カナダはアルバータ州に住む男性が「44年間の盲目から」手術によって回復し、シボレー・コルベットを購入したというニュース。
この男性、名をマイク・シケロフスキーさんといい、生後11ヶ月で遺伝的疾患によって視力を失いはじめ、数年後には完全に失明することに。
マイク・シケロフスキーさんはそれでも逆境に負けず、盲目ながらも普通の学校に通い、スポーツにも挑戦したといいます。
「ぼくは、人生を通じて盲目を受け入れることをしなかった。絶対にスローダウンしないと決めたんだ。常にできる限り、最大限の努力をしてきた」。
クルマの運転だけはどうにもならない
そんなマイクさんですが、どうしてもできなかったのが「クルマの運転」。
もちろん法的に運転免許を取得できなかったからですが、そのため自動車の運転は奥さんの役割だったようですね。
その後2017年にマイクさんはロバート・ランジュという医師と出会って、視力を回復させることができる手術の存在を知ることになり、迷わず手術を受けることを決意したそうですが、40歳オーバーという年齢には「リスクが伴う」と医師から忠告されるも、持ち前のチャレンジ精神を発揮してリスクと向き合うことに。
その結果として見事視界を回復して何もかもがクリアに見えるまでに回復し、手術後に行ったレストランにて「今まで自分が食べていたものの形」を初めて知る、という経験もしたそうです。
なお、手術によって「はじめて妻(美人)の顔を見た」と述べていますが、このときにどんな感情を持ったのかも気になるところ。
ちなみに見るもの全てが新鮮なのは当然で、「人の眼」が珍しく、他人の目をずっと見ていてトラブルになったこともあるのだそう。
とにかく何もかもが美しく、今まで”見えなかった”40年以上はどれだけ損をしていたかと悔しく思うと同時に、これからの人生に対して希望をいだいている、と語っています。
免許を取って買いたかったのが「コルベット」
その後マイクさんは自動車の運転免許を取得し、はじめて買ったクルマがシボレー・コルベット・グランスポーツ(レーシングイエローで、しかも改造されている)。
このクルマを買うことで、「はじめて子供と一緒に、自分の運転でドライブできた」とも語っていますが、「磁石のように警察を引き寄せる」ので困っているという一面もあるようです。
ただ、マイクさんは、自分自身をして「チャレンジングだが、ギャンブルをしない」とも評しており、つまり無謀運転や違法行為、もちろんスピード違反も一切しない、と語っています。
「なぜなら、ほんの一瞬の楽しみのためだけに、この幸せを壊したくはないから」。
実在する「盲目のドライバー」も
なお、盲目ながらもスピードに魅せられた人々、そして挑戦する心を失わない人々もおり、こちらはチューンされた日産(R35)GT-Rにて、時速300キロをマークしたマイク・ニューマンさん。※動画では盲導犬と一緒に登場していますが、さすがに盲導犬は同乗していない
ちなみにマイク・ニューマンさんは「世界最速の盲目ドライバー」として知られ、BMW M5にて時速268キロを記録したことも。
そしてこちらはおそらく現在最速、ランボルギーニ・ガヤルドにて時速308キロを突破したルク・コステルマンズ氏。
参照:CBC