと思わせたのがこのパーソナルモビリティ、LEXUS LS Micro Concept(レクサス LS マイクロコンセプト)」 。
Image:LEXUS
フラッグシップモデル「LSコンセプト」(6輪のラグジュアリーミニバン)と対になる、ラストマイル(最終的な目的地までの短距離移動)を想定した小型の一人乗り自律走行車。
Image:LEXUS
プライベートな空間を提供し、LSオーナーが長距離移動後に静かで快適な状態で最終目的地へ移動するための手段として提案されています(その意味ではこれもまた新しいLSのコンセプトに合致した、ラグジュアリーなスペースである)。
Image:LEXUS
【まとめ】
- レクサスがジャパンモビリティショーで「陸・海・空」をテーマにしたビジョンを発表
- 自律航行ヨット「カタマランコンセプト」で究極のプライバシー体験を提案
- 建築分野に踏み込んだ「Lexus House」で“暮らしのデザイン”を展開
- 都市機能を集約した「Lexus Hub」は空飛ぶ車社会も見据える
- クルマの枠を超え、“生き方をデザインするブランド”へ進化中
あわせて読みたい、レクサス関連投稿
- 
																								  
- 
															どこへ行くレクサス!高級ヨットを発売した後、「次は空だ。陸海空を制覇する」。航空宇宙産業部門を持つスバルと提携しジェット機を発売?| トヨタは総合モビリティブランド、そしてレクサスはライフスタイルブランドへとシフト | レクサスは先日、ブランド初のラグジュアリーヨット「LY650」を発表していますが、同時に「ライフスタイルブラン ... 続きを見る 
- 
																								  
- 
															なぜ自動車メーカーのデザイナーは「宇宙」を夢見るのか?そこで「フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、レクサス」など各自動車メーカーの宇宙船をAIに作ってもらってみた| ボクにとっても「宇宙」はひとつの夢である | 想像力豊かなデザイナーが「未開の領域」に興味を示すのも当然と言えば当然である さて、ここ最近クルマのデザインが(ひところのリバイバルブームが落ち着き) ... 続きを見る 
- 
																								  
- 
															レクサスが「月におけるモビリティ」を公開!月面車から宇宙船まで揃うも”あの手この手で”スピンドルグリルを再現したデザインを見てみよう| レクサスは今後スピンドルグリルを3D化したり車体構造に取り入れることになりそうだ | レクサスがアート&ファッションマガジン、ドキュメント・ジャーナル15号の企画にて、「月におけるモビリティ」と題 ... 続きを見る 
参照:LEXUS





























