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| ホンダ、EVスポーツカーを複数開発済みと明言 |
ホンダはどこかで「サプライズ」発表を行うことになるのかもしれない
ホンダはジャパン・モビリティショー2025にて、新型EV SUVだけでなく、プレリュード(Prelude)、バイク、ビジネスジェット、さらにはロケットまでを展示し注目を集めましたが、今回のショーの真の見どころは「その裏側にあった」というニュース。
報道によると、カーメディアを交えて行われたラウンドテーブル・インタビューにて、ホンダCEOの三部敏宏氏は今後の「スポーツカー」戦略について語ったことが明らかになっています。
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「社内ではすでに多数のスポーツカー試作車を完成済み」
まず三部氏はインタビューの中で、次のように述べ・・・。
「ホンダはすでに社内で多くのスポーツカーのプロトタイプを完成させています。」
しかし、それらがまだ公にされていない理由は“世界がまだ準備できていないから”と続けます。
これらの試作車はいずれもEV(電気自動車)として開発されており、ご推察のように、市場全体の電動化の進み具合が発売の判断材料になっているというわけですね。
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実際のところ、ホンダは第2世代のNSXにおいて「ハイブリッドパワートレーンの早すぎた市場投入」による苦渋をなめており、同じ失敗を繰り返してはならないということなのかもしれません。
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「市場の電動化の鈍化」が計画を左右している
加えて三部氏は次のようにもコメントし・・・。
「市場における電動化の進行が鈍化している現在、これらのEVスポーツカーをいつ市場に投入すべきか、判断が難しい状況です。」
ホンダはすでに2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げていて、2040年までにはすべての車種をゼロエミッション化する方針です。
しかし世界的にEV化の流れが一時的に減速していることから、EVスポーツカーの「デビューじき」が慎重に見極められているのだということになりますね。
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「NSX生産終了後も、スポーツカーは重要な存在」
EVへのシフトが進む中でも、三部氏はホンダにおけるスポーツカーの重要性を改めて強調し、この発言からもホンダがスポーツカー文化そのものを捨てていないことが明確にうかがえますが、これを裏付けるのが「F1参戦」という事実。
「スポーツタイプのクルマはNSXの生産が終了したものの、モータースポーツ活動と並んで非常に重要な領域です。」
F1参戦を通じて「電動化技術の優位性」を証明へ
三部氏はホンダが2026年からアストンマーティンF1チームへワークスエンジンを供給することに触れ、この新世代F1パワーユニットは内燃エンジン50%、ハイブリッド50%の構成を持ち、さらには100%合成燃料(e-fuel)を使用するというもの。
「来年のF1では、このパワーユニットを用いてホンダの電動化技術を実証します。
それにより、EVスポーツカーを市場投入する適切な時期を見極めたいと考えています。」
つまりホンダは、F1という最高峰の舞台を“実験場”として活用し、電動スポーツカー開発へフィードバックしていく構想(そして市場の反応を見つつ適切な投入時期を見極める方針)を持っているということになりますね。
そしてホンダのパワートレーンが成功を収めることになれば、そのタイミングがすなわち「ホンダの新型エレクトリックスポーツカー発表のタイミングそのもの」となるのかも。
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現状での“最もスポーティなホンダ”とは
現在販売中のホンダ車の中で「最もスポーティ」なモデルはシビック・タイプR、そしてモビリティショーで発表された新型プレリュード。
ただし、三部氏も認めているようにプレリュードは本格的なスポーツカーというよりも「GT寄り」のモデルです。
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ファンの間では依然として「S2000復活」への期待が根強く残っていますが、現時点ではその具体的な計画は明らかにされておらず、ホンダが完成させているという「複数のスポーツカー」試作車については非常に気になるところではあるものの、エレクトリックスポーツはどうしても価格が高額になってしまうため、NSX相当のクラスであると考えるのが妥当なのかもしれません(つまりコンパクトクラスのEVスポーツは望めないであろう)。
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【まとめ】ホンダのスポーツスピリットはまだ生きている
EV化が進む中でも、ホンダはスポーツカーというDNAを失っておらず、すでに複数のEVスポーツカーが試作段階にあり、F1でのハイブリッド技術実証を経て再び“本物のホンダ・スポーツ”が帰ってくる可能性も。
その日がいつになるのかはわかりませんが、「そう遠くない将来」であると信じたいところでもありますね。
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参照:Carbuzz
















