| ドラッグレーサーにもエレクトリックの波がやってきた |
フォードが定期的に発売する公式ドラッグレース専用車両、マスタング「コブラジェット」(2年おきくらいに発売されているっぽい)。
初代コブラジェットは1968年に登場し大きな成功を納めていますが、今回発表されたコブラジェット1400もまた、これまでのモデル同様に初代コブラジェットへのオマージとなります。
ただし最新コブラジェットにおける最大の特徴は「初のフルエレクトリック」であるということ。
まさに時代を反映したものだと言えそうですが、フォードパフォーマンスとMLeレースカーズ、ワトソン・エンジニアリング、AEM EV、カスカディアとのタイアップによって実現したとされ、今後のエレクトリックレーシングカーはそれを作るファクトリーについても(これまでの老舗とは異なる)「新世代」ということになりそうです。
その出力は1420馬力
そして驚くべきはその出力で、なんと「1420馬力」。
ゼロヨンタイムは8秒前半、終速はじつに274km/hに達する、とアナウンスされています。
現段階ではプロトタイプが製造されたにとどまるものの、今年後半のレースイベントではデモンストレーションを行うといい、その走りが期待されるところ。
現段階ではこの”コブラジェット1400”が市販されるかどうかについて言及されておらず、しかし2016年、2018年にも(ガソリンエンジン搭載の)コブラジェットが発売されていることを鑑みるに、今回のコブラジェット1400もごく少数ながら発売されてもおかしくはなさそう(2018年モデルのコブラジェットの限定台数は68台/1500万円)。
-
見た目からして猛毒注意。ドラッグレース専用マスタング、”コブラジェット”登場。限定68台、価格は1500万円
| フォードがドラッグレース専用マスタングを発売 | フォードが2018年モデルのマスタング「コブラジェット」を発表。ドラッグレースにおいてはダッジ・チャレンジャーSRTデーモンのライバルとなりますが ...
続きを見る
なお、このコブラジェット1400は「まっすぐ走ることしか考えていない」クルマでもあり、リアにはウィリーバーにパラシュート付き。
アメリカ以外ではまず作られないだろうという類のクルマではありますが、これまでのコブラジェットは一瞬で「完売」しているので意外と需要があるということになります。
なお、このマスタング・コブラジェットとよく似た類のクルマとしてはシボレーCOPOカマロが存在していて、こちらもまた公道を走行できないドラッグレーサー。
マスタング・コブラジェットが登場した直後の1969年に初代が登場しており、ここ数年連続して「69台限定にて」一般向けとして発売されています。
-
今年のシボレーCOPOカマロは過去最高レベルにカッコいい!ワンオフモデルを筆頭に、ヘリテージカラーが選べる2020年モデルが69台限定で発売
| ただし抽選に当選しなければ購入することは出来ない | 「最強のカマロ」ことCOPOカマロのスペシャルエディションが発表に。ジョン・フォース氏がファニーカーレースにおいて「150回目の勝利」を獲得し ...
続きを見る
さらには、このカマロCOPOにもコンセプトながら(市販はされていない)”eCOPO”なるエレクトリックモデルが存在し、こちらの出力は700馬力。
そしてマスタング・コブラジェットはこの「倍」の出力を持つということになりますが、エレクトリックモデルはガソリンエンジン搭載車とは根本的に出力特性が異なり、「回転数に関係なく最大トルクを絞り出す(ガソリンエンジンは回転数が上がらないとトルク/パワーが出ない)」ため、ドライブトレーンやタイヤなどに強烈に負担がかかりそう。
よって、エレクトリックドラッグレーサーはこれまでの(ガソリンエンジン搭載)ドラッグレーサーとは全く異なる構造を持つことになると思われ、今のところは「発展途上」なのかもしれませんね。
-
ドラッグレース専用”COPO”カマロが今年も登場。69台のみ限定、700馬力のエレクトリックモデルも
| シボレーはCOPOカマロに50周年記念モデルを投入 | シボレーが毎年恒例、ドラッグレース専用の「COPOカマロ2019」を発表。 これは残念ながら、ダッジ・チャレンジャーSRTデーモンとは異なり ...
続きを見る
VIA:Ford Performance