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テスラが第2四半期の決算を発表、80%を占めるEV部門の売上が減って最終利益は45.3%減に。二期連続の減益を受けて株価が下がる

テスラ

| 売上高の減少幅に比較して利益の減少が大きく、おそらくは投資が響いているのだと思われる |

テスラはEV事業以外にも積極的に進出しているが、これらが利益として貢献するのはまだ先のことであろう

さて、テスラが2024年第2四半期(4~6月)の決算を発表し、営業利益が33.1%減、そして最終利益が45.3%減って2四半期連続の減益となったことが明らかに。

この発表を受け、(ある程度この結果は織り込み済みであったと思われるものの)テスラの株価は時間外取引にて下落しており、本日のNY市場では一層の値下がりを記録する可能性もありそうです。

なお、売上高については前年同期比2.3%増となって255億ドルとなっていますが、これはバッテリー事業の販売が伸びたためで、EV事業の売上高は前年同期比でマイナス6.5%という数字だと報告されています。

テスラ・モデル3
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テスラは現在利益を大きく失っている

先般から報じられる通り、テスラは人員削減やいくつかのプロジェクトのシャットダウンによってコストを削減してきたものの、主力(約80%)を占めるEV事業が奮わず、これは昨今報じられる通り、欧州や米国市場でのEV需要の減速、そして主力市場である中国では新興EVメーカーに追い立てられているという状況があるため。

そして販売の減速に加え、モデル3やモデルYといった主力モデルの値下げが大きく響く形で利益を圧迫した形となりますが、現時点では(EV事業につき)すべての歯車が逆転しだした状況だと捉えられます。

テスラ
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一方、今後の展望として、EV事業においては2025年に低価格の新型モデルの生産開始が見込まれ、そして中国ではFSD(自律運転)の展開が期待でき、これらに加え新しい展開として2026年にはオプティマス(テスラボット)販売による収益、加えてロボタクシー稼働による利益も見込めるかもしれません。

参考までに、今年6月に開催された株主総会ではイーロン・マスクCEOに対する巨額報酬パッケージが承認されており、同氏はこれを受けて「最終的な結果を出して見せる」ともコメントしているので、なんらかの「秘策」があるのでしょうね。

ただしトランプ政権が実現した際には不安要素も

現在のバイデン政権下では「米国産EVに対する補助金」が出されており、これによってテスラは米国内での販売を有利に進めることができているのですが、ドナルド・トランプ氏は「自分が再選すればこういった優遇策は大統領就任初日に撤廃する」ともコメントしていて、これはテスラにとって大きな痛手となる可能性も。

ただ、イーロン・マスクCEOはこの問題に関し、「テスラは自動運転技術とAIを核とするソフトウエア企業ではなく、よってドナルド・トランプがEV優遇政策を撤廃してもさほど大きな痛手にはならない」という考え方を示しており、「影響を受けるのはテスラよりもほかの新興EVメーカーである」と述べたもよう。

実際のところ、同氏は「テスラはテック企業であって自動車メーカーではない」という考え方を強調していますが、現時点ではEVの販売が売上の80%を占めているので、この言葉を額面通りに受け取ることはちょっと難しいのかもしれません。

加えて同氏は(建設予定の)メキシコのギガファクトリーについても「ドナルド・トランプが再戦するかどうか」を見極めて建設を再考すると述べており、テスラの今後については誰が大統領になるのかによっても大きく左右されることになりそうですね。(ドナルド・トランプ氏はメキシコ産のEVに対し100-200%の関税を課す意向を示している)。

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