| 以前に提携した「LoveFrom」との成果がまさかこんなところで、そしてこんな形で発揮されるとは |
フェラーリは発のEV「ルーチェ」をこれまでのフェラーリとは完全に違う乗り物として出してきた

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さて、フェラーリが予定通り新型EV「エレットリカ」の内装を公開。
なお、これまで呼称されていた「エレットリカ」は仮の名称であることが示唆されていましたが、実際に今回、新型EVの名称が「ルーチェ(LUCE=イタリア語で光)」となることも正式にアナウンスされています。
ちなみにですが、今回の情報公開はニューヨーク証券取引「時間内」に発表されており、つまりフェラーリは「相当に自信がある」のだと考えられます。※投資家が少しでも懸念を感じるような内容だと、通常は(トヨタの社長交代のように)取引時間外に発表されるものであるが、フェラーリは堂々と取引時間内に発表しているので、ポジティブな反応を得られると踏んだのだと考えられる
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その内装は「LoveFrom」との共同開発
このエレットリカ改め”ルーチェ”については昨年10月にプラットフォームとパワートレーンが公開されていて、その次は(今回の)内装、そして5月にフル公開という「3段階の」スケジュールにて発表がなされることについてもあらかじめ言及済み。
そして今回「予定通り」にインテリアが公開されたところを見ると、開発は順調に進んでいるものと思われます。
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そして今回リリースされた画像および情報を見るに「驚きの連続」で、まずそのデザインはフェラーリのデザインスタジオ「チェントロスティーレ」単独によるものではなく、ジョナサン・アイブとマーク・ニューソンが率いるデザイン・クリエイティブ集団「LoveFrom」との共同デザインということ。
フェラーリはこのLoveFromと2021年9月に長期的なクリエイティブ契約を締結していますが、この契約内容は「デザイン」のみではなく、「ブランドの未来像」「デザイン言語」「ラグジュアリーの再定義」にも及ぶと報じられています。
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ジョナサン・アイブとは何者ぞ
そしてジョナサン・アイブはかつてアップルにてデザイン責任者を務め、スティーブ・ジョブズの右腕とまで言われた人物で、「企業の中ではなく、もっと純粋に“人のためのデザイン”を行いたい」との想いから2019年にアップルを退社してこの「LoveFrom」を設立することに。
なお、退社後もアップルとの関係性はしばらく続き、アップル製品のデザインやディレクションを(2022年頃まで)手掛けたことでも知られます。
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ちなみにこのジョナサン・アイブは「iMac」をデザインした人物でもあり、そのほかにもiPod、iPhone、iPad、Apple Watch、MacBook(ユニボディ)を手掛けていて、つまるところアップルの現在のデザイン的基礎を作り上げたその人ということに。
参考までに、「世界で初めて」アップルカープレイを搭載した自動車メーカーはフェラーリなので、アップルとフェラーリとは何かと縁が深いのかもしれません。
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そしてフェラーリ・ルーチェの内装においても、「アルミ削り出しのステアリングホイール(のスポーク)やスイッチ類が採用されており、このあたりは完全に「予想外(そしてアップル的)」。
もしかすると、これらはアウディがやりたかったことに近いんじゃないかとも考えていて、アウディのデザインチームは今頃「やられた」と思っていそうですね。
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ルーチェのインテリアにつき、基本的に現行のフェラーリと共通するデザインやパーツは「(フェラーリのエンブレムを除くと)一切」無いようで、一見すると「レトロ」、しかし高品質な仕上げは(ありきたりな表現ですが)「芸術品レベル」、かつ「アナログ的」。※実際に、ステアリングホイールやメーターなどは過去のフェラーリにインスピレーションを求めている
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「フェラーリ初のEV」ということもあり、テクノロジー感満載の未来的なインテリアを予想していたぼくにとっては完全に「裏切られた」内容となっているものの、それは「いい意味」においてであり、正直「ちょっと欲しいな」という気持ちが生じています。
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なお、センターのディスプレイ右上にある時計のようなもの(マルチグラフと名付けられている)は「本物のアナログ」で、「クロック」「クロノグラフ」「コンパス」「ローンチコントロール」へと切り替わり・・・。
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ステアリングホイール奥の3連メーター左下にあるオドメーターは昔懐かしの「ドラム風(3連メーターの真ん中も”アナログ針”を備える)」。
およそほとんどのメーカーが「EVにはフルデジタル」という姿勢で臨んでいるものの、フェラーリは発のEVを「ガソリン車よりもアナログ」に仕立て上げたところに「やられた」という思いです。※メーター内のフォントすら新デザインを採用
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マーク・ニューソンとは
そしてもう一方のマーク・ニューソンはLoveFromの共同設立者で、同社では「ジョナサン・アイブ=哲学と構造」、「マーク・ニューソン=造形と未来感」を受け持つという役割分担。
作品としては食器、家具、バイク、腕時計(アイクポッド)、そして船舶など非常に幅広く、特徴としては「物事の境界をなくしてしまう」というコンセプトを持っていて、「表と裏」「機械と生物」「工業製品とアート」といった境界を「消失(融合というよりは消失という言葉のほうが適切だと考えている)」させることに長けています。
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今回のルーチェにおいてもそれはいかんなく発揮されており、デザインが極限までシンプルに、そして「機能と操作」がシームレスに統合しているようにも。
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ただ、デザインはこれまでのフェラーリとは全然違うものではありますが、「マネッティーノ」などのおなじみの機能は「姿を変えて」統合されているようですね。※デジタルではなく物理スイッチである
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なお、フェラーリのチェントロ・スティーレのボス、フラビオ・マンゾーニ氏も「隠す」ことでシンプルな外観を演出し、「クルマをクルマのように見せない」というコンセプトと持っているため、ジョナサン・アイブ、そしてマーク・ニューソンとは非常に相性が良いのかもしれません。
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ちなみにキーは現在のものをさらに進化させたような雰囲気で・・・。
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センターコンソールに合体する構造(ドッキングによってシステムが起動するようだ。そしてキーに採用されるイエローがスイッチに移動し、同時にキーがブラックアウトするという視覚的効果を持っている。キーにはEインクが採用されている)。
ちなみにフェラーリはルーチェの製品ページに「イエロー」を多用していて(ぼくが知る限り、もっとも高い熱量と内容を持つフェラーリの製品ページである)、もしかするとこれまでの「モータースポーツ由来のロッソ」とは別路線を行くという意味にて、ルーチェにはこのイエローを積極的に採用してゆく予定なのかもしれません。※イエローもまた、フェラーリと深いつながりのあるカラーである
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そしてちょっと興味深いのは、頭上にローンチコントロールスイッチが備わることであり、これは以前にフェラーリが特許申請していた機構そのもの。
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そしてもうひとつ、この「可動式モニター」もまた特許出願がなされていたもので、このルーチェには様々な「新機軸」が盛り込まれており、もしかするとこれらの他にも「これまでに特許として出願されたもの」が採用されているの可能性も。
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こんな感じで「驚きの連続」なのがこのルーチェというわけですが、正直なところ「このまま電動化を進めて大丈夫かフェラーリ・・・」と心配していた気持ちを一気に吹き飛ばしてしまうほどの内容を持っており、5月のフル公開が待ち切れない、といった感じですね。
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実際のところ、このルーチェは「フェラーリをEV化した」だけのクルマではなく、「まったく新しい乗り物を、ゼロベースから考えて構築した」のだと考えるのが妥当であり、「パーソナルコンピューターでありながらも、完全にパーソナルコンピューターとは異なる製品であった」iMacの再来となりそうな予感すらもたらしてくれるように思います。
参考までにフェラーリCEO、ベネデット・ビーニャ氏は自動車業界には珍しい、「自動車業界以外の出身者」。
エレクトロニクス業界からの転身であり、自動車業界生え抜きでないからこそ、「既存のクルマ」を超越した考え方を導入できたのかもしれません。
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