
| ただしこれはガソリンエンジンそのものの「終わり」を意味するわけではない |
記事のポイント(3行まとめ)
- 歴史的な逆転劇: 2025年12月、欧州連合(EU)市場でEVのシェアが22.6%に達し、ガソリン車(22.5%)を初めて上回った
- 安価なEVの台頭: ルノー5 E-Techやシュコダ・エルロックなど、3万ユーロ前後の「手頃なモデル」が普及を強力に後押し
- HVが市場の覇者に: 通年ではハイブリッド車(HV)が34.5%で首位。欧州の買い手は「脱・純ガソリン車」へ完全に舵を切った
欧州では「純ガソリンエンジン」の時代が幕を閉じる
「電気自動車(EV)の失速」というセンセーショナルな見出しを耳にすることが増えましたが、最新のデータはその「嘘」を暴いています。
2026年1月27日に欧州自動車工業会(ACEA)が発表した統計によると、2025年12月の欧州新車市場において、電気自動車(EV)の販売台数がガソリン車(純内燃機関車)を初めて追い越したことが明らかになっており、これは100年以上続いた「ガソリン車メイン」の時代が欧州において実質的に幕を閉じたことを象徴する歴史的なマイルストーン。
なぜEVは再び息を吹き返したのか。その要因と、最新の販売ランキングを詳しく見ていきましょう。
12月に起きた「0.1%」の劇的ドラマ
ACEAのデータによれば、昨年12月のEUにおけるEVシェアは22.6%。
対するガソリン車は22.5%であり、わずか0.1ポイントの差ではありますが、英国やEFTA(ノルウェー、スイス等)を加えるとEVのシェアは26.3%まで跳ね上がり、ガソリン車(21.7%)を大きく引き離しています。
一方、かつて市場の半分を占めていたディーゼル車のシェア7.7%まで転落し、かつての「ディーゼルゲート」以降、その衰退は止まる気配がないことも明確となっています。
2025年 欧州パワートレイン別シェア(通年)
2025年を通して見ると最も売れたのは「ハイブリッド車」で、このトレンドに追従する形にて、ポルシェやベントレーなどのプレミアムブランドも「当面はハイブリッドを中心とした展開を行う」という姿勢を示していますね。
欧州新車販売シェア一覧(EU+UK+EFTA)
| パワートレイン種別 | 市場シェア | 2024年比 |
| ハイブリッド (HV) | 34.4% | 増加(市場1位) |
| ガソリン (ICE) | 26.1% | 6.9%減少 |
| 電気自動車 (EV) | 19.5% | 4.1%増加 |
| プラグインHV (PHEV) | 9.6% | 歴史上初めてディーゼルを逆転 |
| ディーゼル | 7.7% | 急減中 |
車種別:テスラを追い詰める「欧州勢」の反撃
2025年のEV車種別ランキングでは、テスラ・モデルYが首位を守ったものの、その独走体制は揺らいでいます。
2025年 欧州EV販売台数トップ5
- テスラ・モデルY: 151,331台(前年比28%減)
- シュコダ・エルロック: 94,106台(急浮上の2位)
- テスラ・モデル3: 86,261台
- ルノー5 E-Tech: 81,517台
- フォルクスワーゲン ID.4: 80,123台
特に注目すべきは、フォルクスワーゲングループの躍進で、ブランド別のEV販売では、フォルクスワーゲンが長年君臨したテスラを抜き、欧州No.1のEVブランドへと返り咲くことに。
市場での位置付け:鍵は「3万ユーロ(約480万円)」の壁
今回のEV逆転劇を支えたのは、これまで「高価すぎる」と敬遠されていたEVに、ようやく「普及価格帯モデル」が登場し始めたこと。
「ルノー5」や「シュコダ・エルロック」といった、2万8,000ユーロ〜3万3,000ユーロ前後のモデルが市場に投入され、これによって一般消費者が「ガソリン車の代わりにEVを選ぶ」という選択が現実味を帯びています。
参照:Renault
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さらに、中国メーカーによる「安価で高性能なEV」の流入が欧州メーカーに価格競争を促し、結果として消費者にとっての選択肢が爆発的に増えたことが、今回の逆転に繋がっているようですね。
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結論
「EVの冬」という言葉は、欧州においてはもはや過去のもの。
2025年12月の逆転劇は充電インフラの整備と車両価格の低下が合致した結果です。
2026年には、さらに安価な「ID.ポロ」やルノー「トゥインゴ」の新型EVも控えており、この勢いがさらに加速することは間違いなく、ガソリン車が「特別な趣味の車」になり、EVやHVが「当たり前の選択」になる未来が、今まさに欧州で始まっているのだと考えていいのかもしれません。
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参照:Motor1

















