| 販売増加とともに成長ペースはスローダウンするのが定石だが |
それでもテスラは目標達成のために最善を尽くす
さて、テスラは、前年比50%のデリバリーを達成するという目標に向けて動いていますが、その達成のために中国だけではなくカリフォルニア州フリーモント工場、そしてテキサス工場での稼働率を向上させるために中国から生産のエキスパートを招聘したとも伝えられています。
-
テスラがテキサス工場の稼働率を工場させるために中国の管理者を招聘。いつの間にアメリカ人は中国人に教えを請わなくてはならなくなったのか
| いつの間にか中国人は勤勉で知られ、高い品質の製品を生産するように | まさかアメリカ人が中国人に色々と教わる時代が来ようとは さて、先日「テスラ上海工場のスタッフが、同じくテスラのカリフォルニアに ...
続きを見る
一方でこの「前年比50%増」を成し遂げることは非常に困難であろうとも目されていて、しかしアメリカ市場に限ってはこの達成が元日のものとなるのでは、という報道も。
通常、自動車メーカーでここまでの成長を記録することは珍しい
既存自動車メーカーの場合は「ガソリン・ディーゼル」という成熟市場で勝負しているため、通常はテスラのように「50%増し」の成長を記録することは難しく、しかしテスラはEVという新興市場の中で先行者利益を獲得し、多くの不確実性と逆境の中において、ほとんどのブランドをはるかに超える成功を収めてきたわけですね。
ただ、今年は様々な事情が重なりすぎており、最近の多くのメディア報道やアナリストの発言にあるとおり、テスラは今年、50%の成長目標を達成できない可能性があるとみられていて(2022年に直面した課題を考慮すれば、これは驚くことではない)、しかしこれも既報の通り生産可能なほぼすべてのEVを年内に確実に納品できるよう、あらゆる手段を講じているもよう。
テスラが目標を達成するためには、2022年に全世界で140万台以上のEVを販売する必要がありますが、90台を140台にするのと、90万台を140万台にするのとではワケが異なり、しかしテスラは割引の実施、無料宣伝クーポンの配布、乗り換え促進キャンペーンなど様々な手法を駆使しています。
株価対策のため、せめて米国では目標を達成?
なお、直近の報道によれば、テスラが2022年第4四半期に米国で134,000台近くを販売する可能性があり、これは2021年第4四半期から前年同期比で16パーセントの上昇という数字。
2022年の米国におけるテスラの推定販売台数をすべて足すと、合計約52万5000台を米国に納車する可能性があり、これは米国での年間販売台数が48.9%増加するということを意味しているので、ことアメリカ市場に関しては「50%増し」を達成する可能性があるのかもしれません。
テスラは既報の通り株価が大きく下落していて、なんとか「50%増し」を達成することで株価下落に歯止めをかけたい意向だとも報じられていますが、逆に「50%増しを達成できなければ」さらに大きく株価が下がる可能性もあり、これは年明けの発表を待つしかなさそうでもありますね。
合わせて読みたい、テスラ関連投稿
-
テスラは2022年を「上場以来、最大の」株価70%の下落で締めくくることに。その逆風はまさにパーフェクトストーム
| 2022年は様々な事情が重なり、テスラにとってかなりタフな1年だった | そしてこの状況はまだまだ解消しそうにない さて、テスラの株価は上場以来最大の下げ幅(70%)を記録し、最悪の状態で2022 ...
続きを見る
-
テスラの受注残が劇的に減少し20万台を割り、同時に納車期間も大幅短縮。売れていないのか生産能力が向上したのか判断が分かれるところだが、おそらく「両方」だろう
| テスラの生産効力がアップしたのは間違いのない事実であり、あとは正式な納車台数の発表を待ちたいところだ | さらにテスラはメキシコ、カナダに工場を建設するという報道も さて、テスラの受注残が減り、納 ...
続きを見る
-
テスラ3番めの株主がイーロン・マスク氏に対してCEOの辞任要求を突きつける。なおTwitter上にて実施したアンケートでも同氏のツイッターCEO辞任要求が57%に
| どうも最近はテスラに対する逆風が吹き荒れているようだ | 革新的な試みを行う人間はなかなか理解されにくい さて、テスラの個人株主第3位であるインドネシアの大富豪コ・グァン・レオ氏が、イーロン・マス ...
続きを見る
参照:Teslarati